イタリア北部でみつかった2万7千年前の少年の骨、クマ(?)に襲われた痕跡が分析される。考古学的に表現するとこうなるのかぁ~

クマに襲われると顔面ぐちゃぐちゃになる、という話は散々出ているけれど、実際にその状態で埋葬された古代人の骨が出てくると「う、うん」としか言えない。そして「顔面損傷」を考古学的に言うとこうなるのかぁーみたいな妙な気づきもあったり。

※論文には骨の写真多数あり

New signs of skeletal trauma in the Upper Paleolithic Principe from Arene Candide Cave (Liguria, Italy) bear novel insights into the circumstances of his death
https://www.isita-org.com/jass/Contents/2025vol103/SparacelloV/41364101.pdf

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この骨自体は1942年に発見されていて、大型肉食獣に襲われた痕跡みたいなのがあるねというのは前から言われていたらしい。
それを詳しく差異分析してみたところ、襲った可能性が高いのはクマ、あるいはクマの仲間であるという結果になったそうだ。

対象はイタリア北西部のリグーリア州からみつかった、27,900~27,300年前のグラヴェット文化に属する墓。被葬者は10代の若者で、副葬品が豪華なことから「王子(Il Principe)」の愛称で呼ばれているのだとか。頭に被っているツブツブのものは貝を編み合わせて作った手の込んだ帽子らしい。

死亡時に肩と頭に重篤な損傷を負っていたことは間違いなく、「容貌を損なう」ダメージだったという。ただ、その状態でも即死ではなく、骨の僅かな治癒痕からして数日は生存していたようだ。
現代でも、クマに襲われて「命に別状はない」と報道される場合は即死したほうがマシなくらい顔面ぐちゃぐちゃなことがあるというが、この少年も、現代ならかろうじて助かっていたレベルの怪我だったのかもしれない。まあ…なんとなく傷の具合が想像ついてしまう…。

襲われる前に足に別の怪我を負っていたようでもあるので、逃げ遅れた、とかなのかもしれない。食われてしまわなかったのは、仲間が駆けつけて助けてくれたからなのか。

なお、襲った動物の候補には、ヒグマ(Ursus arctos)の他にホラアナグマ(Ursus spelaeus)、ヒョウ(Panthera pardus)、ホラアナライオン(Panthera spelaea) がいるそうだ。どれも…致命傷…どれも強い…そんなのと石器で戦って生き残ってきたご先祖様たちマジで強い。やはり人間は群れ、群れで戦うべき生き物…!

ホラアナグマやホラアナライオンは人間が狩りつくして絶滅させた可能性もあるというが、よく戦えたもんだと感心するしかない。ヒグマはまだ余裕で生き残ってますけども。やつは大型肉食獣の中では最強なのだろうか。