知られざるアマゾンの「緑の革命」、カサラベ文化(モホス文明)のトウモロコシ二毛作が人口を支えた可能性が示唆される
アマゾンは、かつては未開の原生林で、原始的な文明しか無かったと考えられてきた。
しかしここ20年くらいの研究では、実は埋もれている中に高度な自然利用を可能とした古代文明がいくつも存在したことが分かってきている。そのうちの一つが、最近取りざたされるようになったボリビアの「カサラベ文化」だ。
アマゾン奥地でこれまで知られていなかった「古代都市」の遺跡を上空からのLIDAR調査で発見
https://gigazine.net/news/20220526-lidar-reveals-amazonian-urban-settlements/
ボリビアというと首都の高度が3,000m越えている「アンデス高地の国」というイメージ強いが、実は半分以上は低地。アンデス山脈を挟んだ東側のアマゾンはジャングルである。

で、この地に1,400年頃まで栄えていたカサラベ文化では、どうもジャングル切り開いてトウモロコシ農園を作っており、ため池を使って二毛作もやっていたっぽい、というのが、今回、地形調査で分かってきた部分である。つまりメソポタミアみたいに集中的な灌漑農法システム作ってた可能性がある。
古代文明っつっても石で神殿作るだけじゃなく、土で土手築いたり水路作ったりする方向の文明もあるんですよね。
Maize monoculture supported pre-Columbian urbanism in southwestern Amazonia
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08473-y

火入れの形跡はないので焼畑はしていない。また、付近の土壌から検出された花粉の量から、トウモロコシに強く依存するモノカルチャーに近い状態になってた可能性があるとのこと。
トウモロコシを大量生産することによって人口が一気に増えた可能性がある。
ただ、この文明は、ヨーロッパからの入植者たちが訪れるより前に衰退して密林の中に消えてしまう。
衰退の理由は、気候変動によって二毛作が破綻したからではないか、と、この論文では書かれているが、もし本当に一種の作物に頼るような栽培のやり方をしてたのなら、普通に連作障害を起こしたか、ジャガイモ飢饉みたいに作物の病気が流行ったとかじゃないかと思う…。
アンデスのイモ栽培では、イモの種類が何種類もあって、それらを混ぜて育てる/同じ種類は同じ場所に何度も植えない、とかの手段が講じられている。作るのに手間がかかり、見た目もよくないイモが現代まで生き残ってる理由がそれだったりする。
もしかしたら、カサラベ文化のトウモロコシ栽培は、そういうところまで農業技術が発展せずにポシャってしまったのでは…。
最大効率を求めて一種類の最もカロリー量の高いトウモロコシだけ栽培し続けてたとかだったら、そら一回の失敗で全滅するわという感じ。
いずれにしても、数種類の作物二だけ頼る農耕文明は、けっこうリスキーだったんだろうなと思う。
なお、この「カサラベ文化」、最近はカサラベって呼ばれているけど、場所がリャノス・デ・モホスなので、少し前までの本などだと「モホス文明」という名前でもでてきます。いつ変わったのかは分からん。もしかしたら微妙に違うのかもしれないけど違いもわからん。とりあえず両方の名前でぐぐれば、同じ地域の情報が出てきます。
↓例 2008年の同じ地域の日本の調査
モホス平原の水域の抽出とその空間分布
http://ris-geo.jp/pdf/publication/p019_ron03_miyasaka.pdf
しかしここ20年くらいの研究では、実は埋もれている中に高度な自然利用を可能とした古代文明がいくつも存在したことが分かってきている。そのうちの一つが、最近取りざたされるようになったボリビアの「カサラベ文化」だ。
アマゾン奥地でこれまで知られていなかった「古代都市」の遺跡を上空からのLIDAR調査で発見
https://gigazine.net/news/20220526-lidar-reveals-amazonian-urban-settlements/
ボリビアというと首都の高度が3,000m越えている「アンデス高地の国」というイメージ強いが、実は半分以上は低地。アンデス山脈を挟んだ東側のアマゾンはジャングルである。

で、この地に1,400年頃まで栄えていたカサラベ文化では、どうもジャングル切り開いてトウモロコシ農園を作っており、ため池を使って二毛作もやっていたっぽい、というのが、今回、地形調査で分かってきた部分である。つまりメソポタミアみたいに集中的な灌漑農法システム作ってた可能性がある。
古代文明っつっても石で神殿作るだけじゃなく、土で土手築いたり水路作ったりする方向の文明もあるんですよね。
Maize monoculture supported pre-Columbian urbanism in southwestern Amazonia
https://www.nature.com/articles/s41586-024-08473-y

火入れの形跡はないので焼畑はしていない。また、付近の土壌から検出された花粉の量から、トウモロコシに強く依存するモノカルチャーに近い状態になってた可能性があるとのこと。
トウモロコシを大量生産することによって人口が一気に増えた可能性がある。
ただ、この文明は、ヨーロッパからの入植者たちが訪れるより前に衰退して密林の中に消えてしまう。
衰退の理由は、気候変動によって二毛作が破綻したからではないか、と、この論文では書かれているが、もし本当に一種の作物に頼るような栽培のやり方をしてたのなら、普通に連作障害を起こしたか、ジャガイモ飢饉みたいに作物の病気が流行ったとかじゃないかと思う…。
アンデスのイモ栽培では、イモの種類が何種類もあって、それらを混ぜて育てる/同じ種類は同じ場所に何度も植えない、とかの手段が講じられている。作るのに手間がかかり、見た目もよくないイモが現代まで生き残ってる理由がそれだったりする。
もしかしたら、カサラベ文化のトウモロコシ栽培は、そういうところまで農業技術が発展せずにポシャってしまったのでは…。
最大効率を求めて一種類の最もカロリー量の高いトウモロコシだけ栽培し続けてたとかだったら、そら一回の失敗で全滅するわという感じ。
いずれにしても、数種類の作物二だけ頼る農耕文明は、けっこうリスキーだったんだろうなと思う。
なお、この「カサラベ文化」、最近はカサラベって呼ばれているけど、場所がリャノス・デ・モホスなので、少し前までの本などだと「モホス文明」という名前でもでてきます。いつ変わったのかは分からん。もしかしたら微妙に違うのかもしれないけど違いもわからん。とりあえず両方の名前でぐぐれば、同じ地域の情報が出てきます。
↓例 2008年の同じ地域の日本の調査
モホス平原の水域の抽出とその空間分布
http://ris-geo.jp/pdf/publication/p019_ron03_miyasaka.pdf