そろそろGWだね。というわけで、オススメの歴史ミステリー・謎解き小説を紹介しておくぞ!
タイトルどおり、「これは歴史とか知識・教養ものの謎解きが好きな人には絶対ぶっ刺さる、読んでないなら人生損してるくらいの勢いだ。読め」というオススメ本を紹介しておきたいと思う。
今年のGWは自宅で過ごす人も多いらしいので! ぜひ!
●「時の娘」
ジャンルでいうと安楽椅子探偵もの。
悪名高い15世紀のイングランド王リチャード3世の「犯罪」を、現代の警察官が探究するーーというもので。発生した殺人事件は15世紀なのだが、犯人探しの推理が面白い。そして物語の雰囲気がいい。
なおタイトルの「時の娘」とは「真実は時の娘」というラテン語の言い回しから来ている。真実は隠されがちなもの、いつか時が明らかにすることもあれば、時によって再び埋もれてしまうこともあるーー。
最近のリチャード3世復権のような動きと合わせて読むと面白いと思う。古典作品としても必読。

時の娘 - ジョセフィン ・テイ, 小泉 喜美子, 小泉 喜美子
●画商の罠
学芸員クリス・ノーグレンシリーズの一冊。「一瞬の光」とどっちを推そうかと思ったけど、面白かったのはこっちなので。
レンブラントをこよなく愛する学芸員クリスのもとに、寄贈される高価な絵画の真贋鑑定が持ち込まれる。だが寄贈者は殺されてしまい…?
「”本物”の名画とは」「絵画の価値とはどのように決められるのか」といったテーマも含む、美術にうんちくのある読者にはたまらない知識ミステリ。

画商の罠 (ミステリアス・プレス文庫 85) - アーロン エルキンズ, Elkins,Aaron, 知子, 秋津
●古書の来歴
実在する古書、「サラエボ・ハガダー」を巡る、その本が作られてから現在までの500年間の物語を描いたフィクション小説。フィクションなのだが、古書に関わってきた過去の人々の人生を解き明かす鑑定謎解きがたまらなく魅力的。そして最後には、主人公の生い立ちにまつわる謎にも結びついて…?
お題となっている古書が実在するぶん、ワクワクさせられること間違いなし。

古書の来歴 (上巻) (RHブックス・プラス) - ジェラルディン・ブルックス, 森嶋 マリ

古書の来歴 (下巻) (RHブックス・プラス) - ジェラルディン・ブルックス, 森嶋 マリ
●呪のデュマ倶楽部
三銃士で有名な、アレクサンドル・デュマの肉筆原稿を巡る殺人&ミステリ。映画化もされたらしいが中の人は見ていない。
原作の三銃士はもちろん読んでるよな? くらいの勢いで小ネタを繰り出してくるが、逆に原作を知っていれば片っ端から意味が分かって後方腕組彼氏みたいな顔になれる。クライマックスの仕掛けはある意味で古典的手法だが、実に上手いこと当てはめたなって感じ。正統派の知的ミステリを楽しめる。

呪のデュマ倶楽部 - アルトゥーロ・ペレス・レべルテ, 大熊 榮
●死の蔵書
本好きのド真ん中を貫いてくるミステリ作品。貴重な古書、美しい稀覯本のために人生をかけても良い、という感覚が分かる人は、むしろ犯人側に立ってしまうかも。アメリカにおける古書を扱うセドリ業者の実態や、一般人の本への無関心、一般人じゃないマニアたちの熱い古書への思いなどが絡み合う。
そして、現在のアメリカはベストセラーくらいしか本屋に置かないつまらない状態になってるが、この小説が出た時点ですでに読者は本離れしていたんだな…と分かってしまう。

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-1) - ジョン ダニング, Danning,John, 孝雄, 宮脇
*****
というわけで、出版された時代バラバラながら主に洋物で極上の知的ミステリをいくつか挙げてみた。
良い謎解きものは、謎が解けたあと、丁寧に作られたグルメ料理を食べ終わった時のような満足感が残るのがとてもいい。特にミステリ作品は、ぶつ切りにして読むより一気に最後まで駆け抜けたほうが面白いですからね。
というか良作だと、先が気になって止まれなかったりもするし、初夏の連休なんて、浴びるように読むには最高の季節ですよ。
今年のGWは自宅で過ごす人も多いらしいので! ぜひ!
●「時の娘」
ジャンルでいうと安楽椅子探偵もの。
悪名高い15世紀のイングランド王リチャード3世の「犯罪」を、現代の警察官が探究するーーというもので。発生した殺人事件は15世紀なのだが、犯人探しの推理が面白い。そして物語の雰囲気がいい。
なおタイトルの「時の娘」とは「真実は時の娘」というラテン語の言い回しから来ている。真実は隠されがちなもの、いつか時が明らかにすることもあれば、時によって再び埋もれてしまうこともあるーー。
最近のリチャード3世復権のような動きと合わせて読むと面白いと思う。古典作品としても必読。

時の娘 - ジョセフィン ・テイ, 小泉 喜美子, 小泉 喜美子
●画商の罠
学芸員クリス・ノーグレンシリーズの一冊。「一瞬の光」とどっちを推そうかと思ったけど、面白かったのはこっちなので。
レンブラントをこよなく愛する学芸員クリスのもとに、寄贈される高価な絵画の真贋鑑定が持ち込まれる。だが寄贈者は殺されてしまい…?
「”本物”の名画とは」「絵画の価値とはどのように決められるのか」といったテーマも含む、美術にうんちくのある読者にはたまらない知識ミステリ。

画商の罠 (ミステリアス・プレス文庫 85) - アーロン エルキンズ, Elkins,Aaron, 知子, 秋津
●古書の来歴
実在する古書、「サラエボ・ハガダー」を巡る、その本が作られてから現在までの500年間の物語を描いたフィクション小説。フィクションなのだが、古書に関わってきた過去の人々の人生を解き明かす鑑定謎解きがたまらなく魅力的。そして最後には、主人公の生い立ちにまつわる謎にも結びついて…?
お題となっている古書が実在するぶん、ワクワクさせられること間違いなし。

古書の来歴 (上巻) (RHブックス・プラス) - ジェラルディン・ブルックス, 森嶋 マリ

古書の来歴 (下巻) (RHブックス・プラス) - ジェラルディン・ブルックス, 森嶋 マリ
●呪のデュマ倶楽部
三銃士で有名な、アレクサンドル・デュマの肉筆原稿を巡る殺人&ミステリ。映画化もされたらしいが中の人は見ていない。
原作の三銃士はもちろん読んでるよな? くらいの勢いで小ネタを繰り出してくるが、逆に原作を知っていれば片っ端から意味が分かって後方腕組彼氏みたいな顔になれる。クライマックスの仕掛けはある意味で古典的手法だが、実に上手いこと当てはめたなって感じ。正統派の知的ミステリを楽しめる。

呪のデュマ倶楽部 - アルトゥーロ・ペレス・レべルテ, 大熊 榮
●死の蔵書
本好きのド真ん中を貫いてくるミステリ作品。貴重な古書、美しい稀覯本のために人生をかけても良い、という感覚が分かる人は、むしろ犯人側に立ってしまうかも。アメリカにおける古書を扱うセドリ業者の実態や、一般人の本への無関心、一般人じゃないマニアたちの熱い古書への思いなどが絡み合う。
そして、現在のアメリカはベストセラーくらいしか本屋に置かないつまらない状態になってるが、この小説が出た時点ですでに読者は本離れしていたんだな…と分かってしまう。

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 2-1) - ジョン ダニング, Danning,John, 孝雄, 宮脇
*****
というわけで、出版された時代バラバラながら主に洋物で極上の知的ミステリをいくつか挙げてみた。
良い謎解きものは、謎が解けたあと、丁寧に作られたグルメ料理を食べ終わった時のような満足感が残るのがとてもいい。特にミステリ作品は、ぶつ切りにして読むより一気に最後まで駆け抜けたほうが面白いですからね。
というか良作だと、先が気になって止まれなかったりもするし、初夏の連休なんて、浴びるように読むには最高の季節ですよ。