貨幣経済と代理通貨/現代社会ってもしかして「代理通貨」に戻ろうとしてない…?

絶対そういう研究してる人はいるだろ、と思ったのにパッと出てこなかったので、とりあえずメモがわりに書いておく。

現代のキャッシュレス、そしてビットコインなどの仮想通貨って、貨幣経済以前の古代世界で一般的だった「代理通貨」の世界に戻ってるんじゃない…? という話である。

代理通貨とは何かというと、たとえば、穀物や塩などをお金の代わりに使うことを言う。
ローマ時代の兵士のお給料が塩で支払われていた、という話とか、日本だとコメで「●●石」という財産の計算方法。他の用途に使われるもの、誰にとっても価値のあるものをお金の代わりに取引に使うことを指している。(なので、加工した貝や石などを貨幣として扱うのは違う。それは貨幣を作っていたのと同じことになる)

参考として、以下を置いておく。

物々交換時代の代理通貨で古代世界を考えてみる
https://55096962.seesaa.net/article/201508article_7.html

古代マヤでは塩も貨幣代わりに使われていたのでは? という話
https://55096962.seesaa.net/article/202103article_20.html

古代エジプトの単位「デベン」と物の価値について
https://55096962.seesaa.net/article/502273875.html

この代理通貨は、貨幣が登場したあとも状況に応じて広く使われてきた。物々交換と平行で行われることが多く、たとえばうちの近所だと、今でもコメ袋で労働力が買える。(注: 草刈りなどのお礼としてもらえる)
物々交換も盛んであり、田中さんちのジャガイモと山田さんちの柿の交換などが可能。交換レートもある程度決まっている。

…まあ、そんな話はどうでもいいのだが、要するに、身内でやり取りするぶんには貨幣は必須というわけではない。貨幣は経済圏が広がり、見知らぬ相手とやり取りする相手が増えるとともに広まってきたとも言える。


だが、最近、キャッシュレス化によってその貨幣を使う機会が減っている。
そして貨幣とは別の、新手の代理通貨が登場してきている。ビットコインに代表される仮想通貨だ。


そもそも貨幣というものは、作るのに手間がかかるし技術も必要だ。特に日本の貨幣などは、コインにしろ紙にしろ、偽造しづらい作りにしているからなおさら手間がかかっている。工業化されて大量生産できる現代はまだマシだが、それ以前の時代には貨幣は不足しがちで、日本だと中国から輸入するなどしていた時代もある。
技術のない国は外国に貨幣の鋳造や印刷を頼まなければならない場合もあり、コスパ悪いのだ。(なので、物理の貨幣を作る手間とコストを省きたい新興国ほどキャッシュレスが盛んだったりする。)

その貨幣の不便さを取り除こうとしているのが今のキャッシュレスや電子貨幣への移行という潮流だと思うのだが、実際のモノでも貨幣でもない数字上のお金のやりとりは、新しい軸での代理通貨への逆行のように思えるのだ。

もちろん、過去に行われてきた、塩やコメを貨幣がわりに使うという代理通貨と全く同じではない。いま起きているのは、電子上の数字を貨幣として取り扱う、というやり方での代理通貨。というか同じ名前で呼ぶと厄介なので、何か別の名前を作って充てたほうが良い気もするのだが…。

ともあれ、物理的な貨幣経済が縮小しつつあるのは確かだろう。今の、電子上の数字のやり取りで取引が成立するやり方の経済は、仮想通貨での取り引きのほうに近いと感じる。
この現象を説明する言葉といい感じの説明文が欲しいので、経済学者か社会学者の人はなんか頑張って欲しい。