サイコみのある研究が好き。「縄文人のDNA使ってiPS細胞から内臓作るで！」

何を言ってるかさっぱり分からないと思うが、こういうことである。



iPS細胞とは、分化誘導すれば人体のどんな臓器にもなれる細胞のことで、ここに縄文人のDNAを突っ込んで縄文人の人体パーツを生成しちゃおう、という研究。これにより擬似的に縄文人の身体能力や機能を再現し、現代人と比較することが出来る。
(なんかどっかのサイコホラー系マンガで見たことがありそうな無さそうな存在しない記憶)

数年前にこれを見かけて、へー面白そうなことやってるじゃんと思ってたのだが、久しぶりにあらためて調べてみたら、研究は続いていた。

縄文人iPS細胞をもちいた生理・代謝・生体防御のマルチプロファイリング
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25H00999/

Uehiro Future Scientists Program 研修生インタビューVol.1
―iPS細胞を使って古代人の進化や体質を探る―
https://www.cira-foundation.or.jp/j/publications/uehiro-future-scientists-program/2025/05/tragining-01.html

縄文人の肝臓を再現して、アルコール分解能力とか調べているのはまさにその研究の一部。
縄文人のDNA自体はいま生きてる我々の細胞の中にあるものを引っ張り出してきているので、この研究が進めば、縄文人由来のDNAの有無が現代人の体質の違いにも現れている、などが言えるようになると思われる。

これ系の、古代人由来のDNAが現代人にどう影響しているかという研究はおそらく最近のトレンドで、類似するものはよく見かける。
コロナ禍で出ていた「ネアンデルタール由来のDNAがコロナ重症化に影響しているのでは」という研究なども、その一種。ネアンデルタールやデニソワ人などははるか昔の種族だし、ネアンデルタールはそもそもホモ・サピエンスではないので差異も大きい。
その点、縄文人は同じホモ・サピエンスだし、それほど昔に生きていたわけでもないので、DNAはわりと高精度で取れて研究は有利なのだそうだ。

やってることは若干マッド気味だけど、出てくる結果は面白そうなので報告を正座待機してますね…
こういう分野またいで正気と思えない(褒め言葉)方法で研究やってるやつ好きなんで…。


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図の出典元


古代ゲノムから見たサピエンス史 歴史文化ライブラリー - 太田博樹