AIで楔形文字解読、バビロニアの「ユーフラテス川讃歌」が見つかる

粘土板文書の解読は、バラバラになってる破片のパズルから始まる。人の手でやると何十年とかかってしまうのだが、AIを使えば一瞬で出来る! というので、楔型文字文書の解読には、ここ何年かAI利用が盛んになっている。断片化されたテキストの照合が効率化されたことによって、いくつかの未知な文書の発見にも繋がっている。

参考(2019年の記事)
粘土板の内容を解読したいのに一部欠けてる!(ビキビキ)→人工知能で続きが判るかも!
https://55096962.seesaa.net/article/201908article_2.html

今回の記事は、この流れに乗ったもので、AIでまた新しく文書発見したよ! というものである。
大元の粘土板文書の出どころは、シッパルという都市の書庫からゴッソリ出てきた粘土板の一部らしい。

Hymn to Babylon, missing for a millennium, has been discovered
https://phys.org/news/2025-07-hymn-babylon-millennium.html

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面白いのは、今回見つかったものは書記学校で生徒たちに筆写されていた古典文学ポジジョンの讃歌らしいということ。
古代エジプトの書記学校でも、生徒たちの練習用に頻繁に書き写された古典文学として「シヌヘの物語」というテキストが知られているが、似たようなポジジョンのものがメソポタミアにもあったのだ。(ということは、教科書に該当するものもあったのかも)

ただ内容的には、ユーフラテス川のほとりの豊かな緑や、海に注いでいくさまを描いているので、どちらかというと「ナイル讃歌」にも近い。
葦原や大麦についての描写があるのはメソポタミアらしい。(バビロニアより下流の低地は塩害が進み、塩分に強い大麦でなければ育たない土地になっていた)
なお、讃歌の中に出てくるヌディムド王とは人間世界の王ではなく、淡水の神エンキの別名である。

板文書の解読は、出来る人が少ないのと、一箇所から見つかるパーツの数が多すぎて整理が大変っていうのでなかなか進まないというのは知っていたが、書記学校で書き写されていたほどメジャーなテキストですら未発見のものがある、というのは驚きだ。AIでも導入しなきゃやってられないジャンルなのである。
過去数十年の発掘で出てきた文書の整理がまだ終わっていない以上、今後も発見は続くのだろう。次の発見を楽しみにしておきたい。