古代エジプト・プトレマイオス朝時代の金鉱で行われていた過酷な金鉱労働の証拠。

プトリマイオス朝時代に開発されていた東部砂漠の金鉱から、人間の奴隷用に作られたと思しき金属製の足かせが出てきたという研究報告を見つけた。場所はGozza、一敵にはエジプト中部で、ここがプトレマイオス朝時代に開発された最北の金鉱だという。

Iron shackles from the Ptolemaic gold mines of Ghozza (Egypt, Eastern Desert)
https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/iron-shackles-from-the-ptolemaic-gold-mines-of-ghozza-egypt-eastern-desert/7E4AA2794B6BE4CE5B7944300FC30C49

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赤い丸のついている箇所が2つあるが、北がゴッザ、南がサムットノースという以前発掘していた金鉱らしい。
古代に使われていた金鉱の数は現在、250以上が知られており、小規模なものが多いため全部が詳しく発掘されているわけではない。
マップなどは以下の記事に乗せておいたが、この大量にある金鉱のうち、今回の金鉱はエジプト本土、ナイル川が大きく蛇行しているあたりのエリアに位置している。

古代エジプト王朝とヌビアの金: 金鉱の数はなんと250、でも総算出量は…
https://55096962.seesaa.net/article/501069715.html

見つかった拘束具はこれ。金属製品を作る炉の近くから出ていて、大きさからして家畜用ではなく人間用だろうという。

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この拘束具は、ナポリで発見された紀元前490~480年頃のワイン用器に描かれた人物図にある奴隷の足かせと似ている、という。
なので古代ローマの時代に使われていたものと同タイプの、東地中海世界の北岸側(ギリシャ・ローマ)から流入した文化ではないかと推測されている。
この金鉱で働いていた人々の少なくとも一部は、逃げられないよう足を拘束され、強制労働させられていた可能性が高い、ということだ。

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鉱山の構造そのものもギリシャのラウリオンの銀鉱山とよく似ているため、プトレイオス朝の支配層であるギリシャ系マケドニア人の技術者が関わって採掘を進めていたと考えられている。
なんかこれ、地元民を強制徴用してやらせてた、とかいうやつかもしれない。プトレイオス朝の繁栄の裏には、闇の部分もあったんだろうな…。


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なお本文中にも書かれているとおり、古代エジプトでは強制労働の奴隷の証拠がほとんど無く、拘束具のあった証拠も出てきていない。(青銅器時代にはそもそも金属が貴重だったので、いちいち人間にそんなもんつけてる余裕はなかった。鉄器時代に入ると金属のコストが下がる)
もっとお手軽に、罪人や捕虜に焼きごてで入れ墨のようなマーキングを入れていた可能性はある。

古代エジプト人は捕虜に「焼印」を押していた? 小さすぎる焼きごての使い道
https://55096962.seesaa.net/article/493464883.html

なので古代エジプトBLで手の込んだ拘束具を使っているのは、実は史実的に正しくないんですよねー…いや古代エジプトBLってなんだよって話しですが。うん。
縛りプレイしたい人は縄を使いましょう。亜麻の縄。