マールブルグウィルスはどのように広がるか。保菌コウモリの洞窟にカメラを仕掛けた結果…

「エジプト」ってキーワードに引っかかってきたけど国のエジプトじゃなくて「エジプトオオコウモリ」だった。でも面白そうだったので読んでみた。

Multi-species foraging on a Marburg virus bat reservoir
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(26)00230-7?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982226002307%3Fshowall%3Dtrue

この研究は、ウガンダのクイーン・エリザベス国立公園で行われたコウモリの巣になっている洞窟の長期継続観察のフィールドワーク。その洞窟に住むコウモリたちは、マールブルグウィルスの保菌者(キャリア)であることが分かっているのだ。

このウィルスは、マールブルグ病の原因になる。たまーに「アフリカでマールブルグ病の患者が発生しました」とかニュースになっているのを聞いたことがあるのではないだろうか。直近だとエチオピアで集団感染したニュースが流れていた。
どういう病気かついては、以下を参照。

JIHSのインデックスより: マールブルグ病
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/marburg-virus-disease/detail/index.html

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上記の記事にある「ウガンダでオオコウモリが生息する洞窟を訪れ~」とあるのが、今回の調査対象の洞窟だ。なので、すべてのエジプトオオコウモリが保菌者というわけではないが、この洞窟のエジプトオオコウモリは保菌者であることが判明している群れである、ということ。

で、その洞窟にカメラを仕掛けてみたら、いろんな動物がコウモリを食べに出入りしてたぞ、というのが今回の論文。
まさかの人間も、その「いろんな動物」の中に入ってた、というのがオチなのであるが。

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さすがに、表の中に人間はカウントされていないが、22 回にわたって214人の人間 (学校グループ、研究者、観光客) が洞窟間際まで近づき、しかもマスクを着用していたのは観光客1名のみとのこと。
うーん…w

中間保菌者とかいらねえ…直接人間が洞窟の見学に来てる…そいつらが感染したら終わりだよ!
論文タイトルはMultiだけど、実際重要なのはSingleなんじゃないか…?w

オオコウモリがもともとの保菌者だと判明したのは2007年なので、もう20年近く経っている。致死率もけっこう高いことが分かっている。なのに洞窟に近づく観光客や学生がいるのだから、安全意識とかあまりにも軽すぎる。
どおりで定期的に「集団で発生しました」「死亡者出ました」のニュースが流れるわけだよなあ、と…。


とはいえ、人間以外の動物もかなり意外なメンツである。
ビデオ映像が論文についているので見てみたら、ヒョウとかオオトカゲとかサルとか猛禽類とか、とにかくいろんな動物が洞窟中に入り込んではコウモリを捕食している。とくに、オオトカゲがヒョイパクってコウモリ食べてるのはビビった。トカゲってコウモリ食べるんだ…?

人間が出入りしなくても、それらの動物を介して洞窟外に持ち出されたウィルスに暴露する可能性もあるわけで、まあ…最大限に援護するならば、この洞窟付近はあまり観光しないほうがいいんじゃないかな、という印象。

実際、この論文の〆は「洞窟の周辺には訓練された監視員を置いたほうがいい」となっているので、観察者も同じようなことを思ったのだろう。エコツアーとかいうカッコいい名前に惹かれて、致死率の高い病原体の巣窟に近づくのはオススメできない…。