アメリカ先住民1万年以上前からサイコロを使っていた!→「サイコロ」という概念の定義の問題では…
世界最古のサイコロが見つかった! みたいな記事を見つけて、ちょっと中身を調べに行ってみたのだが、結論を簡単にまとめると、
・新たに発見された遺物の話ではなく既に見つかっている遺物の新解釈
・1万2千年ほど前に見つかった遺物が、近代のネイティブ・アメリカンの使っていたダイスによく似ているため、ダイスと定義づけられるのではという論文が出た
・一般的な「サイコロ」のイメージとは異なり、二面ダイス、つまりコインの裏表で判別するようなタイプ
である。
元の論文はこれ
Probability in the Pleistocene: Origins and Antiquity of Native American Dice, Games of Chance, and Gambling
https://www.cambridge.org/core/journals/american-antiquity/article/probability-in-the-pleistocene-origins-and-antiquity-of-native-american-dice-games-of-chance-and-gambling/E38C7B1F4CE7F417D8EFAC5AFEEF20A2
分析された遺物の一例がこれ

サイコロの祖先って言われると、まあそう見えなくもない…が…微妙だな…なんとでも取れるんじゃあ…という感じ。
そもそもの元になっている研究は、スチュワート・キュリン(Stewart Culin)という人物の代表作「北米インディアンのゲーム」という本らしい。この本が出たのは1907年。その当時のアメリカ全般のネイティブ・アメリカンには広くサイコロ文化があったとのことで、使われていたいろんなサイコロの一覧が図示されている。
それらと遺物を比較して、1万年以上前の遺物がこのダイスの系統ではないか、という話である。

似てると言われれば似てはいるけど、これ…「サイコロ(ダイス)」という言葉の定義の問題では…? という印象。
この遺物が仮にサイコロ的な使われ方をしていたとしても、証明するすべがない。いわゆる「サイコロ」の定義として、ゲームに使ったかどうか分からない。単なるアイコンとか飾りとか、通過的な使われ方だったとか、色んな可能性は考えられる。
そして、1万年以上前に北米にいた人々と、近代のネイティブ・アメリカンの各部族の間に明確なに血縁なり文化の敬称なりがあったという、確固たる証拠もない。
何しろ1万年である。
渡来人はあれど人の入れ替わっていない日本ですら、1万年前の縄文時代と現代の日本人との間で「特定の娯楽道具の使い方や作り方」のようなピンポイントな文化の継承があったとは到底言えない。血の繋がりはあったことがわかるが、縄文時代から近代まで続いているものを挙げることは、ほぼほぼ無理だ。
なのに北米では特異的にロングスパンの文化継承が可能で、ネイティブ・アメリカンのサイコロ文化が1万年前から続いていたと信じられるだろうか。
説としては面白いところがあるけれど、ちょっと眉に唾つけないと受け入れられないな。と思った。
というか、ニ面ダイスと見せかけてソーマトロープだった遺物の事例もあるので、そもそも二面ダイスなのかどうかの話からはじめたほうがいいのでは。
・新たに発見された遺物の話ではなく既に見つかっている遺物の新解釈
・1万2千年ほど前に見つかった遺物が、近代のネイティブ・アメリカンの使っていたダイスによく似ているため、ダイスと定義づけられるのではという論文が出た
・一般的な「サイコロ」のイメージとは異なり、二面ダイス、つまりコインの裏表で判別するようなタイプ
である。
元の論文はこれ
Probability in the Pleistocene: Origins and Antiquity of Native American Dice, Games of Chance, and Gambling
https://www.cambridge.org/core/journals/american-antiquity/article/probability-in-the-pleistocene-origins-and-antiquity-of-native-american-dice-games-of-chance-and-gambling/E38C7B1F4CE7F417D8EFAC5AFEEF20A2
分析された遺物の一例がこれ
サイコロの祖先って言われると、まあそう見えなくもない…が…微妙だな…なんとでも取れるんじゃあ…という感じ。
そもそもの元になっている研究は、スチュワート・キュリン(Stewart Culin)という人物の代表作「北米インディアンのゲーム」という本らしい。この本が出たのは1907年。その当時のアメリカ全般のネイティブ・アメリカンには広くサイコロ文化があったとのことで、使われていたいろんなサイコロの一覧が図示されている。
それらと遺物を比較して、1万年以上前の遺物がこのダイスの系統ではないか、という話である。
似てると言われれば似てはいるけど、これ…「サイコロ(ダイス)」という言葉の定義の問題では…? という印象。
この遺物が仮にサイコロ的な使われ方をしていたとしても、証明するすべがない。いわゆる「サイコロ」の定義として、ゲームに使ったかどうか分からない。単なるアイコンとか飾りとか、通過的な使われ方だったとか、色んな可能性は考えられる。
そして、1万年以上前に北米にいた人々と、近代のネイティブ・アメリカンの各部族の間に明確なに血縁なり文化の敬称なりがあったという、確固たる証拠もない。
何しろ1万年である。
渡来人はあれど人の入れ替わっていない日本ですら、1万年前の縄文時代と現代の日本人との間で「特定の娯楽道具の使い方や作り方」のようなピンポイントな文化の継承があったとは到底言えない。血の繋がりはあったことがわかるが、縄文時代から近代まで続いているものを挙げることは、ほぼほぼ無理だ。
なのに北米では特異的にロングスパンの文化継承が可能で、ネイティブ・アメリカンのサイコロ文化が1万年前から続いていたと信じられるだろうか。
説としては面白いところがあるけれど、ちょっと眉に唾つけないと受け入れられないな。と思った。
というか、ニ面ダイスと見せかけてソーマトロープだった遺物の事例もあるので、そもそも二面ダイスなのかどうかの話からはじめたほうがいいのでは。