9/8早朝は久々の皆既月食! ところで古代エジプトって月食の神話無いよね…

9/7から9/8に日付が変わるくらいの深夜から、皆既月食が楽しめるというので中の人はちょっと楽しみにしている。
見え方とか見える時間とかは天文ニユースサイトなどで詳しく解説されているので、見てみたい人は以下とかどうぞ。

https://www.astroarts.co.jp/special/20250908lunar_eclipse/index-j.shtml

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さて、ここで突然だが古代エジプトには月食に関する神話・伝承の類が無さそうだという話をしたい。
メソポタミアでは「不吉」として記録サれるのだが、古代エジプトにはどうも月食の記録らしきものが無く、自宅の資料とかひっくり返してみても何も出てこない。神話とかになった形跡がない。日食については「太陽が邪悪な大蛇アポピスに飲み込まれたせいだ」というような神話があるにも関わらず、月食がスルーなのである。

もともと古代エジプト人は、特殊な天文イベントはほとんど記録しないという特性がある。
天体の動きは宇宙の秩序を示し、規則正しいのがあるべき姿と考えていたため、あるべき姿ではないことが起きても、それを文字記録として、確たる現実として固定したくない、という発想が働いたらしい。

しかし、起きた時こそ記録されていなくても、「起こり得る災厄」として神話化されている日食に対して神話すら無いということは、古代エジプト人にとって月食はそれほど喫緊の出来事ではなかったのでは、と思うのだ。

理由として考えられることは以下のようなもの。

①太陽は昼間の唯一の光源だが月はそうではなく、月が消えても星々が残るためパニックの度合いが薄い
②月はもともと満ち欠けするものという概念なので、「欠けてもまた元に戻るやろ」という安心感がある
③そもそも夜起きてる人間が少ないので、観測されたことも少なかった?

個人的に大きそうなのは②かなぁと思っている。月というヒエログリフ自体が欠けている月の姿だし、ホルス神の両目は月と太陽に比されるが、そのうちセト神に傷つけられて不完全とされているのは月を象徴するほうの目なのだ。
つまり「月は欠けてなんぼ」というか「不完全なのが当然」みたいな扱いで、「絶対に欠けてはならない完全な太陽が消える」という事象よりは宗教上のインパクトも薄かったのではないかと考える。

…まあ正解は古代エジプト人に聞いてみないとわからないですけども。



というわけで月食、もし晴れていたら楽しんでみてくださいね皆様。