古代エジプトで使われていた材木リスト②

前回からの続き。
エジプト国内で育つ、木材として利用されていたことがわかっている木の種類リスト。
外来種でもエジプトで栽培されていればここに入れている。



●Carob イナゴマメ

実を食べるついでに木材としても利用。エジプトで庭園に植えられていた。硬い木材が取れるので、大型の家具など耐久性の必要なものに使われた。



●Acacia アカシア

エジプトでも育つ。様々な工芸品に広く使われた。
ただし木が太くはならないため、木炭にして金属の精錬をする、日曜道具を作るなど用途は限定される。

●Sycomore fig シカモア・イチジク

エジプト本にはよくでている木材。エジプト国内で育つ。普通のイチジクに比べてあんまり実が美味しくないそうで、木材利用のほうが重要だったという説も。
屋根の梁やドアの柱など日常的な木材として使われた。

●Persea　ペルセア

これもエジプト本ではよく出てくるやつ、エジプトで育つ木材で、王朝時代を通して利用されていた。時代によっては棺に使われていたこともある。ただ、船を作れるほど立派な木材には育たない。

●Olive オリーブ

かなり早い時期からエジプトに輸入されて育成されていたが、成長するにつれて内部が空洞になるという性質上、木材利用は限定的。小さな家財道具や燃料などに利用されたと考えられる。

●Plum プラム

主に食用だが、戦車のスポークなどに利用例あり。
エジプトで栽培していたのか、地中海沿岸のどこかの国から輸入していたのかは不明。

●Almond　アーモンド

エジプトにもちこまれて栽培されるようになった植物。食用、もしくは食用油をとるためにも利用されている。木材としての利用方はプラムと同じ。それほど広く使われたわけではなさそう。

●Wllow ヤナギ

エジプトで自生。あまり成長しない木なので用途は限られる。
柔らかいことから、かごの材料になっているものが多い。また盾の、皮を張るための下地や、くしなどの小さな日用品に使用されている。

●Tamarisk タマリスク

エジプトで自生。エジプトに生える木の中ではそこそこ硬いことから、高級家具などに使われた。葬送儀礼に関わる木ともされ、神殿の庭に植えられていた形跡もある。棺の材料、または燃料としても使われた。

●Dom palm　ドームヤシ

エジプトの南部でよく育つ。ヤシの中では丈夫なため、ソファの足など耐久性の必要なものに使われた。

●Date palm ナツメヤシ

エジプトで育つ。実はよく食べられていた。ドームヤシに比べて弱いため、屋根をふくのに使うなど庶民の日常利用な木材だった。



これらは、植物油としての利用リストに入ってるものも多いので、以下も参照。

古代エジプト人が使った「植物油」についての覚書き
https://55096962.seesaa.net/article/503097017.html

今回調べられた内容はここまで。