時は「駆け去る」、古代エジプトの「時」という言葉について

日本語には「光陰矢の如し」という言葉がある。もともとは中国から来た言葉らしいのだが、これは、時というものは矢の飛び去るように早く過ぎてしまうという比喩表現だ。光陰は昼と夜を指している。

翻って、古代エジプト語でも、時間に関わる言葉には「月」「星」「太陽」の決定詞がついている。「一年」「一ヶ月」「一週間」「一日」のような、暦に関わる単語にはすべて天体の決定詞がついているので、月齢や太陽の周期の観測から暦が誕生したんだな、ということが分かる。

だが、「一時間」に該当する「時間」という単語を見てみると、面白い文字が入ってる。
野ウサギである。

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ウサギの文字は読み方が「ウヌ」なので、ウヌトという言葉を表現するためにこの文字を使うのは当然なのだが、ちょっと面白いなと思ってしまった。
なぜなら古代エジプト人の概念では、野ウサギは「素早きもの」だからだ。もしかしたら、この文字を使う時、古代人も「時の過ぎるのは早いよなあ」と思っていたかもしれない。

矢の如き「時」は飛び去る。野ウサギの如き「時」は駆け去る。
そして、駆け去る「時」には「光陰」の「光」である太陽の決定詞が添えられている。

感覚的に共通する部分もありつつ、ちょっと違う部分もある。面白い発見であった。