ウォーレス線を越える人類。スラウェシ島から見つかった100万年以上前の石器は誰が作ったのか
石器の年代測定が正しければ大発見なのだが、これだけ古いとあってるのかどうかが微妙なので、今後の動向をウォッチする上でもメモしておきたいと思う。
まず前提として、現在インドネシアに属する島嶼地帯のオーストラリアとの境界地域には、ウォーレス線(ウォレス線とも)と呼ばれる境界線が知られている。
これは、過去に海水面が下がっていた時期にも一度も繋がったことのない場所で、海を渡れない生物はこのライン付近で大きく分布が変わっている。生物の分布限界のようなラインである。

現生人類(我々)は海を越える手段を持っていたので、このラインを越えてオーストラリアまで進出している。
しかし、それ以前にいた人類は進出出来ていない。ということは、ホモ・サピエンス以外の人類は、海を渡れても短距離までか偶然に流れ着くくらいのもので、本格的な船を作るとかは出来なかったのではないか。それが、これまでの常識だった。
ところが今回の発見が正しいとすると、一回も繋がったことないはずのスラウェシ島に、少なくとも102万年前に誰かがいて、石器を作っていたことになる。年代的にホモ・エレクトゥスではないかと言っているが、だとするとホモ・エレクトゥスに100万年以上前からに海を渡る技術があったことになり、色々と人類史が書き換わってしまうのである。
というわけで、正しければ大発見なのだが、色々不整合が出てしまうので、何か勘違いしてる可能性もある、どう理解すればいいのか分からない論文だった。
******
これがその論文。
Hominins on Sulawesi during the Early Pleistocene
https://www.nature.com/articles/s41586-025-09348-6
石器の発見場所は、スラウェシ島南部で、右上に拡大された地図で1,2と記載されているところ。

地図の白い部分は海面が120m低下すれば陸路で繋がる範囲。スラウェシ島は繋がらないことが分かる。
スラウェシ島の南部にあるフローレス島では、21世紀になってからホモ・フロレシエンシスと名付けられた小型人類が発見された。この、ホモ・フロレシエンシスは海水面が再び上昇したあとは狭い島嶼地帯に閉じ込められてしまい、それが原因で体が島に適応した小型になったと考えられているので、彼らに海をわたる技術があったとは思えない。(というか、あったらあったで小型進化の理由を別にひねり出さないといけなくなる)
となると、彼ら以外に、フローレス島よりはるかに大きいスラウェシ島に住んでいたお隣さんを想定しないといけなくなるのだが、正体が分からない。石器だけで人類の骨が見つかっていないからだ。
この石器の年代が間違えているのなら、実際にはあとからやって来たホモ・サピエンスのものだったというオチも無くはないのだが、石器の写真だけからだと、さすがに作者までは分からない。なんか100万年前にしてはサイズ小さく作りすぎてない? という気もしなくもないが…。
発見場所が川の近くで、遺跡自体が川の侵食を受けていそうなのも気になる。川に流された石が自然にぶつかり合って石器みたいな形状になねるのはよくあるパターンだし、洪水などで地層が撹乱された可能性もある。

年代の測定に使ってる手法が、古地磁気分析とか、一緒に出てきた動物の骨に対するウラン・鉛年代測定法らしく、その分析法は今の自分には知識がなくサッパリ。まあ怪しければ誰か専門家が再検証して物言いつけるだろうから、様子見しておこうと思う。
べつにネイチャーに載ったからつって、その論文が正しいわけではないので…。
しょっちゅう訂正とか取り下げも入ってるので…。
まず前提として、現在インドネシアに属する島嶼地帯のオーストラリアとの境界地域には、ウォーレス線(ウォレス線とも)と呼ばれる境界線が知られている。
これは、過去に海水面が下がっていた時期にも一度も繋がったことのない場所で、海を渡れない生物はこのライン付近で大きく分布が変わっている。生物の分布限界のようなラインである。
現生人類(我々)は海を越える手段を持っていたので、このラインを越えてオーストラリアまで進出している。
しかし、それ以前にいた人類は進出出来ていない。ということは、ホモ・サピエンス以外の人類は、海を渡れても短距離までか偶然に流れ着くくらいのもので、本格的な船を作るとかは出来なかったのではないか。それが、これまでの常識だった。
ところが今回の発見が正しいとすると、一回も繋がったことないはずのスラウェシ島に、少なくとも102万年前に誰かがいて、石器を作っていたことになる。年代的にホモ・エレクトゥスではないかと言っているが、だとするとホモ・エレクトゥスに100万年以上前からに海を渡る技術があったことになり、色々と人類史が書き換わってしまうのである。
というわけで、正しければ大発見なのだが、色々不整合が出てしまうので、何か勘違いしてる可能性もある、どう理解すればいいのか分からない論文だった。
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これがその論文。
Hominins on Sulawesi during the Early Pleistocene
https://www.nature.com/articles/s41586-025-09348-6
石器の発見場所は、スラウェシ島南部で、右上に拡大された地図で1,2と記載されているところ。
地図の白い部分は海面が120m低下すれば陸路で繋がる範囲。スラウェシ島は繋がらないことが分かる。
スラウェシ島の南部にあるフローレス島では、21世紀になってからホモ・フロレシエンシスと名付けられた小型人類が発見された。この、ホモ・フロレシエンシスは海水面が再び上昇したあとは狭い島嶼地帯に閉じ込められてしまい、それが原因で体が島に適応した小型になったと考えられているので、彼らに海をわたる技術があったとは思えない。(というか、あったらあったで小型進化の理由を別にひねり出さないといけなくなる)
となると、彼ら以外に、フローレス島よりはるかに大きいスラウェシ島に住んでいたお隣さんを想定しないといけなくなるのだが、正体が分からない。石器だけで人類の骨が見つかっていないからだ。
この石器の年代が間違えているのなら、実際にはあとからやって来たホモ・サピエンスのものだったというオチも無くはないのだが、石器の写真だけからだと、さすがに作者までは分からない。なんか100万年前にしてはサイズ小さく作りすぎてない? という気もしなくもないが…。
発見場所が川の近くで、遺跡自体が川の侵食を受けていそうなのも気になる。川に流された石が自然にぶつかり合って石器みたいな形状になねるのはよくあるパターンだし、洪水などで地層が撹乱された可能性もある。
年代の測定に使ってる手法が、古地磁気分析とか、一緒に出てきた動物の骨に対するウラン・鉛年代測定法らしく、その分析法は今の自分には知識がなくサッパリ。まあ怪しければ誰か専門家が再検証して物言いつけるだろうから、様子見しておこうと思う。
べつにネイチャーに載ったからつって、その論文が正しいわけではないので…。
しょっちゅう訂正とか取り下げも入ってるので…。