見えないところで山が死んでゆく。山はメンテしないと荒れるんだよ、という話

春めいてきたので、奥多摩の集落に近いあたりの山歩きに出かけてみた。
民家のあるところから1-2時間の範囲にあり、ときどき車やバイクの通行する音がうっすら聞こえたりする、いわゆる「里山」の範囲だ。登山の難易度は高くはなく、道もそこそこはっきりしている。

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ただこの山域、歩いててちょっとやべーなと思ったのだ。
この写真を見て、どう思うだろうか。

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何もおかしくないじゃん? と思う人が多いかもしれない。
でもよく見てほしい。木の根っこが地面の表面にビッシリ浮き出ているのがわかると思う。木の根は、ふつう土の中にある。それが浮き出ている場所は、土壌の侵食が進み、いずれ土を失った木も倒れる、ということを意味している。

実際、他の場所では侵食された坂道沿いの木が既に浮き上がっていて、遠からず倒壊する状態になっていた。
木が倒れれば、根っこで押さえていた部分の土も流れ出して土壌流出は加速する。そうして山が崩れ、山道も崩れ、いずはれ荒れ果てたなにもない土地に変わる。

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こうなる一般的な原因としては、シカの増えすぎによる採食圧によって、表土の流出を防いでくれる下草や苔類などが食い尽くされてしまったことが上げられる。。
見ての通り、下草が全くない。これは鹿の多い山林では一般的な風景で、あらゆる緑が食い尽くされ、新たに芽生える幼木すら瞬殺されるので山が再生しない原因となりやすい。
下草が残っているように見えても、鹿の食べないミツマタやアセビ、バイケイソウなどの植物だけ、という風景も最近ではよく見かける。

いくら早春といっても、ここまでツンツルテンな表土を見せつけられては、うーん…と思ってしまう。
遠目には緑いっぱいの豊かな自然のように見えていても、実際に歩いてみると山が瀕死なのだ。あまりにも何も生えていなさすぎる。

密集しすぎて全体的に細い杉の木も、ちゃんと間引きしなければ特に大きくもならず、貧弱なままいずれ倒れるだろう。大きな木も、このまま表土の流出が続けば、根っこが浮いていずれは枯れる。
人の手が入りやすいだろう里山ですらこれなのだ。

鹿の食害が叫ばれ建て久しいが、適切な頭数管理のためのハンターの育成に力を入れないと、いずれ山が本当に死んでしまうんじゃないかと心配になる。
熊の被害のこともある。熊が撃てるようになるためには鹿からステップアップが基本なので…10年くらいかけるつもりで長期育成しないと…。

近年では街路樹を伐るというだけで反対運動が起きたりするが、木は古くなったら新しいものに植え替えなければ樹勢の衰えた老木のせいで若く生き生きとした緑が育たない。それと同じで山も、意図的に木を育て、メンテしていくからこそ豊かに保たれる。

我々登山者も、山を踏み荒らすだけではなく、どうすれば将来に山を残していけるのか、という視点で、少し考えてみてもいいのではないかと思うのだ。
というわけで、まずは出来るところから。鹿の侵入防止用に里山の入口に作られてる鹿柵は、出入りの際にきっちり閉めようね!