入場料は強気の4千円越え、だが来ているものが一級品勢揃い「ラムセス大王展」

カイロ博物館の老朽化にともなう改装や、新しく作っている大エジプト博物館への遺物移転のはじまった頃から、エジプト政府肝いりの大規模なエジプト展が世界各国で行われるようになった。これは改装中にバックヤードに置いとくよりは他の国に貸し出したほうが費用捻出できるからであり、観光業と並んで遺物の貸し出しが主要な外貨獲得の手段であるエジプトさんならではの事情があり、同時に展示会は本国へ観光客を誘致するための大々的なプロモーションでもある。

その大規模なエジプト展、これまで世界各国を巡回してた「ラムセス大王展」が日本にもやって来たので、さっそく行ってきた。

公式
https://ramsesexhibition.jp/

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お値段は強気の4,000円越え。VR体験もやるなら追加で+2,500円。
さらに公式カタログが7,500円と超強気なお値段のバブリーな展示会である。

そのせいか、初日にも関わらずけっこうすいてて自分的には快適だったのだが、実際見に行ってみると、高いだけの理由はある。
図録やエジプト本で100万回見た品が山盛り来日しているのである。エジプトマニアなら絶対1回は見たことあるだろって品が1/3くらいはある。「えっ…これを日本で見せていただいてよろしいので…??」みたいな感じ。

展示会のサブタイトルの「ファラオの黄金」の部分を読み飛ばしていたのだが、まさかの、一級品のお黄金製品が勢揃いからの、至近距離で見られるという至福。

個人的に黄金製品のデザインは中王国時代が頂点で、新王国時代になるとちょっとゴテゴテしすぎかなぁと思ってるので、中王国時代の逸品が来てるのが嬉しかったですね。
エジプト芸術の最高峰の一つ、イタ王女の短剣はぜひ近くで見てほしいのですよ。アフガニスタンからはるばる輸入したラピスラズリを惜しげもなく使い、色合いを添えるためインド産カーネリアンを加え、超絶技巧で象嵌された品。これが約4,000年前ですよ…

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本体のラメセス2世の遺物は、神殿とか巨像とか大物が多いのもあり、数はそれほど多くなく、映像や模型で展示してる部分が多め。
ただラメセス2世の棺(本物)が来てるのはさすがエジプト政府肝入りの展示会だなぁと思った。木製だけどものすごく貴重な歴史遺物。

それと最後のVRは、いちおう体験したけど、そんなに良い内容ではないのでチケット代が高いと感じる人は飛ばしていいと思う。おそらくラムセス大王展の巡回が始まった当時の、一世代前の技術だと思われ、映像の作りは少し安っぽく感じた。
「大王とネフェルタリ王妃が出てきます」という話だったが、まあ出てくるのは出てくるんだけど、人間のモデリングが洋ゲーに出てくるポリゴンな感じだった…。
ネフェルタリがカタコトで喋るのとか、爆乳にされているのとかは、一周周って面白いかもしれないが、あまりオススメはしない。

というわけで、エジプトマニアは絶対に行ったほうがいいです。
よく本で見るアレとかアレとかアレとかの実物を眺め回せる!
あの至近距離でじっくり眺められるとか、一生に一度の機会かもしれない。

図録を買うつもりなら、大きめのカバンを持って行くのをおすすめ。このサイズ。レジに持って行くのも一苦労。ほぼ凶器。
中身はラメセス2世に興味ある人なら面白いだろうなって感じではあるのだが、誤字とかミスとかが非常に多いので、コレクションアイテムとしては微妙…。

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というわけで、値段相応ではあるんだけど、興味ない人からすると「クソ高ぇ」ってなるだろう、入場料で客を選別する感じのイベントでした。
ちな、最後に展示されていた動物ミイラは、2018年に発見されたコレ↓です。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35128459.html


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[>おまけ

展示パネルの誤字、ラムセスの「ス」が抜けてるところw
次にいく人は、ここ直ってるかどうか見てきてください!

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