かつてサハラが湿潤だった時代に存在した大河と、ナイル川との意外な関係について
サハラ砂漠がかつて緑だった時代、そこには大河があった。という話がある。
調べてみたら、どうもナイル川と比較しての研究もあるようで、意外なところが繋がっていた。
African humid periods triggered the reactivation of a large river system in Western Sahara
https://www.nature.com/articles/ncomms9751
かつて大河が存在したのはここ。アルジェリアのタマンラセット付近から流れ出していたと考えられているようなので、仮で「タマンラセット川」とも呼ばれている。
加工は現在のモーリタニアにあるアルギン湾。かつて川だった頃の谷の地形がこのへんに残されており、堆積物は砂の下に浅く埋もれているのだそうだ。また、河口沖の海底からも、川が押し流してきたと思われる堆積物が見つかっているという。
赤い矢印の部分がここで言及されている川。この川は現在は完全に消滅している。

現在の地図で見るとこう。つまりは、かつてはサハラ砂漠を東から西に横断する大河があったことになる。

水源地の一つはアトラス山脈だろう。だが、主要な水源地はいまは砂漠となっているアルジェリアのタマンラセット付近だという。つまり、場所的にタッシリ・ナジェールから流れ出す川もあったかもしれず、複数の河川が合流して大河になっていくスタイルだったんだろうなと。サハラ砂漠で見た、かつて水が流れていただろう沢山の谷も、水源地の一つだったのかもしれない…。
この研究に関連しているのは、アルギン湾の沖でみつかった「ティミリス渓谷」という海底の深い谷のようだ。
現在は海底にあるにも関わらず、地上由来の有機物が大量に堆積していて、なんだコレ? となったらしい。そこで、この谷の手前にかつては大きな河口があったのでは…と研究が進み、水源候補としてタマンラセット周辺が上がってきた、という話のようだ。
Hidden Canyons
https://www.sciencenews.org/article/hidden-canyons
そしてナイル川が関わってくるのもここである。
ティミリス渓谷の堆積は、ナイル川沖の堆積物が多い時期と連動している。ナイル沖の堆積物が多い=ナイル川の流量が多い=上流の水源地の降水が多い、ということなので、ティミリス渓谷の堆積物が多い時期はサハラへの降水量が多かった時期と考えられる。
ナイル川の水量を増大させる青ナイルの水源地とタマンラセットは緯度が近いので、雨量の多い時期が重なっていたとしてもおかしくない。
堆積物の多い時期は過去24万5千年分の地層の中で9回観測されており、すべて地球の歳差運動による夏の日射極大期と一致するそうなので、ここに河口があったことの強力な根拠になりえると思う。
この川の流域がどのくらいの範囲まで及んでいたのか、平均的な流量がどのくらいだったのか、支流は何本くらいあったのか、などはデータが出てこなかったが、本当にタマンラセット付近から大西洋まで流れていたのならナイルと同等かそれ以上の規模と流量を持つ大河だったことは間違いない。かつてのサハラには、今とは全く異なる風景が広がっていたのだろう。
あと個人的に気になるのは、この川って、ずっと謎って言われてた「サハラの眼」ことリシャット構造体の近くを流れることになるんですよね。
風による侵食で形成されたって言われてたけど、もしかして大河の流れも少しは関係していたりする…? かつてはここに水が溜まってた、とかはありそうな気がする。

地理学もロマンがあっていいですよね。時間の単位が万年とかなんで他のジャンルとの組み合わせが難しいですけども。
調べてみたら、どうもナイル川と比較しての研究もあるようで、意外なところが繋がっていた。
African humid periods triggered the reactivation of a large river system in Western Sahara
https://www.nature.com/articles/ncomms9751
かつて大河が存在したのはここ。アルジェリアのタマンラセット付近から流れ出していたと考えられているようなので、仮で「タマンラセット川」とも呼ばれている。
加工は現在のモーリタニアにあるアルギン湾。かつて川だった頃の谷の地形がこのへんに残されており、堆積物は砂の下に浅く埋もれているのだそうだ。また、河口沖の海底からも、川が押し流してきたと思われる堆積物が見つかっているという。
赤い矢印の部分がここで言及されている川。この川は現在は完全に消滅している。
現在の地図で見るとこう。つまりは、かつてはサハラ砂漠を東から西に横断する大河があったことになる。
水源地の一つはアトラス山脈だろう。だが、主要な水源地はいまは砂漠となっているアルジェリアのタマンラセット付近だという。つまり、場所的にタッシリ・ナジェールから流れ出す川もあったかもしれず、複数の河川が合流して大河になっていくスタイルだったんだろうなと。サハラ砂漠で見た、かつて水が流れていただろう沢山の谷も、水源地の一つだったのかもしれない…。
この研究に関連しているのは、アルギン湾の沖でみつかった「ティミリス渓谷」という海底の深い谷のようだ。
現在は海底にあるにも関わらず、地上由来の有機物が大量に堆積していて、なんだコレ? となったらしい。そこで、この谷の手前にかつては大きな河口があったのでは…と研究が進み、水源候補としてタマンラセット周辺が上がってきた、という話のようだ。
Hidden Canyons
https://www.sciencenews.org/article/hidden-canyons
そしてナイル川が関わってくるのもここである。
ティミリス渓谷の堆積は、ナイル川沖の堆積物が多い時期と連動している。ナイル沖の堆積物が多い=ナイル川の流量が多い=上流の水源地の降水が多い、ということなので、ティミリス渓谷の堆積物が多い時期はサハラへの降水量が多かった時期と考えられる。
ナイル川の水量を増大させる青ナイルの水源地とタマンラセットは緯度が近いので、雨量の多い時期が重なっていたとしてもおかしくない。
堆積物の多い時期は過去24万5千年分の地層の中で9回観測されており、すべて地球の歳差運動による夏の日射極大期と一致するそうなので、ここに河口があったことの強力な根拠になりえると思う。
この川の流域がどのくらいの範囲まで及んでいたのか、平均的な流量がどのくらいだったのか、支流は何本くらいあったのか、などはデータが出てこなかったが、本当にタマンラセット付近から大西洋まで流れていたのならナイルと同等かそれ以上の規模と流量を持つ大河だったことは間違いない。かつてのサハラには、今とは全く異なる風景が広がっていたのだろう。
あと個人的に気になるのは、この川って、ずっと謎って言われてた「サハラの眼」ことリシャット構造体の近くを流れることになるんですよね。
風による侵食で形成されたって言われてたけど、もしかして大河の流れも少しは関係していたりする…? かつてはここに水が溜まってた、とかはありそうな気がする。
地理学もロマンがあっていいですよね。時間の単位が万年とかなんで他のジャンルとの組み合わせが難しいですけども。