日本で就職する中国人留学生は勉強熱心なコたちが多くて助かる。逆に日本人の学生のやる気のなさが辛い。
ブログが歴史とか旅行とかばっかりなので人文系の人と勘違いされることも多いですが、中の人の本業はそのへんのITインフラ屋さんです。インターネットの中の人です。そこそこ歴の長い技術屋なのでたまに求職者の面接に「現場責任者」ポジで出てスキルの計測とかも担当します。
で、やっててここ数年で思うのが「中国人の若手の求職者が増えてきた」こと。
日本の大学出て日本語喋れる子たちの多くがIT業界に流れてきます。
これは、おそらく中国が就職難で若手余り気味なのが大きな要因。帰国してもホワイトカラー的な仕事は飽和状態らしいので…。
彼らを面接してるうちになんとなく日本の学生との違いと、そもそも日本の学生に足りてないものみたいなものがうっすら見えてきた気がするので、軽くまとめときますよ。まあ、そんな大した話じゃないです。
********
●中国人の学生さんは、日本語だけでなく英語も勉強している、というパターンが多い
もしかしたら将来は英語圏での就職も狙っていくつもりなのかもしれないが、日本語だけしか出来ないという人は少ない。海外狙うのでなくても、日本の会社員で英語出来るとかなり需要が高まる。ブリッジエンジニアとか英語コールセンターとかに配属されてる子もいたりする。
日本人は日本語出来れば国内で就職出来るので、わざわざ多言語やる人は少ないのだ。
特定の場面での中国人学生の需要が高まってるな…と、最近とみに思う。
なお、IT業界、英語は、最低リーディングはそれなりに出来たほうがいい。NW機器のメーカーなんかは海外のとこが多いので、英語ドキュメント読めないとちょっとキツい。メーカー問い合わせも英語だったりするし。
出てくるエラーが英語だったりもするので、流暢まではいかなくてもアレルギーがないだけで、実は業界的にかなりのアドバンテージになるのである。
ただし、中国人だからといって必ずしも英語が得意なわけではなく、日本人の場合と同じく、そう簡単にはトリリンガルになれない。
日本語が微妙にたどたどしいのに英語は超なめらかだったり、日本語はネイティブみたいにきれいなのに英語は全く喋れずリーディングのみ、とか、個人差がある。
まあ、多少土壌が違うにしても、同じ人間なので、本人の努力次第ということなのだろう。
●特定の場面で必死でアピールしてくる
たぶんお国柄だと思うのだが、たいていアピールシートの長さが日本人の倍はある。中身は、盛ってる人もいればそこまで盛ってない人もいる。ただ盛ってるかどうかによらず、とにかく長いw
人口の多い国で目立つため・自己アピールするために必要なスキルだったのか、日本人なら「このくらい書かんでもわかるやろ」と思いそうな細部まで書いてきたりする。
たまに経歴に自伝小説みたいなの書いてくる人もいる。
日本の若手はアピール不足というか、そこまで熱のある書き方してこないので…。
まあ熱に流されず内容見て判断するのが採用側の仕事なんですが…。
いっぱい書いてある内容から必要なとこだけ抜き出したら羊頭狗肉なこともわりと良くある。
ただ、やっぱ沢山アピールされてそこから必要な情報を読み出すのと、ふわふわした乏しいアピールの中から何かを読み取ろうと努力するのとでは心象が全然違う。前者のほうが通りやすいのは当然。
というか、社会人経験二年くらい積んでるはずなのに、「私の売りはコミュニケーション能力です!」しか書かれてなかったら、そりゃ採れないですよ…その二年の仕事は何してたんだよ…。二年間何もしてなかったのに今からいきなり頑張れるとか信じられるわけないっすよ…。
新卒のアピールと、社会人としてのアピールは全然違うってこと分かってない人も多くて結構辛い。
●中国人、とりあえず最初に資格とる。言われた勉強は素直にやる。
これは、そもそも日本まで出てきてITに就職しようという学生さんが、そこそこ有名な大学に留学してた経歴持つ優秀な生徒ということが多い、という事情からかもしれないが、未経験から就職してきた場合でも、基本情報とかCCNAくらいの資格はサクっと取って来ることが多い。むしろ日本人の新人は、会社から補助出るよって言っててもなかなか資格取らない…。
資格バフにかける情熱は中国人の若手のほうが圧倒的に高い。アピール重視の特性とも関連しているのだと思う。資格欄がスッカスカだとアピールにもならんので…。
で、これらの中国人の若手求職者によくある特性から見えてくること。
それは、総じて日本人の若手は、自分の選んだ業界で一生食ってこうという気概がないこと。つまり、自分の将来に対する、自分自身の責任が薄い、という傾向である。
「IT業界とりあえず入ってみたけど、合わなかったら辞めてもいいかな」というノリでなんとなく転職してくる人が多いのだ。いや、確かにウチは教育に力入れてるアピールしてるし未経験もOKとは言ってますけど、会社は予備校じゃないんですけど。 ←わりとガチめのトーン
手取り足取り教えてほしいなら専門学校に行ってほしい。
●日本人の学生さんには、「この業界でメシを食っていくんだ!」という気合いがない
合わなかったら別業界に転職しよう~若手ならすぐ別のとこ就職出来るしぃ~みたいな感じで、カジュアルに職業体験だけしに来るような若手がメチャメチャ多い。
IT業界はなんとなく手に職つけられそうだから~とか、儲かりそうだから~みたいな、理由にもならない理由でやって来た子たちを何人も見てきた。
ウチはインフラに強いとこなのでゴリッゴリの物理作業もあるし、オフィスで椅子に座ってプログラム組んでるITとは全然チガウヨ? なんで調べてないのかな。仕事の内容調べてない時点でミスマッチが見えているから、採用しないほうがお互いの幸せのためだよね、となるわけです。
まあどこも若手不足なんで、単に若さだけで売ってもどこか就職は決まるでしょうよ、”今なら”。
ただ、そのやり方を繰り返していると、どこかの業界に特化したスキルが育たないので、30過ぎたあたりでいきなり手詰まりになる可能性が高いんですよ…。
職業体験したい勢は、ほぼ面談なしで誰でも採用しちゃうそのへんのブラックorグレーITで面倒みてあげてください…。私は面倒みたくないっす…。
******
というわけで、Z世代とか世代の問題じゃなく、ここ5年くらいで、若手の求職者、特に第二新卒あたりの転職者の意識が「会社員」から「フリーター」寄りになってると感じます。
志望する業界、つまり「自分が何がしたいのか・何でメシ食っていくのか」は学生のうちに決めるものであって、社会人になってからヘタな鉄砲撃ちまくって決めるものではない。そんなことしてたらあっという間に若さカード使い切って、どのジャンルも一人前になれず、何の業界にも向いていない状態になる。
もちろん転職しまくって業界変えまくってても、うまくいく人はいます。
うちの会社にも、元チェーン店の飲食やってて、今はバリバリ第一線のエンジニア、って人がいる。ただ、その人はチェーン店で店長までいった経歴があり、飲食店の業務に詳しいので飲食系のインフラとかシステム構築ですごい高評価もらってる人なんですよね。つまり今までやってきた経歴を無駄にしておらず、過去の業界でもそこそこスキルを極めていたというパターン。
なんとなーく入った業界で、特にスキルもつけず合わないから辞めますーって消えるのを繰り返すのとは全然違います。
そこまで出来るか…? って話ですね。
いつかどこかで自分にぴったり合う、とりたてて努力しなくても全てがトントン拍子にいって評価してもらえる会社があるんじゃないかと夢見て転職を繰り返す、一言で言うなら「運命論者」とでも言いたいような、そんな人たちがこれから中堅どころになった時にどういう層を生み出すのかは、私も知りたい。
腹括って日本で就職して、それなりのスキルに育った中国人社員が将来そのまま日本に居残るのか、別の国に行くか自国に戻るのかの答え合わせもしてみたい。
少なくとも、勉強してアピールもしてくる人の社会人歴10年と、モラトリアム全開でなんとなくウロウロしてきた人の社会人歴10年は、全然重みが違うものになると思いますよ。
で、やっててここ数年で思うのが「中国人の若手の求職者が増えてきた」こと。
日本の大学出て日本語喋れる子たちの多くがIT業界に流れてきます。
これは、おそらく中国が就職難で若手余り気味なのが大きな要因。帰国してもホワイトカラー的な仕事は飽和状態らしいので…。
彼らを面接してるうちになんとなく日本の学生との違いと、そもそも日本の学生に足りてないものみたいなものがうっすら見えてきた気がするので、軽くまとめときますよ。まあ、そんな大した話じゃないです。
********
●中国人の学生さんは、日本語だけでなく英語も勉強している、というパターンが多い
もしかしたら将来は英語圏での就職も狙っていくつもりなのかもしれないが、日本語だけしか出来ないという人は少ない。海外狙うのでなくても、日本の会社員で英語出来るとかなり需要が高まる。ブリッジエンジニアとか英語コールセンターとかに配属されてる子もいたりする。
日本人は日本語出来れば国内で就職出来るので、わざわざ多言語やる人は少ないのだ。
特定の場面での中国人学生の需要が高まってるな…と、最近とみに思う。
なお、IT業界、英語は、最低リーディングはそれなりに出来たほうがいい。NW機器のメーカーなんかは海外のとこが多いので、英語ドキュメント読めないとちょっとキツい。メーカー問い合わせも英語だったりするし。
出てくるエラーが英語だったりもするので、流暢まではいかなくてもアレルギーがないだけで、実は業界的にかなりのアドバンテージになるのである。
ただし、中国人だからといって必ずしも英語が得意なわけではなく、日本人の場合と同じく、そう簡単にはトリリンガルになれない。
日本語が微妙にたどたどしいのに英語は超なめらかだったり、日本語はネイティブみたいにきれいなのに英語は全く喋れずリーディングのみ、とか、個人差がある。
まあ、多少土壌が違うにしても、同じ人間なので、本人の努力次第ということなのだろう。
●特定の場面で必死でアピールしてくる
たぶんお国柄だと思うのだが、たいていアピールシートの長さが日本人の倍はある。中身は、盛ってる人もいればそこまで盛ってない人もいる。ただ盛ってるかどうかによらず、とにかく長いw
人口の多い国で目立つため・自己アピールするために必要なスキルだったのか、日本人なら「このくらい書かんでもわかるやろ」と思いそうな細部まで書いてきたりする。
たまに経歴に自伝小説みたいなの書いてくる人もいる。
日本の若手はアピール不足というか、そこまで熱のある書き方してこないので…。
まあ熱に流されず内容見て判断するのが採用側の仕事なんですが…。
いっぱい書いてある内容から必要なとこだけ抜き出したら羊頭狗肉なこともわりと良くある。
ただ、やっぱ沢山アピールされてそこから必要な情報を読み出すのと、ふわふわした乏しいアピールの中から何かを読み取ろうと努力するのとでは心象が全然違う。前者のほうが通りやすいのは当然。
というか、社会人経験二年くらい積んでるはずなのに、「私の売りはコミュニケーション能力です!」しか書かれてなかったら、そりゃ採れないですよ…その二年の仕事は何してたんだよ…。二年間何もしてなかったのに今からいきなり頑張れるとか信じられるわけないっすよ…。
新卒のアピールと、社会人としてのアピールは全然違うってこと分かってない人も多くて結構辛い。
●中国人、とりあえず最初に資格とる。言われた勉強は素直にやる。
これは、そもそも日本まで出てきてITに就職しようという学生さんが、そこそこ有名な大学に留学してた経歴持つ優秀な生徒ということが多い、という事情からかもしれないが、未経験から就職してきた場合でも、基本情報とかCCNAくらいの資格はサクっと取って来ることが多い。むしろ日本人の新人は、会社から補助出るよって言っててもなかなか資格取らない…。
資格バフにかける情熱は中国人の若手のほうが圧倒的に高い。アピール重視の特性とも関連しているのだと思う。資格欄がスッカスカだとアピールにもならんので…。
で、これらの中国人の若手求職者によくある特性から見えてくること。
それは、総じて日本人の若手は、自分の選んだ業界で一生食ってこうという気概がないこと。つまり、自分の将来に対する、自分自身の責任が薄い、という傾向である。
「IT業界とりあえず入ってみたけど、合わなかったら辞めてもいいかな」というノリでなんとなく転職してくる人が多いのだ。いや、確かにウチは教育に力入れてるアピールしてるし未経験もOKとは言ってますけど、会社は予備校じゃないんですけど。 ←わりとガチめのトーン
手取り足取り教えてほしいなら専門学校に行ってほしい。
●日本人の学生さんには、「この業界でメシを食っていくんだ!」という気合いがない
合わなかったら別業界に転職しよう~若手ならすぐ別のとこ就職出来るしぃ~みたいな感じで、カジュアルに職業体験だけしに来るような若手がメチャメチャ多い。
IT業界はなんとなく手に職つけられそうだから~とか、儲かりそうだから~みたいな、理由にもならない理由でやって来た子たちを何人も見てきた。
ウチはインフラに強いとこなのでゴリッゴリの物理作業もあるし、オフィスで椅子に座ってプログラム組んでるITとは全然チガウヨ? なんで調べてないのかな。仕事の内容調べてない時点でミスマッチが見えているから、採用しないほうがお互いの幸せのためだよね、となるわけです。
まあどこも若手不足なんで、単に若さだけで売ってもどこか就職は決まるでしょうよ、”今なら”。
ただ、そのやり方を繰り返していると、どこかの業界に特化したスキルが育たないので、30過ぎたあたりでいきなり手詰まりになる可能性が高いんですよ…。
職業体験したい勢は、ほぼ面談なしで誰でも採用しちゃうそのへんのブラックorグレーITで面倒みてあげてください…。私は面倒みたくないっす…。
******
というわけで、Z世代とか世代の問題じゃなく、ここ5年くらいで、若手の求職者、特に第二新卒あたりの転職者の意識が「会社員」から「フリーター」寄りになってると感じます。
志望する業界、つまり「自分が何がしたいのか・何でメシ食っていくのか」は学生のうちに決めるものであって、社会人になってからヘタな鉄砲撃ちまくって決めるものではない。そんなことしてたらあっという間に若さカード使い切って、どのジャンルも一人前になれず、何の業界にも向いていない状態になる。
もちろん転職しまくって業界変えまくってても、うまくいく人はいます。
うちの会社にも、元チェーン店の飲食やってて、今はバリバリ第一線のエンジニア、って人がいる。ただ、その人はチェーン店で店長までいった経歴があり、飲食店の業務に詳しいので飲食系のインフラとかシステム構築ですごい高評価もらってる人なんですよね。つまり今までやってきた経歴を無駄にしておらず、過去の業界でもそこそこスキルを極めていたというパターン。
なんとなーく入った業界で、特にスキルもつけず合わないから辞めますーって消えるのを繰り返すのとは全然違います。
そこまで出来るか…? って話ですね。
いつかどこかで自分にぴったり合う、とりたてて努力しなくても全てがトントン拍子にいって評価してもらえる会社があるんじゃないかと夢見て転職を繰り返す、一言で言うなら「運命論者」とでも言いたいような、そんな人たちがこれから中堅どころになった時にどういう層を生み出すのかは、私も知りたい。
腹括って日本で就職して、それなりのスキルに育った中国人社員が将来そのまま日本に居残るのか、別の国に行くか自国に戻るのかの答え合わせもしてみたい。
少なくとも、勉強してアピールもしてくる人の社会人歴10年と、モラトリアム全開でなんとなくウロウロしてきた人の社会人歴10年は、全然重みが違うものになると思いますよ。