エジプトのビル火災で全土のインターネットが不安定に。まさかのリスクが発覚

先週、エジプトの首都カイロにあるラメセス証券取引所の中央データセンターというビルで火災が発生した。
ラメセス炎上という愉快そうなタイトルなので半笑いで読んでいたのだが、内容はけっこうヘビーなやつ。

実は、ここはエジプト国内で最大のデータセンターなのだ。
エジプトの通信インフラの大半がこのビルに集中していたようで、ビル火災により、電話、インターネットサービス全般、救急車や警察などの緊急ホットライン、ATMやデジタル決済システム、一部の航空便、各種ホームページなども片っ端からダウンしてしまった。
国際回線の出入り口もここが担当していたらしく、egドメインへのアクセスが軒並みダウンしていたのは中の人も確認した。しかも、サービス影響時間は48時間オーバー。

Ramses fire exposes heavy reliance of private operators on state-owned infrastructure
https://www.madamasr.com/en/2025/07/09/feature/politics/ramses-fire-exposes-heavy-reliance-of-private-operators-on-state-owned-infrastructure/

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少し前にデータセンターの話を書いたが、日本の場合はこんな事態は起こり得ない。なぜかというと、各地のデータセンターに主要な基幹システムが分散しているから。東日本大震災の時、一部のインターネットが繋がりにくくはなったけれど、主要なキャリア・プロバイダのサービスに大きな影響は無かったことを思い出してもらいたい。

エジプトさんの場合、独裁国家にありがちなパターンで、インフラ設備のほとんどを国営企業のテレコム・エジプトが所有していたために影響範囲が大きくなってしまったらしい。

ただ、分からないのは、漏電か何かで火災になったらしいことと、火災がすぐに消し止められずに大炎上しているところ。
日本の場合はデータセンターの場合は、そもそも漏電とかいうショボい理由では火災になりづらいし、一定以上の消火設備が義務付けられている。国内最大のデータセンターなのに消火設備なしなのか、ここ…??? 
だとしたら、ものすごい脆弱性というか、このビル狙うだけでエジプトの政治機能をかなり削れてしまうのでは。インターネットは戦略的にも重要インフラなのにそれじゃダメなのでは。
ビルの改修工事中という情報もあるので、これから近代的な設備を追加するつもりなのかもしれないけど…。


単純に水ぶっかけるわけにもいかない機械だらけの建物で消火設備が脆弱、というのは致命的な問題なのだが、もしかしたらエジプトだけの問題ではなく、他の国でも古いDCならあり得るのかもしれない。数年前にはフランスでデータセンターが全焼、という事故も起きている。この事故では360万件のサイト情報が吹っ飛んだとされる。
オンラインゲームのサーバがあったために、データが物理的に消滅してしまい大騒ぎになったりしていた。

360万件のサイトが落ちたデータセンター火災の被害拡大原因は設備不足
https://gigazine.net/news/20220324-ovhcloud-fire-report/

今やインターネット通信は社会に無くてはならないインフラなので、その主要拠点で何か起きると社会全体に影響が出る。
エジプトさん、すっげえ適当な運営でよくわかんないシステムエラーとか出してインフラ停めるのが得意なんで、この手の事故は今後もリスクとして残りそうですね…。

皆、観光に行く時は、「エジプトはインフラ脆弱なのでよくわからん理由でトラブるぞ」ということは覚えておこうね!
そのよくわからんトラブルに「まぁ・・・エジプトだしな・・・」って思えるようになったら最初の関門はクリアだ!