上級スキルの一極集中は文化消失の危険性が高い。古代世界における属人化について
設計構築からプログラミングまで、何でもこなせるスーパーエンジニアが突然退職したら大変ですよね?
Excelマクロがロストテクノロジー化、システムメンテのノウハウ失伝、顧客との過去のやり取りが不明になり契約条件を最初から見直し。少人数でやってる中小企業にはありがちな状況かと思います。
で、ふと思ったんですけどこれ、たぶん古代世界における少人数文化圏にも良くあるやつだったんじゃないかと。
石器づくりとか土器づくりとか、衣類の作り方とか食える薬草とか。色んな技術がある中で、伝承出来なければ途切れてしまうわけです。属人化してて、知ってる人が死んじゃったら終わり。なので知識はなるべく、集団内の多くの人で共有する必要がある。ピーキーな技術は伝承出来ない可能性があるので、なるべく誰でも使えるようにしておく必要がある。もしくは集団の規模をでかくして、一人か二人死んでもなんとかなるようにしておく。
人間の集団規模が大きくなるほど文化的に高度になっていったのも、このへんに理由があるんだろうなと気がついた。
失伝するのが厄介なものとしては、読み書きとか、暦の読み方とか、算数とか、習得に時間がかかるものだ。これは、いちど失伝してしまうと、なかなか再発見/再開発が出来ない。特に文字は、一回使うのが廃れてしまうと同じものが復活することはほぼ無い。また、文字記録は一回完全に読めなくなると、文字で書かれたものの過去ぶんの記録が全て失われてしまうのと同じことになる。
こうした、習得に時間がかかるものは、農業しながら片手間とかではなかなか学べないため、特権階級が集中的に習得することが多いのだが、中でも、特定の少人数だけで高次な知識を独占していたのがマヤ文明とされる。文字の読み書きから神話、儀式、その他諸々を片っ端から王と貴族だけで習得してたので、その階級がまとめて死ぬイベントが起きると、あっという間に過去が失われてしまった。
これ、せめて王族と神官で別々の知識を伝承するとか、都市国家単位じゃなく全国共通で広い範囲に知識バラしとくとか、記録した紙をあっちこっちに保管しとくとかすれば、まだ何とかなったかもしれないんだが…。
マヤ文明の「ドキュメントがないから過去の経緯がよくわからん」は、中小企業でキーマンが退職してしまった状態にちょっと似てる。と思ってしまいいたたまれなくなったのが本日のハイライト。
なお、古代メソポタミアの知識だと、ギリシャ語に転記され、その後、アラビア語に入って一部が生き残った。古代エジプト語の知識も同様。
別言語であっても、継承してくれる文化圏が隣にいれば状況はまた違っていたのかもしれない。
…ロストテクノロジー化したソースコードの解読という黒歴史は、もう二度と体験したくないです(ぼそり)
Excelマクロがロストテクノロジー化、システムメンテのノウハウ失伝、顧客との過去のやり取りが不明になり契約条件を最初から見直し。少人数でやってる中小企業にはありがちな状況かと思います。
で、ふと思ったんですけどこれ、たぶん古代世界における少人数文化圏にも良くあるやつだったんじゃないかと。
石器づくりとか土器づくりとか、衣類の作り方とか食える薬草とか。色んな技術がある中で、伝承出来なければ途切れてしまうわけです。属人化してて、知ってる人が死んじゃったら終わり。なので知識はなるべく、集団内の多くの人で共有する必要がある。ピーキーな技術は伝承出来ない可能性があるので、なるべく誰でも使えるようにしておく必要がある。もしくは集団の規模をでかくして、一人か二人死んでもなんとかなるようにしておく。
人間の集団規模が大きくなるほど文化的に高度になっていったのも、このへんに理由があるんだろうなと気がついた。
失伝するのが厄介なものとしては、読み書きとか、暦の読み方とか、算数とか、習得に時間がかかるものだ。これは、いちど失伝してしまうと、なかなか再発見/再開発が出来ない。特に文字は、一回使うのが廃れてしまうと同じものが復活することはほぼ無い。また、文字記録は一回完全に読めなくなると、文字で書かれたものの過去ぶんの記録が全て失われてしまうのと同じことになる。
こうした、習得に時間がかかるものは、農業しながら片手間とかではなかなか学べないため、特権階級が集中的に習得することが多いのだが、中でも、特定の少人数だけで高次な知識を独占していたのがマヤ文明とされる。文字の読み書きから神話、儀式、その他諸々を片っ端から王と貴族だけで習得してたので、その階級がまとめて死ぬイベントが起きると、あっという間に過去が失われてしまった。
これ、せめて王族と神官で別々の知識を伝承するとか、都市国家単位じゃなく全国共通で広い範囲に知識バラしとくとか、記録した紙をあっちこっちに保管しとくとかすれば、まだ何とかなったかもしれないんだが…。
マヤ文明の「ドキュメントがないから過去の経緯がよくわからん」は、中小企業でキーマンが退職してしまった状態にちょっと似てる。と思ってしまいいたたまれなくなったのが本日のハイライト。
なお、古代メソポタミアの知識だと、ギリシャ語に転記され、その後、アラビア語に入って一部が生き残った。古代エジプト語の知識も同様。
別言語であっても、継承してくれる文化圏が隣にいれば状況はまた違っていたのかもしれない。
…ロストテクノロジー化したソースコードの解読という黒歴史は、もう二度と体験したくないです(ぼそり)