ヒッタイトの首都の水源はどこ? 調べたらハイキング・コースとして観光地化されていた

ふと、「エジプトの集落とヒッタイトの集落の違いってなんだろうな」という疑問が浮かび、なんとなく地図を広げてみた。

一番大きな違いは、城壁が必須かどうかだろう。エジプトはナイル渓谷に沿って集落があり、上流のほうは川沿いは切り立った崖、下流は川を離れると砂漠か海、という状況なので、外敵の侵入ルートが読みやすい。国境の要塞などは城壁を作っていたようだが、それ以外の街はあまり壁を必要としなかった。

対して、ヒッタイトの街は基本的に城壁とセットになっている。そして街そのものがちょっと高台にあったりする。
首都ハットゥシャの街はこんな感じ。ツアーで行った人の感想見てると「意外と上りが多くてキツかった」といったものもある。遺跡巡りは体力勝負である。

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https://wowcappadocia.com/hattusha-hattusa-ancient-city.html

そしてもう一つの違いは、水源だと思う。エジプトの場合、ナイル川がほぼ唯一の水源で、残りはオアシス。井戸だと水量が安定しないし枯れることもある。ヒッタイトの栄えたあたりは降水量少なめ、大きな河川は幾つかあるが必ずしも河川沿いに遺跡があるわけではない。
首都ハットゥシャの場合は、人口も多かったはずだし、安定した豊富な水源は必要だっただろう。一体どこが水源なのかなー、とちょっと調べていたら…

隣が山だった。

これは盲点。確かに山があれば川はできる。日本でもそう。
アナトリア平原は平原といいつつけっこう高低差があるので、遺跡の位置が「水源に近い山の裾野/丘陵地帯」というパターンもあるんだと気がついた。
で、ヒッタイト首都の横の山を眺めていたら…なんかハイキング・コースがあるぞ…?

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インターネッツは便利なもので。実際にハイキングした写真がいっぱい上がってた。どうせこういうとこ歩くのドイツ人だろ。(偏見)
川はかなりの水量があり、これなら大人数を養えそうだなという感じ。そんで山もけっこう確りした「山」。歩きごたえはありそう。

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ただ、近くに川も山も無く、目立つ水源のない都市遺跡もいくつかある。
たとえばアラジャホユックやカマンカレホユックがそうで、かつては街の近くに湧水地点があった、という話も出てきたが、街の規模もそんなに大きくはないので、おそらくジャブジャブ水が流れている状態ではなかったのではないかと思った。
逆に言うと、利用できる水の量で住民のキャパも決まっていたのでは。

そして改めて思ったが、ヒッタイト帝国、ちょっと乾燥地帯すぎるんよ…。国土の高低差もかなりあるし、新しく街道通すのも大変そう。
どう考えても北の黒海沿岸か西のエーゲ海沿岸のほうが居住条件いいと思う。周辺のいいとこを他勢力に取られた状態で繁栄しようとしたんじゃないのかな。なんか、繁栄が長続きしなかった理由も、滅亡の理由も、一つはそのへんにある気がしている。