ザヒ・ハワス博士、発掘で遺物の像を破損→「破損してない。虚偽を申し立てたユーザーには法的処置を取っている」
あーいつものやつだなぁ…と思いながら眺めていた一連の騒動。
エジプト考古学者のザヒ・ハワスがサッカラでの発掘中に第5王朝の像を発見、テレビカメラがあるのでいつもよりハッスルし、手柄を誇ろうと雑に手で土を掻き分けたところ、像の前面の漆喰がバキっと外れてしまい、それを見ていたユーザーからめちゃくちゃツッコミを食らった、というニュースが2月末に流れていた。
“古代エジプト像”大発見も…考古学者“まさかの事態”批判殺到
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900019292.html
動画は以下のサイトなどから(大元はFacebookにある)
https://www.gdnonline.com/Details/1345829
で、その後、いつもの調子で「デタラメだ! 像は破損などしていない、何も問題ない」と逆ギレし、現在では「SNSなどで虚偽を流した連中には法的処置を取った!」と息巻いているのである。
で、政府系メディアでは「像は問題なく修復されてる!」と写真とか出してきていた。
Ancient Egyptian wooden statuette from Saqqara found cracked upon discovery, now well-preserved
https://english.ahram.org.eg/NewsContent/9/40/541004/Antiquities/Ancient-Egypt/Ancient-Egyptian-wooden-statuette-from-Saqqara-fou.aspx

まあ…うん。
ほんといつものパターンだなこれ。
この包帯みたいにペタペタ貼り付けてあるのは、「クフ王の葬送船」の修復の時と同じ素材に見えるので、たぶん和紙だと思う。日本が修復技術を伝授したので、クフ王の船と同じ方法使っているならそう。
で、和紙を貼り付けて保存・修復しているのなら、この木材は、長年のうちにスポンジ状にスッカスカになり、手で触るのも危ないくらいに脆い状態になっていることが予想される。今回の遺物が第5王朝、クフ王の船が第4王朝で時代は近いし、前者がサッカラ、後者がギザとほぼ隣接している地域なので、コンディションは似たようなものだろう。
だとしたら、まず一つ言えるのが、ハワス博士の発掘方法が乱暴すぎるということだ。脆く、崩れやすい4,300年も前の木材に対して素手でゴリゴリ土を剥がすという選択肢は、普通はない。
今回は破損したシーンがたまたま映像で流れてしまっただけで、こんな雑な発掘してたら他の遺物もしれっと破損してるのでは? というか、インディー・ジョーンズに似せた帽子を被ってるところから察しが付くとおり、この方は最新の丁寧な発掘方法よりは、一昔前の「とにかく掘る」「テレビ映えする」という発掘方法を好む方なので、本気で「私はいつもこの方法でやっている、何も問題はない」くらいは思っているだろうと思う。
今の独裁政権とズブズブの”権威”なので誰も止められないしね…。
しかしそれにしても、都合の悪い情報が拡散されると法的処置をチラつかせてくるのは独裁政権イズムを感じさせて大変に感慨深い。さすがはエジプト革命の時にSNS含めインターネットを遮断して対応した国である。こっちは現代エジプトってそういう国だとわかってるから「ああー、いつものパターンね」で納得出来るけど。
まあ、エジプトさんの遺物保存・修復の技術は大エジプト博物館建てるのと一緒に日本の技術者から伝授されたはずなので、そして古い木工製品の扱いに関する技術は日本が世界トップクラスなので、このシート剥がして展示できるようになるまで直るといいですね。エジプトさんのオフィシャルトークはあんまり信用してないですけど、日本の保存修復技術は信用できるので…よろしくおねがいします…。
エジプト考古学者のザヒ・ハワスがサッカラでの発掘中に第5王朝の像を発見、テレビカメラがあるのでいつもよりハッスルし、手柄を誇ろうと雑に手で土を掻き分けたところ、像の前面の漆喰がバキっと外れてしまい、それを見ていたユーザーからめちゃくちゃツッコミを食らった、というニュースが2月末に流れていた。
“古代エジプト像”大発見も…考古学者“まさかの事態”批判殺到
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900019292.html
動画は以下のサイトなどから(大元はFacebookにある)
https://www.gdnonline.com/Details/1345829
で、その後、いつもの調子で「デタラメだ! 像は破損などしていない、何も問題ない」と逆ギレし、現在では「SNSなどで虚偽を流した連中には法的処置を取った!」と息巻いているのである。
で、政府系メディアでは「像は問題なく修復されてる!」と写真とか出してきていた。
Ancient Egyptian wooden statuette from Saqqara found cracked upon discovery, now well-preserved
https://english.ahram.org.eg/NewsContent/9/40/541004/Antiquities/Ancient-Egypt/Ancient-Egyptian-wooden-statuette-from-Saqqara-fou.aspx

"Some users falsely alleged that Egyptologist Zahi Hawass damaged the statuette's kilt during excavation at the Gisr El-Mudir area in Saqqara. These posts also claimed a violation of Egypt’s Antiquities Protection Law, sparking online debate."
まあ…うん。
ほんといつものパターンだなこれ。
この包帯みたいにペタペタ貼り付けてあるのは、「クフ王の葬送船」の修復の時と同じ素材に見えるので、たぶん和紙だと思う。日本が修復技術を伝授したので、クフ王の船と同じ方法使っているならそう。
で、和紙を貼り付けて保存・修復しているのなら、この木材は、長年のうちにスポンジ状にスッカスカになり、手で触るのも危ないくらいに脆い状態になっていることが予想される。今回の遺物が第5王朝、クフ王の船が第4王朝で時代は近いし、前者がサッカラ、後者がギザとほぼ隣接している地域なので、コンディションは似たようなものだろう。
だとしたら、まず一つ言えるのが、ハワス博士の発掘方法が乱暴すぎるということだ。脆く、崩れやすい4,300年も前の木材に対して素手でゴリゴリ土を剥がすという選択肢は、普通はない。
今回は破損したシーンがたまたま映像で流れてしまっただけで、こんな雑な発掘してたら他の遺物もしれっと破損してるのでは? というか、インディー・ジョーンズに似せた帽子を被ってるところから察しが付くとおり、この方は最新の丁寧な発掘方法よりは、一昔前の「とにかく掘る」「テレビ映えする」という発掘方法を好む方なので、本気で「私はいつもこの方法でやっている、何も問題はない」くらいは思っているだろうと思う。
今の独裁政権とズブズブの”権威”なので誰も止められないしね…。
しかしそれにしても、都合の悪い情報が拡散されると法的処置をチラつかせてくるのは独裁政権イズムを感じさせて大変に感慨深い。さすがはエジプト革命の時にSNS含めインターネットを遮断して対応した国である。こっちは現代エジプトってそういう国だとわかってるから「ああー、いつものパターンね」で納得出来るけど。
まあ、エジプトさんの遺物保存・修復の技術は大エジプト博物館建てるのと一緒に日本の技術者から伝授されたはずなので、そして古い木工製品の扱いに関する技術は日本が世界トップクラスなので、このシート剥がして展示できるようになるまで直るといいですね。エジプトさんのオフィシャルトークはあんまり信用してないですけど、日本の保存修復技術は信用できるので…よろしくおねがいします…。