古代エジプト人とおパンツの話・皮ふんどし

過去に何度か、古代エジプト人のパンツに関する情報を出してきた。なぜパンツ？ 大事なところだからだ。そうパンツは大事。ファラオの腰布の中がブラブラしてるのか何か履いてるのかでは全然違う。
結論から言うとリネン(亜麻)製の三角ふんどしが一般的で、王も貴族も庶民も身につけていたらしいことが分かっている。

古代エジプト人はパンツを履くか
https://55096962.seesaa.net/article/200911article_12.html

古代エジプト人はパンツを履くか・２
https://55096962.seesaa.net/article/201504article_13.html

古代エジプト人はパンツをはくか・3
https://55096962.seesaa.net/article/201610article_12.html

ただ、このおパンツ、実は亜麻ではなく革製のものもあるのだ。
エジプトよりもナイルの上流、ヌビア地方では皮のスリット入りパンツ(というか皮ふんどし)が普段着であり、新王国時代にはエジプトにも入ってきていた。

こういうやつである。



右のやつは現在行方不明だが、左のは現存する。
https://collections.mfa.org/objects/130310/loincloth-of-maiherpra?ctx=d630a8c1-05a1-4a6f-be3b-7af4442d9877&idx=13



これは王家に谷に埋葬を許された、つまりかなり位の高い役職にあったと思われるマイヘルペリという人物の副葬品。墓にいれるものは普段使いしていたもので、死後の世界でも使おうとしていた品のはずだ。
マイヘルペリは死者の書では縮れ毛で描かれており、ヌビア人にルーツを持つか、エジプトに移住してきていたヌビア人だろうと考えられている。ヌビアはエジプトほと重中敵な灌漑農業はしておらず、おそらく、亜麻が手に入りにくかったのだと思う。



また、大英博物館の収蔵品にも似た皮ふんどしがある。こちらは写真なのでわかりやすく、スケスケなのが見て取れる。



皮なんて暑いでしょ…デリケートゾーンが蒸れちゃう…と思いきや、まさかの力技でのスケスケ★スタイルである。
エジプト国内でこれらを身に着けていたのは、ヌビア出身者の他は兵士や船大工などガテン系職の人たちだったと考えられている。亜麻布は高価な品だったが、もしかしたら皮のほうが若干安いか、耐久性が高かったのかもしれない。しかしなんかこう…網タイツみたいなスリットがちょっとエロいな…うん。

まあ、というわけで、古代エジプト人におパンツ履かせる場合は、亜麻布のふんどし以外にスケスケ皮ふんどしも使えますよ、というお話。