キプロス島のカバは人間が食い尽くしたから? 絶滅時期と原因についての研究
かつて、キプロス島には小型のカバとゾウがいた。
カバは150万年くらい前に原種のカバ(Hippopotamus amphibius)から分岐して、島嶼化と呼ばれる小型進化の過程を経てイノシシほどのサイズにになっていたし、ゾウはヨーロッパと西アジアに生息していた原種(Palaeolocodon antiquus)の10%ほどの大きさまで縮んでいたとされる。
だが、これらの小型種は1万4千年から1万3千年前ごろには島から絶滅してしまう。
現在残されているのは、島のうちこちから見つかった骨の化石だけだ。
これらの生物がなぜ絶滅したのかについては、気候変動のためか、移住してきた人類が食い尽くしたからかで論争があった。今回の研究では、「たぶん人間が絶滅させてるんじゃないか」というもの。
人間が島に渡ったのは1万4千年前くらいと考えられている。
島に渡ってきた人数はかなり少なかったようなのだが、少人数でも1000年あれば絶滅させられるだろう、という。
Small populations of Stone Age people drove dwarf hippos and elephants to extinction on Cyprus
https://theconversation.com/small-populations-of-stone-age-people-drove-dwarf-hippos-and-elephants-to-extinction-on-cyprus-238999

どちらも獰猛な生物だし、アフリカでは絶滅していない。マンモスが絶滅したのは気候変動の原因も大きい。
なので、人数少ない人間だけで絶滅させられるのか…? という疑問もあったのだが、カバのサイズがイノシシって聞いたら、ああ、そのサイズなら食いつくすなあ。と思ってしまった。落とし穴戦法も使えちゃう。

もし人類が意図的に食い尽くしたのではないとしても、小さな島で人間が活動することによる環境変化は、絶滅に大きく貢献した可能性がある。植物を刈ったり、水場を占拠したりすればカバやゾウにはストレスになる。
原因はともあれ、有史以前にキプロス島の大型生物は消滅した。
以降、キプロス島では、カバは「伝説上の生き物」になっていくのである。
******
関連
ミノア文明に輸入されたエジプト神タウェレトの転身「Minoan Genius」
https://55096962.seesaa.net/article/502635007.html
絶滅は、クレタ島でも同様に起きている。エジプトのカバの女神がクレタ島に伝播した際、カバを見たことがなかったためにロバのキメラみたいな姿になっちゃったのだ。カバは早い段階で大陸側の西アジアからも姿を消していたようで、エジプトまで行かないと見られない生き物になっていた。キプロス島の人も、カバのことはうっすらとしか知らなかったかもしれない。
カバは150万年くらい前に原種のカバ(Hippopotamus amphibius)から分岐して、島嶼化と呼ばれる小型進化の過程を経てイノシシほどのサイズにになっていたし、ゾウはヨーロッパと西アジアに生息していた原種(Palaeolocodon antiquus)の10%ほどの大きさまで縮んでいたとされる。
だが、これらの小型種は1万4千年から1万3千年前ごろには島から絶滅してしまう。
現在残されているのは、島のうちこちから見つかった骨の化石だけだ。
これらの生物がなぜ絶滅したのかについては、気候変動のためか、移住してきた人類が食い尽くしたからかで論争があった。今回の研究では、「たぶん人間が絶滅させてるんじゃないか」というもの。
人間が島に渡ったのは1万4千年前くらいと考えられている。
島に渡ってきた人数はかなり少なかったようなのだが、少人数でも1000年あれば絶滅させられるだろう、という。
Small populations of Stone Age people drove dwarf hippos and elephants to extinction on Cyprus
https://theconversation.com/small-populations-of-stone-age-people-drove-dwarf-hippos-and-elephants-to-extinction-on-cyprus-238999

どちらも獰猛な生物だし、アフリカでは絶滅していない。マンモスが絶滅したのは気候変動の原因も大きい。
なので、人数少ない人間だけで絶滅させられるのか…? という疑問もあったのだが、カバのサイズがイノシシって聞いたら、ああ、そのサイズなら食いつくすなあ。と思ってしまった。落とし穴戦法も使えちゃう。

もし人類が意図的に食い尽くしたのではないとしても、小さな島で人間が活動することによる環境変化は、絶滅に大きく貢献した可能性がある。植物を刈ったり、水場を占拠したりすればカバやゾウにはストレスになる。
原因はともあれ、有史以前にキプロス島の大型生物は消滅した。
以降、キプロス島では、カバは「伝説上の生き物」になっていくのである。
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https://55096962.seesaa.net/article/502635007.html
絶滅は、クレタ島でも同様に起きている。エジプトのカバの女神がクレタ島に伝播した際、カバを見たことがなかったためにロバのキメラみたいな姿になっちゃったのだ。カバは早い段階で大陸側の西アジアからも姿を消していたようで、エジプトまで行かないと見られない生き物になっていた。キプロス島の人も、カバのことはうっすらとしか知らなかったかもしれない。