古代メソポタミアの都市は現代人が思うより小さい。実際の都市の大きさを見てみよう

Fate/Grand Order っていうシリーズのアニメにウルクの街出てくるけど、あれ実際のウルクよりデカすぎるんだよ…という話をしたい。

まあそもそもシュメールもバビロニアも全部混ぜちゃってるファンタジー寄りのアニメなので史実を指摘するのもアレなのだが、作中で「巨大で立派な城壁」と「はるか果てまでビッシリと続く住宅街」が出てきた時には、「なるほど、遺跡を見慣れていない人の想像する古代の街ってこんな感じなのか…」とある意味で気づきになった。

古代の都市は、人口がいまほど多くないこともあり、それほど大きく無い。
ウルクの街は6km2(中心部約540ha)しかないのである。

そして、城壁は以下のようにいびつな作りになっており、城壁外にはみ出した施設もある。
城壁は地形に合わせて作られるので、まっ平らな平原にでも作るのでない限り円形になることはない。

なお6km2というサイズは、現代日本では「村」レベルの自治体のサイズだ。小さいなと思うかもしれないが、これが、古代世界では最大クラスの都市だった。

dgg24.png

では周辺都市はどうかというと、ニップルは約1.5km2(150ha)、ウルは約0.7km2(71ha)。同時代の都市からすればウルクの540haというサイズは確かに破格の大きさなのだ。…現代人からすれば小さいだけで。


参考までにエジプトの都市についての資料もおいておく。(出典元「古代エジプト 都市文明の誕生」古今書院)

250810082639467.JPG

エジプト側も100haを超えるサイズなら「大都市」の扱い。新王国時代の首都アマルナやペル・ラメセスでようやく1000haを超えるサイズになっている。古い時代の都市は新しい時代の都市遺構の下に埋もれてしまっていてサイズ不明なところが多いが、時代を追うごとに大きくなっているはずで、紀元前3,000年頃まで遡る先王朝時代の都市メリムダとかは18haしかない。

というわけで、これら狭い範囲に、住宅がみっしり密集しているのが古代都市の風景となる。
当然ながら公園のような公共スペースや、行き違いの出来る大通りのような開けた空間は、ほとんど取れない…。家のサイズも小さいので、現代の都市より人口密度は高かったと思われる。



アニメと現実を混同する人はよっぽどでなければ居ないと思うのだが、古代都市のスケール感が伝わればOK。