昆虫展に行ってきたついで。「昆虫はなぜ海にいないのか」

上野でやってる昆虫MANIACは当然いくでしょ。虫好きだし。
というわけで行ってきた。みっちり2時間くらい気になるコを眺め回してきた。

公式
https://www.konchuten.jp/

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で、本編の部分は置いといて、会場で紹介されていた昆虫関連の論文について。
帰ってきてから調べてとりあえず読んでみたのだが、面白いやつがあった。「昆虫はなぜ海にいないのか」。

…なぜって、昆虫は陸上の生物だからでは?
と思ったのだが、よく考えたら、昆中の中にもトンボとか蚊とか子供の時は水中で暮らしてる種類がいるし、タガメなどはメインの生活フィールドが水中。じゃあ海水がダメなのか? と思ったら、当たらずしも遠からずといった感じらしい。

【研究発表】昆虫学の大問題=「昆虫はなぜ海にいないのか」に関する新仮説
https://www.tmu.ac.jp/news/topics/35603.html

まとめると、
昆虫の外骨格=形成するのに酸素分子を補因子とする化学反応を必要とするが水中は酸素が少ない、Caは使えない 陸上有利
甲殻類の外骨格=形成するのに海水に豊富に含まれるカルシウム(Ca)を利用する 海中有利

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というわけで、外骨格を持っているところまでは共通だが、その作り方が違い、海中に適したものと陸上に適したものになっていることが原因ではないか、という話だ。これで確定ではなく、まだ推論のようだが、なるほど…という感じ。

なお前提として、そもそも昆虫は、もともと海中にいた甲殻類の一部(ムカデエビ(Remipedia)との共通祖先から分岐した、というのが最近の説らしい。なんか自分が子供の頃に読んだ本と全然違うな?!  

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体に殻を作ること自体は祖先が獲得した能力で、その殻を海中で作るか陸上で作るかの違いだけだとしたら、「じゃあその違いって何なのよ」って話になるのは当然。根本的に水中と陸上で外骨格の作り方が違うから棲み分けられている、という仮説は、確かにアリだなと思った。