某ソシャゲでツタンカーメンが実装されたので、ツタン様のフルネームを置いておきますね

某FGO(もはや某ではない)で、銀髪褐色ショタが! と話題になっていたツタン様。
はいかわいい。
これに惚れた人は実物のミイラを検索してはいけない。古代エジプト、ミイラにしてえらい人を残すので、恐ろしいことにオジマンディアスもツタンカーメンもご本人様(生)が現代に残ってるのですよ。

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(ツタン様はめっちゃ研究されてるから、業績に謎とか比較的少ない気がするんだけど、まあ…ゲームの設定としてはね…)

ちなみに、ツタンちゃんくん魅了系スキルが通じるとか、男性限定スキルにかかるとか話題になってましたが、もちろんついています。ていうか、検索するとミイラのブツの写真が出てきちゃうから、そりゃそうよ。


という話をしつつ、今回は「古代エジプトのファラオのフルネームはくっそ長いぞ」という話をしたいと思います。

ファラオの名前は五重名、つまり五つの異なる意味を持つ名前がセットになっています。
「誕生名」(ノーメン/バース・ネーム/サァ・ラー名)
「即位名」(プレ・ノーメン/スローン・ネーム/ネスゥ・ビト名)
「二女神名」
「ホルス名」
「黄金のホルス名」

解説はこちら
http://www.moonover.jp/bekkan/chorono/royal_titulary.htm

「ツタンカーメン」はこのうち「誕生名」、日本の天皇や将軍で言うと幼名にあたる部分で、正式な王名は「即位名」になります。
サーバントの真名を看破するスキルってこれ全部分かるんですかね。なんとなく全部見えない気がするんだけど。

ちなみにツタン様のフルネームはこちらです。

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ホルス名 カー・ナクト・トゥト・メスゥト
勝利の雄牛、現象の再生

二女神名 ネフェル・ヘプ・セゲレフ・タァウイ
完全なる秩序によって”二つの国”(エジプト全土)を鎮めたる者

黄金のホルス名 ウェチェス・ハァウ・セヘテプ・ネチェルゥ
神々を満足させし者の顕現

即位名 ネブ・ケペルウ・ラー
黄金なるラーの顕現

即位名のエピセット(形容辞) ヘカ・マアト
真実の支配者

誕生名 トゥト・アンク・アメン(元はアテン)、ヘカ・イウヌ・シェマ
アメン神の生ける像、イウヌ(テーベ)の街を治めし者


二女神名と黄金のホルス名は複数あるんで、これ全部フルで看破できるなら考古学的にめっちゃ助かるんじゃないかと思ったりw
あと、「ツタン様の本名知ってる」って言うためには、最低限、よく使われる「即位名」「二女神名」の組み合わせくらいは抑えておかないと、遺物が出てきても判別出来ないと思う。

これらの名前のセットを見ていると、ツタンカーメンが即位した当時のエジプトの政治事情もうっすらと見えてくる。
よく知られているとおり、アンエンアテン王がアテン一神教を開始し、その死後に無理な宗教改革が破綻して、従来のアメン神を国家神とする宗教に回帰しようとしていたのがツタンカーメンの時代。

「神々を満足させし者」の「神々」部分が「ネチェルウ」と複数形になっているのとか、二女神名や即位名のエピセットに「秩序」「法」を意味する単語が入っているところで、アクエンアテンの時代にしっちゃかめっちゃかになった国内を立て直そうとしたんだなこれ…という感じがある。
独裁者が急激な改革をやっても、ついてこれるかって、ついて来られないですからね。皆。特に宗教なんていきなり変更されても無理でしょうから。

というわけで、各ファラオとも、王になったあとに付けられる誕生名以外の四つの名前に反映された政治事情の読み解きが面白いです。


なお、他にサーヴァントとして実装されているラメセス2世の五重名は死ぬほど長い&数が多いので調べると死にます。
プトレマイオスやクレオパトラの時代にはホルス名しか使われてません。
ニトクリスは実在しない王なのでそもそも王名も存在しません。