登山SNSの草分け、ヤマレコ20周年。果たして20年後もサービスは存在するのか。そしてこの先の20年を無事に登り続けるためには

登山系SNSとしては草分け的存在なヤマレコが、今年で20周年を迎えた。
中の人は初期にアカウントだけ作っているのだが、記録はほぼ上げていない(というか用のある時くらいしか見ない)。SNSとしてはほとんど利用していないに等しい。今年は残雪多めかな、とか、今年はツツジ当たり年っぽいな、とか、その季節ごとの現地情報を探すのに使うくらいだ。

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https://yamareco.co.jp/archives/502
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/

理由はまあ、色々あるのだが、そもそも中の人が登山を始めたのはインターネットのない時代だったからだ。
そして、ハードで頭おかしいような山行は、高校・大学の頃でだいたい終わってしまった。大学卒業後は一緒に山に登るメンツがいなくてソロ山行ばっかりなので、そんなに無茶出来なくなった、とも言う。

いまさら人に山行記録を自慢するものでもないし…。
ソロに慣れてしまったので、仲間が欲しいとかそういうのももう無いし…。
初々しい初心者の間に入っていけるほど素人っぽくもなく、化け物みたいな登山者たちと肩を並べられるほどの山屋でもない…。
(慣れてるぶん、バリエーションルートやったり、低山をかなり速いペースで踏破するとかはあるけど、それを人に見せて勘違いされたくもない)

なので自分の記録は出さず、眺めてるだけになりがちなのである。

ここ10年くらいで登山をはじめた人ならともかく、既に20年を越える登山歴がある人が、敢えて今から自分の登山歴残そうと思うか? という話である。
まあ…100名山もなんだかんだ70くらいは終わってると思うんだけど…。たとえば仙丈ヶ岳とか、最後に登ったの高校インターハイの時っすよ…もうはるか昔だよ…w


いにしえの登山者にとっては、そもそもインターネット上に登山記録が作られるようになったのが「ここ最近」の風潮だ。

iPhineの登場は2007年。
ヤマレコの出来た時代、スマホはこの世にまだ存在せず、携帯電話の写真機能ではそれほど高画質な写真はとりなかったし、デジカメもそれほど一般的ではなかった。インターネット上に動画を上げるなど、夢のまた夢という世界である。
つまりSNSで登山データを共有するにしても、文字ベースでのやりとりが主体で、今のように細かく、GPSでログまで残して登山記録をつける、という時代ではなかった。

それでも、登った山のことを忘れたりはしない。
他人の作った登山計画の流用など出来なかった時代、自分で電卓叩いてカロリー計算して、標準コースタイムから行程も計算してルートを決めていたからだ。携帯電話も一般的ではなく、奥地にいく人は無線を持ってたりもした。なんかあったらすぐ助けを呼べばいい、などという感覚は、当時の初心者には無かった。

地図を広げれば、自分が辿った道は思い出せる。
国土地理院の2万5千分の一地図に手作業で登山ルート起こしていたからだ。通過する分岐、谷や目立つ地形を事前に頭に叩きこむのは必須だった。

いちいち記録をつけなくても、写真が残っていなくても、記憶の中に残っているならそれでいいだろうと思ってしまう。
そして、さらに20年たった後、ヤマレコはもちろん、他のSNSでさえ、今の形のまま存在しているかどかうはわからないのだ。

時代はどんどん移り変わっていく。20年も経てば、かつて想像出来なかった世界になる。
20年前には、スマホも高画質な写真も存在しなかった。一般人がGPSログをお手軽に使える時代でも無かった。次の20年で一体、何が変わるだろう?
ホームページやブログといったサービスは次々サービス終了していっているが、登山SNSがそうならないと言えるだろうか?
溜め込んでいた記録がサ終とともに消えてしまう日が来ないとは言えないのだ。

なので、人に見せる記録をぽちぽち作るりよりは、自分の中に刻まれた、辿った道の記憶を大事にしていきたい。なんて思ってしまう。

最近では、登山SNSで仲間をつのって、登山口が初対面のメンツといっしょに登る、なんていうのもあるらしい。
また、そうして知り合った人につれてってもらって登頂だけするので、自分の辿ったルートはあとからGPSを見てようやく分かる、なんていうパターンもあるらしい。

そういうのが合わない。

計画から自分で立てて、自分の意志で、自分の決定で道を辿ることが楽しいと思う人間なのだ。そして、その記憶は自分だけのトロフィーなのだ。他人に認められるとかコメントを貰うとかが目的ではなく、ましてや他人の記録と比べてどうこうしたいわけでもなく、自分一人で心ゆくまで愛でたい記憶なのだ。むしろ誰にも邪魔されたくないので外に出したくない、まである。
きっとこういうのは少数派なんだろうけど。

20年近くほぼ眺めるだけだったヤマレコ、この先も眺めながら、マイペースに山に登り続けられればいいなぁと思う。


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登山SNSは、定期的に人が死ぬか大怪我をする場所でもある。
正直、20年無事故で継続できてるアカウントは少ないと思っている。

人の評価を意識して危険な山行やったり、無茶なペースで生還したことを自慢気味に書いてる人は、だいたい事故っている。運が悪いと二度と戻ってこない。古臭い考えかもれないが、登山は「山と向き合う」という行為でもあると思っている。そこに他人の目や評価を気にする浮ついた気持ちの入る余地はなく、入れてしまうと油断が生まれる。
ほんのちょっとの油断、ほんの一歩間違った場所に足を置くだけで事故は起きるんですよ。それが山という場所…。

私はこの先もまだ、何十年かは登山を続けるつもりでいる。無事に登り続けるために、次回も無事に戻って来るために何が必要か、という考えで行動していきたい。