ラメセス2世とツタンカーメンの共通点「嫁が年上」から考える、子作り最優先の世界

ラメセス2世とツタンカーメンには意外な共通点がある。嫁(正妻)が年上 というところだ。
そして両者とも、かなり早い段階、おそらくローティーンの時代から子作りを始めている。つまり合法オネショタ、いや、古代世界では成人している年齢と言えなくもないので、元服したら即結婚してお世継ぎ作れ。みたいな日本の戦国マインドに近いかもしれない。

ツタンカーメンは、亡くなった時点で娘が2人いた(両方とも死産)ことがミイラから知られている。即位後すぐにアクエンアテンの娘と結婚しているところからしても、亡くなったのが19歳くらいとされているところからしても、ローティーンから子作りしていた可能性は高い。

ラメセス2世の場合、即位10年目に「8番目の息子」が「従軍」しているというハイペースから逆算するに、こちらもローティーンから子作りしていないと計算が合わない、
そして正妻のネフェルタリは、即位20年目までには死亡しており、死亡時の年齢はミイラからして40歳を超えていたことから年上とされる。

【おねショタの波動】ラメセス2世の即位10年目あたりの戦争に彼の息子が参加しているわけだが。
https://55096962.seesaa.net/article/202007article_15.html

古代ギリシャなどだと、男性のほうが年上で、ローティーンの嫁さんを貰うのが一般的だったとされる。そのせいか、古代世界=女の子は幼いうちに嫁ぐ、というイメージも強いかと思うが、古代世界全体がそうだったわけではないのだ。
男性の結婚が遅れる理由としては、結婚するのに金がかかるから、とか、家を準備しなければならない。というものがある。実際、古代エジプトでは、結婚する=新居を持つ と同意義で、農民などの結婚だと、男性のほうが年上の場合が多かったようだ。

だが、一家の主として家を持つことが結婚の前提条件なら、もともと裕福な家柄、とくに王族などは、別に年齢を重ねる必要もない。王位継承件を持つ王子なら、尚更だ。
というわけで、古代エジプトのエリート層は結婚は意外と早い。ファラオの結婚も早い。

これは、古代エジプトの王位が男系で継承されていたことの証明でもある。女系だったら王女の結婚を急ぐわけですからね。
王子の子作り急がせて息子を欲しがってるのは、男系継承だから。大昔の説をいまだに使ってて女系継承って書いてる本もあるけど、そうすると実際の王族の結婚事情と矛盾するんで、ここはおさえといてほしい…。



あとラメセス2世、愛妻家っていうより恐妻家、むしろ おかんと嫁と娘が全員強すぎた っていうパターンじゃないかと思ってます。
アブ・シンベル神殿に自分の姿をばばーんと作らせておきながら、足もとに嫁と娘を配置していたり、母の像をけっこうな数作らせてたり、なんかこう、家族の女性たちにだいぶ気を遣った形跡が見て取れるんですよね。(嫁が先に他界したあとは、娘にかなりの権限を委譲しているし)

子どもたちのための墓地を作って先立った子どもたちを丁寧に埋葬しているのもそうだし、オレオレ主義な王様のわりに家族思いなところもあるのが王の中の王…これはみんなついていくわ…って感じ。

王族が子どもを作るのは国家の安泰のため、という使命感もあったんだろうけど、それだけじゃない何かがあってもいいんじゃないかな。とは思うのです。