マヤ人、水銀中毒に侵されていた可能性:水源地の調査から
グァテマラにあるマヤの都市ウカナルの貯水槽から高濃度の水銀を検出し、水源地が汚染されていたはずだという論文が出ていた。
過去に同様の研究がティカルでも行われており、住民の多くが水銀中毒だった可能性が示唆されているが、今回もやはり高濃度の水銀が検出されていて、マヤの諸都市に一般的だった可能性が高くなってきた。
汚染源は辰砂。マヤ文明で儀式や建物の着色に使われるアレである。
いわゆる「マヤ・レッド」の原料であり、鮮やかな赤色から「血」や「生命力」、「再生」を象徴するとされた。寺院、石碑、墓、そして儀式にも使われた。現在は石の地色でしかないマヤの遺跡群は、かつてはこの辰砂ですべて真っ赤に染め上げられていたという。なので、雨で流れたら水路に混入するのは当然でもある。
Mercury contamination in ancient water reservoirs at the Maya city of Ucanal, Guatemala
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352409X24004176?via%3Dihub

この遺跡では、3つの水源地(貯水槽2つと水路)のすべてで世界水準で健康に問題ないと考えられる濃度を大幅に超える濃度が検出されたらしい。
時代も先古典期後期から古典期末期にかけて、特に古典期末期における汚染はかなり深刻だったようで、もしかしたらこれもマヤの都市衰退の原因の一つでは…と思いたくなる。
マヤ人は決して、水源地の汚染に無頓着だったわけではない。上下水道の概念があり、人糞による汚染は防がれていたし、貯水池を半地下や木陰にすることで藻の発生を防いでいたともされる。
でも、儀式に使われる神聖なものである辰砂についてはノーガードであり、長年かけて都市周辺の土壌が蝕まれるのを防ぐことは出来なかったのだ。
しかも今回の調査で、大都市だけではなく中規模以下の都市でも汚染は進んでいたことがわかってきた。かつ、汚染区域は王族や貴族の住居だけではなく一般住民の住居区域にも…となると、やはりマヤ文明の衰退のいくらかはここに原因がありそうだ。人体への被害がどのくらい出ていたのかはこれから研究するらしいが、果たして結果はいかに。
まさかマヤ人も、生命力を象徴する「赤」の顔料が、実際には「死」をもたらすものだったとは、思いもしなかったんだろうなあ。
過去に同様の研究がティカルでも行われており、住民の多くが水銀中毒だった可能性が示唆されているが、今回もやはり高濃度の水銀が検出されていて、マヤの諸都市に一般的だった可能性が高くなってきた。
汚染源は辰砂。マヤ文明で儀式や建物の着色に使われるアレである。
いわゆる「マヤ・レッド」の原料であり、鮮やかな赤色から「血」や「生命力」、「再生」を象徴するとされた。寺院、石碑、墓、そして儀式にも使われた。現在は石の地色でしかないマヤの遺跡群は、かつてはこの辰砂ですべて真っ赤に染め上げられていたという。なので、雨で流れたら水路に混入するのは当然でもある。
Mercury contamination in ancient water reservoirs at the Maya city of Ucanal, Guatemala
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352409X24004176?via%3Dihub
この遺跡では、3つの水源地(貯水槽2つと水路)のすべてで世界水準で健康に問題ないと考えられる濃度を大幅に超える濃度が検出されたらしい。
時代も先古典期後期から古典期末期にかけて、特に古典期末期における汚染はかなり深刻だったようで、もしかしたらこれもマヤの都市衰退の原因の一つでは…と思いたくなる。
マヤ人は決して、水源地の汚染に無頓着だったわけではない。上下水道の概念があり、人糞による汚染は防がれていたし、貯水池を半地下や木陰にすることで藻の発生を防いでいたともされる。
でも、儀式に使われる神聖なものである辰砂についてはノーガードであり、長年かけて都市周辺の土壌が蝕まれるのを防ぐことは出来なかったのだ。
しかも今回の調査で、大都市だけではなく中規模以下の都市でも汚染は進んでいたことがわかってきた。かつ、汚染区域は王族や貴族の住居だけではなく一般住民の住居区域にも…となると、やはりマヤ文明の衰退のいくらかはここに原因がありそうだ。人体への被害がどのくらい出ていたのかはこれから研究するらしいが、果たして結果はいかに。
まさかマヤ人も、生命力を象徴する「赤」の顔料が、実際には「死」をもたらすものだったとは、思いもしなかったんだろうなあ。