アルジェリア(11) アジア人が珍しい世界でのアジア人の扱いについて
あとはおまけ。今回の旅行でちょっと気になったところである。
ビザをとるのが難しく、最近になってようやく観光業に力を入れ始めたばかりのアルジェリアでは、おそらく外国人、特に「アジア人」が珍しい。
これは逆に、日本でアフリカ人を見かける頻度を考えてみるとわかりやすいかと思う。東京ならまあ見かけることもあるだろうが、地方では今で珍しいのではないだろうか。日本でサハラ以南の、いわゆるブラック・アフリカの真っ黒な肌をした人とか見かけたら、「うわー外国人だぁ!」と思うかもしれない。
そんな珍しい人間に出会った時、どうするか?
…アルジェリア人は駆け寄ってきて、一緒に写真を撮ってくれとお願いしてくるのである。
旅程の最後、日本に帰る飛行機に乗るために首都アルジェまで戻ってきて、ついでにと殉教者の塔を見に行った時のことだ。
この塔は、フランス植民地からの独立戦争で死んだ人たちを慰霊するものだという。アルジェリアといえばこれ、みたいなシンボル的な建造物でもある。そして、日本で言う東京タワーみたいなポジションの国内観光地でもある。


ここには地方からやってきた、いわゆる「おのぼりさん」なアルジェリア国民の観光客もいる。
そして前の記事に書いたとおり、今や世界的にインターネットは普及しており、アフリカ内陸部に至るまでスマホが行き渡り、普通に売られている。
となれば、「初めて実物を見たレベルでアジア人が珍しい」地方民は、ぜひともこれは写真に撮ってシェアしてやろう、と思うわけである。
人間心理としてはわかりやすいし、自分たちもアフリカ人に対して同じ感情を抱きかねない…とはいえ…
いざ自分のほうが「珍奇な外来者」になってみると分かることもある。いきなり駆け寄ってきてスマホのカメラ構えられるのはいい気分がするものではない。「フォト! フォト!」とか言いつつ隣に立ってセルフィーのカメラを構えられる、それも一人二人ではなく集団で、とかになってるのを想像してほしい…。
イスラム教国なので、女性の私に駆け寄ってくるのは女性だけである。(大衆の面前で男性が知らない女性に触れたり声をかけたりするのはタブー)
それもインターネットネイティブ世代だからなのか、恐れを知らないからなのか、若い女子が多い。
でも別にいい気持ちはしないのである。自分が見世物にされているような、個人の尊厳とか個性とかを無視して単なる「珍しいアジア人」としてしか見られないというような、胸の奥にザラリとした違和感と拒否感を覚える。
そして思う。これもまた差別の一種ではないのか…?
ていうか失礼だよな…?
撮った写真、面白い顔した人間として仲間内でシェアして笑い合うの…?
いやまあ、無断で写真撮られるよりはマシかなと思うけど、逆に日本に来た外国人を見た目が珍しいからという理由で写真撮って共有するというケースで考えてみると、やや失礼ではないかという気がする。
これが日本人に対しても中国人に対しても、アジア人全般について当てはまるものなのかは分からない。
他の国と同様アルジェリアでも、20回くらいは「チャイナ」と呼ばれ、20回くらいは「ジャポネーゼだよ?」と否定したが、そのたびに「マジか日本人?」みたいな反応されたからである。
というか入管の時ですら、「チャイナ! こっちに並べ!」って言われて「いやジャポネーゼやねん(フランス語は単語くらいしか分からないので発音はかなり適当)」と答えたら「日本人??!! すげ!」みたいなこと言われたんで、日本人は東アジア人のカテゴリの中ではレアキャラ扱いなのかもしれない。
中国人は人数が多いからなのか、一帯一路とかの国策関連で海外に労働者を送り出しているからなのか、アルジェリアでもそこそこ人数がいるようだった。というか町中で中華料理屋と漢字名で名前の書かれたビルを見かけた。なので、アジア人顔の人間は、アルジェの街でなら見慣れている人も多いのではないかと思う。アジア人が珍しいのはアルジェリア人の中でも「おのぼりさん」だけの可能性が高い。
「はじめて会ったけど中国人に比べて日本人は静かで大人しくていいね。全然違う」とニコニコしながら言ってきた店の人もいた。(中国人は一体、その店で何をやらしかたんだろう…)
大人しそうな日本人だから声かけてきてる、とかはあるのかもしれない…。
そんで海外に出てるような日本人って、だいたい、一緒に写真撮ろうって言われたら応じてあげちゃうよなあ。私は嫌だけど。
というわけで、なんとなくモヤモヤした思いを抱えたまま、アルジェの街をあとにした最終日なのだった。
アジア人が珍しいなんて、まるで「進撃の巨人」の壁内世界みたいだ。世界は広い。そしてインターネットが普及した現代でも、結局、知識として知っていることと実際に見たことがあるものは違うのだろう。
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まとめ読みはこちら
ビザをとるのが難しく、最近になってようやく観光業に力を入れ始めたばかりのアルジェリアでは、おそらく外国人、特に「アジア人」が珍しい。
これは逆に、日本でアフリカ人を見かける頻度を考えてみるとわかりやすいかと思う。東京ならまあ見かけることもあるだろうが、地方では今で珍しいのではないだろうか。日本でサハラ以南の、いわゆるブラック・アフリカの真っ黒な肌をした人とか見かけたら、「うわー外国人だぁ!」と思うかもしれない。
そんな珍しい人間に出会った時、どうするか?
…アルジェリア人は駆け寄ってきて、一緒に写真を撮ってくれとお願いしてくるのである。
旅程の最後、日本に帰る飛行機に乗るために首都アルジェまで戻ってきて、ついでにと殉教者の塔を見に行った時のことだ。
この塔は、フランス植民地からの独立戦争で死んだ人たちを慰霊するものだという。アルジェリアといえばこれ、みたいなシンボル的な建造物でもある。そして、日本で言う東京タワーみたいなポジションの国内観光地でもある。
ここには地方からやってきた、いわゆる「おのぼりさん」なアルジェリア国民の観光客もいる。
そして前の記事に書いたとおり、今や世界的にインターネットは普及しており、アフリカ内陸部に至るまでスマホが行き渡り、普通に売られている。
となれば、「初めて実物を見たレベルでアジア人が珍しい」地方民は、ぜひともこれは写真に撮ってシェアしてやろう、と思うわけである。
人間心理としてはわかりやすいし、自分たちもアフリカ人に対して同じ感情を抱きかねない…とはいえ…
いざ自分のほうが「珍奇な外来者」になってみると分かることもある。いきなり駆け寄ってきてスマホのカメラ構えられるのはいい気分がするものではない。「フォト! フォト!」とか言いつつ隣に立ってセルフィーのカメラを構えられる、それも一人二人ではなく集団で、とかになってるのを想像してほしい…。
イスラム教国なので、女性の私に駆け寄ってくるのは女性だけである。(大衆の面前で男性が知らない女性に触れたり声をかけたりするのはタブー)
それもインターネットネイティブ世代だからなのか、恐れを知らないからなのか、若い女子が多い。
でも別にいい気持ちはしないのである。自分が見世物にされているような、個人の尊厳とか個性とかを無視して単なる「珍しいアジア人」としてしか見られないというような、胸の奥にザラリとした違和感と拒否感を覚える。
そして思う。これもまた差別の一種ではないのか…?
ていうか失礼だよな…?
撮った写真、面白い顔した人間として仲間内でシェアして笑い合うの…?
いやまあ、無断で写真撮られるよりはマシかなと思うけど、逆に日本に来た外国人を見た目が珍しいからという理由で写真撮って共有するというケースで考えてみると、やや失礼ではないかという気がする。
これが日本人に対しても中国人に対しても、アジア人全般について当てはまるものなのかは分からない。
他の国と同様アルジェリアでも、20回くらいは「チャイナ」と呼ばれ、20回くらいは「ジャポネーゼだよ?」と否定したが、そのたびに「マジか日本人?」みたいな反応されたからである。
というか入管の時ですら、「チャイナ! こっちに並べ!」って言われて「いやジャポネーゼやねん(フランス語は単語くらいしか分からないので発音はかなり適当)」と答えたら「日本人??!! すげ!」みたいなこと言われたんで、日本人は東アジア人のカテゴリの中ではレアキャラ扱いなのかもしれない。
中国人は人数が多いからなのか、一帯一路とかの国策関連で海外に労働者を送り出しているからなのか、アルジェリアでもそこそこ人数がいるようだった。というか町中で中華料理屋と漢字名で名前の書かれたビルを見かけた。なので、アジア人顔の人間は、アルジェの街でなら見慣れている人も多いのではないかと思う。アジア人が珍しいのはアルジェリア人の中でも「おのぼりさん」だけの可能性が高い。
「はじめて会ったけど中国人に比べて日本人は静かで大人しくていいね。全然違う」とニコニコしながら言ってきた店の人もいた。(中国人は一体、その店で何をやらしかたんだろう…)
大人しそうな日本人だから声かけてきてる、とかはあるのかもしれない…。
そんで海外に出てるような日本人って、だいたい、一緒に写真撮ろうって言われたら応じてあげちゃうよなあ。私は嫌だけど。
というわけで、なんとなくモヤモヤした思いを抱えたまま、アルジェの街をあとにした最終日なのだった。
アジア人が珍しいなんて、まるで「進撃の巨人」の壁内世界みたいだ。世界は広い。そしてインターネットが普及した現代でも、結局、知識として知っていることと実際に見たことがあるものは違うのだろう。
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