現代エジプト人は古代エジプト人と別物なのでは?→文化が入れ替わっただけで血の繋がりはあるよ
昔から何度も繰り返されてきた問いかけの一つに、「古代エジプト人と現代のエジプト人は別物なのでは?」というものがある。
古代エジプトの宗教や言語、風習の多くは消えてしまい、現在のエジプトはアラビア語を使いイスラム教を信奉するいわゆる「アラビア人」だからだ。
しかし、実はイスラム教とともに流入してきた大元のアラブ人の人口はそれほど多くはなく、アラブ化しただけで血筋とか遺伝子という視点だと古代とはそんなに大きく変化していないと考えられている。
まず最初に認識してもらいたいのは、古代エジプトは古代世界において世界最大級の人口を誇った地域だった、ということだ。
なので他の地域から数千人移住してきたくらいでは、母体となる地元民に吸収される。
エジブトの人口は、プトレマイオス朝の終焉時点で約400万人と試算されている。(もっと少なく200万人とする説や、多めに見積もって700万人とする説もあるが中間としてこの値を採用する)
その当時の世界人口は1.5億人。つまり世界人口の実に数%が、ナイル川流域下流のエジプトという狭い地域に居住していたことになる。

*「古代エジプト 都市文明の誕生」より
ユスティニアヌスの疫病(ペスト)などの影響もあり、アラブ人が侵入してくる頃には300万人ほどに減っていたとされるが、当時のアラブ全人口よりもはるかに多い。
初期のアラブ人で外に出ていける兵士などは最大で数万人だったとされ、全軍率いてエジプトに移住するわけもないので、移住したのはそれ以下だろう。(そもそもアラビア半島は沙漠がちな土地なので、石油が取れるようになるまでは人口が少ないまま推移している)
しかもエジプトは南北に細長い国で、アラブ人が居住したのは下流のナイルデルタに限られる。
とすれば、ほんの0.1パーセント程度の移住者がナイルデルタに留まって現地民とじわじわ混血していった…くらいの状況であり、エジプト全土の人口を置換するような規模では到底ないことが分かる。
ほんの僅かな支配者によって主要な言語が入れ替わり、新たな宗教を受け入れたことで風習や文化も変わったが、ベースとなっているエジプト人の人種的なものは変化していないし、古代エジプトの血を引く人も大勢いると考えていい。
そして同じ考え方は、アラブ人以外の、各時代においてエジプトに入ってきた様々な民族に対しても言える。
エジプトはナイル流域での農耕によって大規模な人口キャパを持っていた。いずれの時代の移民も、大元の人口分布を塗り替えるほど大規模ではなかった。
というかエジプトの人口規模を置き換えられるだけの波を起こすには、世界人口の数パーセントを一気に動かさないといけないので、たとえばメソポタミア全域の人間が一気にエジプトに流れ込むとかじゃないと無理だったんじゃないかな…。事実上、不可能なレベルなんですよねそれ。
なお、ミイラと現代人のDNA比較の研究は以下も参照。
一番近いのは隣接するシリア・パレスチナあたり。別にアラブ人と置き換えられてるわけではないことはここからも分かる。
https://55096962.seesaa.net/article/515471012.html
というわけなので、現代エジプト人はピラミッド作ってた人たちの子孫ではある。
ただ、ピラミッド作ってたのが4,500年も前なので、そらちょっと他人行儀にもなるというか…まあそんだけ時間離れてるとほぼ他人になっちゃうってだけだと思うよ。
うちらの祖先が古墳作ってた時代だって、たった1,500年くらい前の話なのに遠く感じるじゃないですか。エジプトさんはその3倍離れてますからね…。
古代エジプトの宗教や言語、風習の多くは消えてしまい、現在のエジプトはアラビア語を使いイスラム教を信奉するいわゆる「アラビア人」だからだ。
しかし、実はイスラム教とともに流入してきた大元のアラブ人の人口はそれほど多くはなく、アラブ化しただけで血筋とか遺伝子という視点だと古代とはそんなに大きく変化していないと考えられている。
まず最初に認識してもらいたいのは、古代エジプトは古代世界において世界最大級の人口を誇った地域だった、ということだ。
なので他の地域から数千人移住してきたくらいでは、母体となる地元民に吸収される。
エジブトの人口は、プトレマイオス朝の終焉時点で約400万人と試算されている。(もっと少なく200万人とする説や、多めに見積もって700万人とする説もあるが中間としてこの値を採用する)
その当時の世界人口は1.5億人。つまり世界人口の実に数%が、ナイル川流域下流のエジプトという狭い地域に居住していたことになる。
*「古代エジプト 都市文明の誕生」より
ユスティニアヌスの疫病(ペスト)などの影響もあり、アラブ人が侵入してくる頃には300万人ほどに減っていたとされるが、当時のアラブ全人口よりもはるかに多い。
初期のアラブ人で外に出ていける兵士などは最大で数万人だったとされ、全軍率いてエジプトに移住するわけもないので、移住したのはそれ以下だろう。(そもそもアラビア半島は沙漠がちな土地なので、石油が取れるようになるまでは人口が少ないまま推移している)
しかもエジプトは南北に細長い国で、アラブ人が居住したのは下流のナイルデルタに限られる。
とすれば、ほんの0.1パーセント程度の移住者がナイルデルタに留まって現地民とじわじわ混血していった…くらいの状況であり、エジプト全土の人口を置換するような規模では到底ないことが分かる。
ほんの僅かな支配者によって主要な言語が入れ替わり、新たな宗教を受け入れたことで風習や文化も変わったが、ベースとなっているエジプト人の人種的なものは変化していないし、古代エジプトの血を引く人も大勢いると考えていい。
そして同じ考え方は、アラブ人以外の、各時代においてエジプトに入ってきた様々な民族に対しても言える。
エジプトはナイル流域での農耕によって大規模な人口キャパを持っていた。いずれの時代の移民も、大元の人口分布を塗り替えるほど大規模ではなかった。
というかエジプトの人口規模を置き換えられるだけの波を起こすには、世界人口の数パーセントを一気に動かさないといけないので、たとえばメソポタミア全域の人間が一気にエジプトに流れ込むとかじゃないと無理だったんじゃないかな…。事実上、不可能なレベルなんですよねそれ。
なお、ミイラと現代人のDNA比較の研究は以下も参照。
一番近いのは隣接するシリア・パレスチナあたり。別にアラブ人と置き換えられてるわけではないことはここからも分かる。
https://55096962.seesaa.net/article/515471012.html
というわけなので、現代エジプト人はピラミッド作ってた人たちの子孫ではある。
ただ、ピラミッド作ってたのが4,500年も前なので、そらちょっと他人行儀にもなるというか…まあそんだけ時間離れてるとほぼ他人になっちゃうってだけだと思うよ。
うちらの祖先が古墳作ってた時代だって、たった1,500年くらい前の話なのに遠く感じるじゃないですか。エジプトさんはその3倍離れてますからね…。