たまに出てくる「大ホラーサーン文明」、日本語ででこないので自分で書いておく

「大ホラーサーン文明」とは、the Greater Khorasan Civilization (略してGKC)のこと。
「大ホラーサーン文化」のほうが正しいかもしれないが、日本語訳がみつからなかったのでひとまず「文明」のほうで記載しておく。

これが何かというと、イラン北部からアフガニスタン、トルクメニスタンあたりまでを含む、歴史的に「ホラーサーン」と呼ばれた地域で紀元前2400~1500年頃に発展した、中期~後期青銅器時代の文明のこと。この地域は、のちにパルティアやペルシアの起源地となる地域でもある。歴史の連続性を見るのであれば、騎馬遊牧民の黎明期に当たる大ホラーサーン文明は避けて通れない。

Khorasan-Transoxiana-Khwarazm_nopaths.svg.png

↑地域的にはこのあたり。
なお「大ホラーサーン」と名付けられた理由は、イランの行政区分であるホラーサーン州と混同しないため、かつホラーサーン州よりは広い範囲を指していることからだそうだ。

用語としての使われ方の一例は以下。

Mobility and land use in the Greater Khorasan Civilization: Isotopic approaches (87Sr/86Sr, δ18O) on human populations from southern Central Asia
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352409X22002851

ここにも記載されているが、「砂漠と高山地帯に挟まれている」こと、「牧畜、遊牧が生活の中心」であることが特徴。古代の交易路の交わる場所でもあり、シルクロードへ繋がる道、インド方面へ繋がる道、カスピ海沿いに北上する道、メソポタミアへ続く道などが知られている。
ちなみに中国方面から続く道がここに出ることと、のちに大月氏がここに国を作ることも話としては繋がっている。


日本語の検索だとAIが「そんなものありませんww」と答えるんだが、あるんだよ…たぶん日本人の研究者がいないとかで日本語のナレッジ無いだけだよ…。