「紙の書籍」と「電子書籍」のはざま オンデマンド出版が便利すぎる。絶版本ぜんぶこれで出してほしい

プリント・オンデマンド、いわゆるPOD出版について。

こちらの写真は、先日エジプトのお話を書く時にAmazon資料として買った本である。中身は英語。
しかし2日で届いた。発送元は日本のアマゾン流通センター。

kqft.png

データ自体は全世界共通でアマゾンのサーバー上にあり、注文が入った国で1冊ぶんだけ印刷して、注文者の地元から発送しているから早いのである。最後の部分に日本語が書かれている。

2f.png

これが「POD出版」。Amazonだと英語書籍でもペーパーバックを選択すれば2日でこれが届く。輸入で1ヶ月半くらいかかってた頃に比べれば雲泥の差、しかも電子書籍を選択しなくても読みたい時にすぐ手に入る。
英語力がゴミすぎて書き込みしながらじゃないと読めない私にはありがたすぎる仕組みである。

これは電子データで購入したものに印刷サービスがついてくるようなイメージであり、消費者の手元に届くのは「紙の書籍」だが、出版形態としては「電子出版」だ。


つまり従来の、「紙の書籍を買うか、電子書籍か」などという議論はもう古いのだ。
どこの出版社でも、いまは本の内容はデータで保存する時代になっている。単に、そのデータの売り方の選択が違うだけか。

その書籍データを出版社が自前で個別に印刷して売るのか、オンデマンドで注文が入るたびに印刷して売るのか。
また、消費者はその買ったデータに対して紙に印刷するオプションを選択するか、データのまま入手するのを選択するか。
という違いでしかない。



オンデマンド出版のメリットはもちろん、

・絶版がない。サーバ上にデータがある限り売り続けられる。
・品切れもない。注文が入ったぶん印刷する。
・在庫で倉庫を圧迫しないので商売する側にとっても楽。

だろう。
対してデメリットは、

・決まったフォーマットに印刷するだけなので、文庫レーベルごとの特徴を出しづらい
・美麗な包装や本のデザインを楽しむことは出来ない
・プレミアムのつくような特別な本には向かない

である。

逆に言えば、このメリット・デメリットを鑑みるに、今後は「新書」とか「文庫版」とか言われているたぐいの本はすべてオンデマンド出版に移行したほうが売りやすいはずだ。ていうかこっちも品切れとか絶版を気にせず読めるのでいい。
本屋にいって探すのもまあ楽しいっちゃ楽しいんだけど、最近出た本とか人気の本しかないから、10年前に出たマイナーな本を探すとなると、図書館のやたら線引きされた本を掘り出すしかなかったりするのが困る。


海外展開で世界中どこでも…というのは世界的に展開してる巨大企業だから出来ることだが、せめて日本国内で流通している日本語の本くらいは、出版社がいくつか集まって共同でオンデマンド出版してくれんかなあと思う。
最近は文庫の電子書籍販売も増えてはいるけれど、資料として使う本は紙のほうが使い勝手いいので…。あとマジ、過去の絶版しちゃった岩波文庫とかオンデマンドで出してくれんかな。狂ったように買うぞ、私とかが。

権利の問題もあるのだろうが、町の本屋には新刊がある場所、オンデマンドは絶版した古い本がある場所、みたいなすみ分けでもやっていけないのか。出版業界は今後を見据えてそろそろ動き出してもいいんじゃない?(もう動いてるのかもしれないけどそんな話は聞かないので) と思うのだ。