今年もちょっと聞きに行ってきた。第32回西アジア発掘調査報告会(1日目)メモ

例年紛れ込みにいってる発掘報告会。
イスラエル軍がレバノンやガザに大規模な攻撃を仕掛けたせいで西アジア地域は治安悪くなってるところも多いんですが、ロシアがウクライナにかかりきりなせいでアゼルバイジャンあたりは戦争が停止したって話もあったり。今年はさすがにイスラエルの発表は無さそうだったな…。

一人20分の制限を越えて話し続ける人は1日めの参加範囲ではおらず、講演慣れしてる先生ばっかりだったかな? って感じ。
リモート参加だったんですが、序盤はマイクが音を拾わなかったり、後半になっても音声の悪い時があったりで、相変わらず準備があんま上手くないなって印象でした。(てか毎年マイクか画像のトラブルがあるのは何なんですかねw)

途中まで参加したので聞いた内容メモとか。

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(1)南コーカサス地方のネアンデルタール人─アゼルバイジャン第15次発掘調査

ネアンデルタールとホモ・サピエンスの交替劇について遺跡の調査から調べている。遺物は発掘されてるけど年代の特定がまだされてない

ロシアがウクライナで忙しいから紛争地域がちょっと平和になって発掘してるよ。
洞窟の近くにハイウェイ建設中だよ。
尖頭器は衝撃剥離があり槍先だったっぽい。狩りに使ってたとかかな
これから花粉や動物骨、堆積なども分析してみる
石器だけしか出てこないとわかりづらいよな

(2)石灰岩の丘に暮らした狩猟採集民─トルコ、チャクマックテペ遺跡第4次調査

最近話題の筑波大です★(キャピッ)
シャンルウルファの危険度が下がったから調査してるよ
なんかデカい遺跡出てきたよ
遺跡のド真ん中に電柱ぶっ刺さってたので電線を道路側に移してもらった
遺跡のど真ん中に柱の跡が残ってるのがシュール。壁を何度か作り直したあとがきれいに残ってて面白い
建物は複数見つかっているが用途の違い不明
発掘現場周辺が何もない、後ろに工場みたいなのがあるだけ。トルコ広い。
この遺跡も年代特定には苦労してるっぽかった

(3)南東アナトリア先土器新石器時代の丘上遺跡─ハルベトスワン・テペシ遺跡の第3次調査

位置はギョベクリ・テペの近く
新石器時代に切り替わる頃の生活の変化を調べたい
年代が特定されていないのでトレンチあけて試料取ってる 遺跡は3層になっている
2層目の骨が出た場所が部屋の隅っこすぎる。建物の壁際。骨を選んで埋め直してる
四角い建物の下に丸い建物の跡がある
石柱のある建物がたくさんあるので特別なものではなさそう
一層目は紀元前8,500年くらいとわかった、いちばん古い三層目がPPNAまで遡ると面白い(ギョベックリテペに近い年代になるので)

(4)中央アナトリアにおける銅石器時代解明へ向けて―キュルテペ遺跡中央トレンチ発掘調査

中期青銅器時代のアッシリア・コロニー時代の物質文化
物流と物質文化の変遷について
大量の粘土板が見つかってるので取引の記録は多い
とてもきれいなテル、というか遺跡がまんまるでニッコリ 周りは畑
地下水が出たり岩盤にあたったりで端っこのほうはなんもでなかったらしい
建物の下に埋納されてる土器はツボの中にツボ入れてるのが謎。ツボ抱いて写真とってる小兄ちゃんちょっと可愛い
文化圏が重なってる場所だから色んなとこから流れ込んだ文化の可能性がある、近隣から似てるものを探すことになる
建物は丸いものから四角いものに変化している
キュルテペの近くではスズ鉱山が見つかってて、鉱物の交易で栄えた可能性。青銅にスズは必須
アナトリアは鉱山資源いろいろあるもんね、なるほど

(5)ホモ・サピエンスの拡散・定着期における文化動態─南ヨルダン、ヒスマ盆地西部の旧石器遺跡調査

これもネアンデルタールとホモ・サピエンスの交替に関する研究。
くぼんだところに土が溜まってイイ感じに遺跡になってる。他は岩盤なので何も残ってない
石器の材料の近くに住むのが基本。紅海から50kmくらい カタール村近くのフリントの産地は地図で見ると狭いけど近くに行くと石の山
あんま質はよくない、石器少ない
アカバ湾までいくとイイ感じの石器が落ちてるらしい
ヨルダンあいかわらず砂漠しかねえなあ…って思いながら見てた


***** 参加ここまで

ポスター展示のほうに面白そうなのがあったんだけど、発表ある/なしってどういう基準で決めてるんですかね…


二日目はエジプトんとこ聞きにいこうと思います まる