ドイツで市庁舎建て替え中に見つかった中世のおトイレに埋もれていた個人手帳。拾えなかったのか…

すごく保存状態のいい遺物なのに、見つかった場所が悲しすぎる。

ドイツ西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州のパーダーボルン市で、行政本部(市庁舎みたいなものか)の建て替えのため敷地の考古学調査をしていたら、13-14世紀ごろのおトイレの跡が見つかったらしい。で、そこから排泄物だけではなく、ものすごく状態のいい蝋引きのノートが見つかったのだそうだ。

A notebook from the 13th century still legible and pieces of silk used as toilet paper discovered in a latrine in Paderborn
https://www.labrujulaverde.com/en/2026/05/a-notebook-from-the-13th-century-still-legible-and-pieces-of-silk-used-as-toilet-paper-discovered-in-a-latrine-in-paderborn/

蝋引きのノートってなんぞや? と思うかもしれないが、コレ↓である。
中国で紙が発明されて広まるまでの間に使われていたもので、板に蝋を塗ったところに金属のペンでガリガリ引っ掻いて文字を書く。蝋を均すと文字が消えてしまうので本などには使えず、一次書きのメモ帳として使われた。表紙のサイズで10x7.5cm、かなり小さなものである。

hjeyhj.png

見ての通り、かなり状態がいい残り方をしている。手帳を入れた皮ポーチも、表紙の装飾も、各ページに書かれた文字もきちんと残っていて、おそらく裕福な商人のものだろうという。
小型のショルダーバックに入れてたようなので、なんでトイレに落ちてたのかは分からないのだが、バッグを外したところをうっかり落としたのか、誰かが嫌がらせでトイレに捨てたのかもしれない。まあなんか、トイレの構造からしてうっかりくさいんだけど。
無くした持ち主はかなりショックだったことだろう。
ていうか…高価そうな品なのに、さすがにボットン便所の中をさらってまで拾う気概は無かったのか…w

書かれているのはラテン語らしく、これから分析して書かれている内容を明らかにするそうだ。これだけ状態のいい個人の書き物が出てくるこことはめったに無いので、解読結果が楽しみ。「狼と香辛料」みたいな内容が書かれていると中の人が喜びます。


+++
ちなみに、蝋引きのメモは古代エジプトでもプトレマイオス朝~ローマ支配時代には既に存在していた。古代エジプト語は書きづらいので、主にギリシャ語アルファベットの筆記に使っていたようだ。

中世ヨーロッパ風の作品はなぜか最初から紙がある世界観でやっちゃってるのが多いけど、中世初期っぽいのやるなら羊皮紙+一次書きは蝋引き板のほうが味が出るのでは…とも思う。