イスラームの黒騎士、アンタラ・イブン・チャダド・アル・アブシ アラビア英雄譚が厨二病をくすぐる件
アラビアの伝承を調べていると、たまに「盗賊詩人」みたいな厨二病全開の人が出てくる。何らかの理由で氏族を追放され、放浪しながらイカした詩を詠む、恋と冒険とロマンスの塊みたいな人物である。
で、その中に「詩人にして黒騎士アンタラ」という、属性もりもりの人を見つけたのでメモしておきたい。
イメージ元
この人物はイスラーム布教以前の6世紀に実在した詩人が元なのだが、後世に物語化され、11世紀頃には今知られている「アンタル物語」という形になっていたとされる。
アンタラの名前は Antarah ibn Shaddad al-Absi であり、物語の中の設定では、武力、知力、勇気を備えた若者だが貧しく奴隷の出身と設定されている。
「黒騎士」の名の由来は肌が黒かったことに由来し、母親がエチオピア出身だったということになっている。物語の中でのあだ名にも「カラス」がある。
彼は恋人であるアブラの父親から、結婚の条件として特定の育て方をしたラクダ一千頭を連れてくるように言われ、イラク、イラン、さらにはそれよりも遠くまで旅して周る。最後は、苦難の冒険の果てに課題をこなしてぶじ恋人と結婚する、というハッピーエンドなロマンスである。
英雄が、結婚に際して花嫁の父親から難題をつきつけられるというパターンの物語は世界中にあるが、これもその一つと言える。
主人公が「詩人にして騎士(元は奴隷だが)」というのは、なんとなくアイルランド神話に似てると思ったが、実際、「アラブのアーサー王伝説」という評価もあるらしい。また、実在の人物がのちに英雄化されるというのは、「ロランの歌」の成立過程と似ている。
アンタルの叙事詩は、現代においてもコーヒー・ハウスで歌われる物語だという。
叙事詩としてはどちゃくそ長いらしいのだが、ぜひ通しで読んでみたいところである。
で、その中に「詩人にして黒騎士アンタラ」という、属性もりもりの人を見つけたのでメモしておきたい。
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この人物はイスラーム布教以前の6世紀に実在した詩人が元なのだが、後世に物語化され、11世紀頃には今知られている「アンタル物語」という形になっていたとされる。
アンタラの名前は Antarah ibn Shaddad al-Absi であり、物語の中の設定では、武力、知力、勇気を備えた若者だが貧しく奴隷の出身と設定されている。
「黒騎士」の名の由来は肌が黒かったことに由来し、母親がエチオピア出身だったということになっている。物語の中でのあだ名にも「カラス」がある。
彼は恋人であるアブラの父親から、結婚の条件として特定の育て方をしたラクダ一千頭を連れてくるように言われ、イラク、イラン、さらにはそれよりも遠くまで旅して周る。最後は、苦難の冒険の果てに課題をこなしてぶじ恋人と結婚する、というハッピーエンドなロマンスである。
英雄が、結婚に際して花嫁の父親から難題をつきつけられるというパターンの物語は世界中にあるが、これもその一つと言える。
主人公が「詩人にして騎士(元は奴隷だが)」というのは、なんとなくアイルランド神話に似てると思ったが、実際、「アラブのアーサー王伝説」という評価もあるらしい。また、実在の人物がのちに英雄化されるというのは、「ロランの歌」の成立過程と似ている。
アンタルの叙事詩は、現代においてもコーヒー・ハウスで歌われる物語だという。
叙事詩としてはどちゃくそ長いらしいのだが、ぜひ通しで読んでみたいところである。