200万年前に絶滅した小型人類パラントロプス・ロブストゥス、ヒョウに食べられていた可能性が明らかに

元論文と要約記事で内容変わってて珍しいなと思ったパターン。

元論文では→
南アフリカに200万年前まで生息していたパラントロプス・ロブストゥス(P. robustus)という小型の人類の股関節の部分的な骨と、ほぼ完全な大腿骨、完全な脛骨が見つかり、この小型人類がどのように二足歩行していたのかが明らかに出来るかもしれない。という部分がフォーカスされている

要約記事では→
見つかった骨に肉食動物の牙の痕跡がクッキリ残っていて、おそらくヒョウに食われたのだろうという。
写真見ると「ああ…これは死にますわ…」という感じ。身長150センチ以下の、いわゆるピグミーみたいな体型のヒトだったらしいので、ヒョウの獲物としてはお手軽サイズだった可能性があるという。

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元論文
First articulating os coxae, femur, and tibia of a small adult Paranthropus robustus from Member 1 (Hanging Remnant) of the Swartkrans Formation, South Africa
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0047248424001556

要約記事
Smallest human relative ever found may have been devoured by a leopard 2 million years ago
https://www.livescience.com/archaeology/smallest-human-relative-ever-found-may-have-been-devoured-by-a-leopard-2-million-years-ago

この、パラントロプス・ロブストゥスという人類の存在は、少し謎めいている。
島嶼に生きていたわけでもないのに何故こんなに体格が小型化してしまったのか。また、道具を使えていたことは分かっており、雑食性で植物や昆虫などあらゆるものを食べていたと思われるのに、なぜ絶滅してしまったのか。
我々、現生人類の祖先が誕生した頃にはまだ生存していたはずなのだが、交雑はあったのかどうか。現在アフリカに住む身長の低い部族との関わりを慎重に検討する研究者もいる。

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https://humanorigins.si.edu/evidence/human-fossils/species/paranthropus-robustus

だが、今回の「ヒョウなど肉食動物からすると手頃サイズの獲物」っていう証拠を提示されると、あー…これは生き残るの無理だな…って思った。
走るの遅いですもんね、人類。スタミナはあるけど。
洞窟とかで安全な巣を確保して隠れることは出来ても、外に出たら狩られちゃうからね…。

二足歩行はあまり得意ではなく、樹上生活メインだったという説もあるようで、それが今回の「股関節の骨が見つかって、骨のつき方で歩き方が分かるかも」という話しに繋がっているのだが、たとえ木の上に逃げられたとしても、ヒョウは木登り得意なので逃げられないんですよ。実は天敵だった可能性もある。

文明が未発達な次代の初期人類、ほんと生存がシビアすぎる。ご先祖様が生き残れたのはすごいことなんだなあと、しみじみ思うのです。