ハットゥシャの謎遺物「緑の石」「願い石」について調べてみた→何も分からなかった( ー`дー´)

何も! 分かりませんでしたぁ!!
いや、ていうかほんと何もわかってない遺物だったよアレ。

↓アレ
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この石は、ヒッタイトの首都ハットゥシャの遺跡の「大神殿」と呼ばれる遺構の中にある。
チケットオフィスからすぐの場所にある立派な神殿遺跡の廃墟の中に、一つだけ色の違う、つるんとした立方体の石が置かれているのだ。どこから見てもよく目立つ石で、見つけるとすぐに「なんだこれ?」と思ってしまう。

英語だと「Hattusa Green Stone」とかで検索すると出てくる。詳細な写真はWikipedia(英語版)にもあるので参考までに。

材質はネフライト(いわゆる翡翠)だとされるが、何に使われた石か分からず、しかも、遺跡からこの緑の石が出ているのはこれだけ。エジプトから贈られた…という伝説すらあるという。
近所の人たちは、この石にふれると願いが叶うという民間伝承をもっており、後世にひたすらナデナデしていたようなので、角が丸くなっているのはそのせいだったりするのかもしれない。しかし、もともと六面体の形をしていたところまでは変わらないだろう。

じゃあその六面体、なんのためにあったの? どんな意味があったの?という話である。

結論から言うと、冒頭のとおり「誰もわからん」「考古学者にとっても謎」であり、有力な説すらないというのが現状。
しかし、産地についてはいくつかの候補が出ている。

トルコ内陸部でネフライトを算出するのは主に二箇所、クレ山脈とTokat Erbagというところだという。
また、良質な翡翠という意味ではタウルス山脈。この山脈は約500キロ南にあり遠いが、材質敵にはいちばんヒットしそうではある。

地図で示すと以下。

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もし北から運んでいるのなら、敵対していたカシュカ人の儀式用の石を記念にパクッてきた、とかあるのかもしれない。
またタウルス山脈だとすると、エジプトとの交易ルートに近いので、これが「エジプトから贈られた」という話の元になっているのかもしれない。いずれにしても結論は出ない。

なお、この石のある場所を神殿の空撮写真と重ね合わせると、こうなっている。

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神像などの飾られていた本殿ではなく、武器庫や食料庫のあった倉庫の間の部屋に置かれていたことになるので、元々の位置がここだとするならば、玉座や神像を飾る台座という可能性は低いだろう。倉庫の一角にあったのなら、この石自体がなにか「財宝」的な意味を持つものではなかったか、とは思うのだ。