古代エジプト人、痔になる。座り仕事のいまむかし
ディル・エル・メディーナ出土のパピルス一覧を見てたら、痔の治療法が懇切丁寧に書かれてて、ああ、座り仕事…。ってなったお話。
この村は、古代エジプト・新王国時代の墓作り職人たちの職人村である。その時代に古代エジプトの首都だったルクソールの西対岸にあり、歴代の王族・高官の墓がある「王家の谷」とか「王妃の谷」にアクセスし易い場所に作られている。住民は全員、何かの職人か村の維持にたずさわる関係者。谷に墓が作られなくなる時代に解散し、以後は無人のまま砂に埋もれていた。なので遺物の残りが良い。
で、この村から発掘されたパピルスの中に、「尻の治療」という物凄くピンポイントなパピルスが出土していた。
どうやら医療パピルスから一部抜粋したもののようで、ケンヘルケペシェフという住民の個人のコレクションとして出土しているので、その家の人が使ってたっぽい。
尻の治療ってなんだよw と思いながら中身を見ていたら、どうやら痔や直腸関連に特化した治療のようだった。「尻の穴が痛い時は」「穴から血が出る時は」などと書かれているので間違いない。
内容は↓こんな感じ。
「海の魚の骨、オアシスでとれたショウガのような根、亜麻の葉、メスタ液を混ぜ合わせ、12に分割して4つずつ毎日、尻に塗る。」
「フェンネル(?)、ガチョウの油、はちみつを混ぜ、4つに分けて毎日、尻に塗る。」
こういうのが何種類も書かれているが、患部に直接塗る治療になっている。油やハチミツが必ず書かれているが、これは、おそらく塗り薬にするため粘りをつけるためだと思う。残りの成分は薬効のありそうな植物や、消毒のためなのか塩などが配合されていることが多い。ググってみると現代の治療は手術をすることが多いようで、薬だけだと緩和にしかならなさそう。効いたのかどうかは…分からない…。
おそらく職人村では、痔が多かったのではないかと思う。
彫刻でも、絵師でも、工芸士でも、冶金でも、職人のお仕事には、座り仕事のものが沢山ある。現代でもプログラマなど座り仕事の多い人は痔になりやすいというが、墓作り職人として専門で雇われ、ずっと座り仕事をしていたのだとしたら、古代人でも痔になりやすかったのではないか。
もしかしたらケンヘルケペシェフさんは、座り仕事をしていて、痔に悩んでいたかもしれない。あるいは、村の民間治療役として、村人たちに多い症状を緩和する役目を担っていたのかもしれない。
ヘンピな谷では、町のお医者さんにかかりにいくことも難しい。軽い気持ちで調べてしまったが、症例の写真の検索だけで「うわぁ」ってなったので、なんか申し訳ない気持ちになった。
高度治療が簡単に受けられる現代は素晴らしいですね。
この村は、古代エジプト・新王国時代の墓作り職人たちの職人村である。その時代に古代エジプトの首都だったルクソールの西対岸にあり、歴代の王族・高官の墓がある「王家の谷」とか「王妃の谷」にアクセスし易い場所に作られている。住民は全員、何かの職人か村の維持にたずさわる関係者。谷に墓が作られなくなる時代に解散し、以後は無人のまま砂に埋もれていた。なので遺物の残りが良い。
で、この村から発掘されたパピルスの中に、「尻の治療」という物凄くピンポイントなパピルスが出土していた。
どうやら医療パピルスから一部抜粋したもののようで、ケンヘルケペシェフという住民の個人のコレクションとして出土しているので、その家の人が使ってたっぽい。
尻の治療ってなんだよw と思いながら中身を見ていたら、どうやら痔や直腸関連に特化した治療のようだった。「尻の穴が痛い時は」「穴から血が出る時は」などと書かれているので間違いない。
内容は↓こんな感じ。
「海の魚の骨、オアシスでとれたショウガのような根、亜麻の葉、メスタ液を混ぜ合わせ、12に分割して4つずつ毎日、尻に塗る。」
「フェンネル(?)、ガチョウの油、はちみつを混ぜ、4つに分けて毎日、尻に塗る。」
こういうのが何種類も書かれているが、患部に直接塗る治療になっている。油やハチミツが必ず書かれているが、これは、おそらく塗り薬にするため粘りをつけるためだと思う。残りの成分は薬効のありそうな植物や、消毒のためなのか塩などが配合されていることが多い。ググってみると現代の治療は手術をすることが多いようで、薬だけだと緩和にしかならなさそう。効いたのかどうかは…分からない…。
おそらく職人村では、痔が多かったのではないかと思う。
彫刻でも、絵師でも、工芸士でも、冶金でも、職人のお仕事には、座り仕事のものが沢山ある。現代でもプログラマなど座り仕事の多い人は痔になりやすいというが、墓作り職人として専門で雇われ、ずっと座り仕事をしていたのだとしたら、古代人でも痔になりやすかったのではないか。
もしかしたらケンヘルケペシェフさんは、座り仕事をしていて、痔に悩んでいたかもしれない。あるいは、村の民間治療役として、村人たちに多い症状を緩和する役目を担っていたのかもしれない。
ヘンピな谷では、町のお医者さんにかかりにいくことも難しい。軽い気持ちで調べてしまったが、症例の写真の検索だけで「うわぁ」ってなったので、なんか申し訳ない気持ちになった。
高度治療が簡単に受けられる現代は素晴らしいですね。