「ラムセス大王展」もいよいよ来週末まで…イチオシの一級品「銀の棺」について ※その後、延長告知あり

★その後、延長告知あり。会期は2026/1/4までに変更されました
(あれだろ…大エジプト博物館の開館も延期したから収納先がまだ準備出来てないとかだろ…とちょっと思ったのは内緒)

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豊洲で開催中のラムセス大王展もついにあと10日ほどで閉幕。国宝級の遺物を日本で、至近距離で、比較的人の少ない状態で好きなだけ眺められるのもあと僅か。
エジプトさんはこれから大エジプト博物館というデカいハコモノの正式開館も控えているので、この規模で一級品揃えてくる展覧会は、もう、しばらく無いと思うんですよ。まだ行ってない人はダッシュしたほうがいいよ…! 中の人も何気に三周しちゃったしな

さて、ラムセス大王展といいながら、実はもう一人、ツタンカーメンと並ぶ至宝とともに埋葬された王、ショシェンク(シェションク)2世の遺物もたくさん来ている。中の人的に銀の棺がめちゃくちゃオススメである。みんなこれがどれだけヤベエか分かってないみたいな感じでスルーしていくけど、銀だぞ…フルシルバーだぞ…黄金じゃないからってスルーしちゃだめだ、近くで見ると「え??? これ第三中間期??? 政局混迷期かつエジプトの国力も落ちてたって言われる時期にコレ作れる職人いたの??!!」ってなるから。
リベットの打ち方がちょっと適当すぎるなって感じではあるけど、ハヤブサの顔の造形すごいから。

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特にくちばしの部分のシャープさがね、すごいんですよ。3,000年前の遺物ですよこれ。未盗掘の墓から出てきた至宝。たまたま発見直後に世界大戦はじまっちゃったせいであんま有名になれずに今に至るけど…。

この時代の王たちは、過去の王の墓を暴いて「再埋葬する」っていう口実で金銀を回収して自分たちの副葬品に作り変えていたとされるけれど、そのぶん、薄い金属板でゴージャスに見せる手法というか、嵩増し手法みたいなのが上手い。近くで見て職人技を確認できるのは今だけなのです。

ちなみにこの棺の形、ハヤブサなのは、冥界神の一柱ソカル(ソカリス)を象ったものだから、とされてます。
もう一つ同じ王朝で存在する銀の人形棺のほうは冥界神オシリス。金=太陽=昼/生者 に対応する 銀=月=夜/死者 の思想を取り入れてるんだと思います。カノポス壺も銀を採用してるんで。

その代わり、ミイラが直接身につける指サックやマスクは金。
これは神の肉体は金で出来ている、という思想を反映して、永遠を手に入れたい躯には金を身に着けさせたんじゃないかな。
第22王朝は外来系のルーツを持つファラオの統治した王朝だけど、埋葬の仕方や副葬品から見える宗教観は完全にエジプト風で地元に馴染んでたんだな…という感じ。ルーツはリビア系でも、何代もエジプトに暮らして文化的にはエジプト人になってた人たちかなと思います。

とか、そのへんも分かると楽しいと思います!
各時代の文句なしの至宝が並んでるので、気になったやつがあればあとで調べてみるといいと思うよ!
いやマジ、マニアなら全てのショーケースに対して無限に語れるイベントなんで…。

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[>おまけ

エジプト展の図録、誤字とかミスとか多すぎない…? 最近の出版事情に思うこと
https://55096962.seesaa.net/article/511698956.html

図録の誤字脱字は近年稀に見るレベルw どうしてこうなった…

ラムセス大王展に来てる「ヒッタイトの盾の鋳型」は、もしかしたらヒッタイト王女のおつきが持ってきたかもしれないという話
https://55096962.seesaa.net/article/512725887.html

説明書かれてなかったので勝手に補足しておいたやつ

ラムセス大王展・二周目、貴重な遺物の展示方法と(おそらく)免震器具の使い方について
https://55096962.seesaa.net/article/516288099.html

ここも見どころ!