ご先祖様は昆虫食をしていたか? という論文がツッコミどころ多くて苦笑い これ…昆虫食っていうよりアレだよね…

「来る食糧危機のために昆虫食は推奨されている、だがヨーロッ人は虫を食いたがらない…そこで! 古代ヨーロッパ人が昆虫を食していたかどうかを明らかにする!」という、めちゃくちゃ大人の事情臭ただよう論文が出ていたのだが、「古代人は虫を食べていた! だから安心して昆虫食進めていこうねッ!」という結論じゃないあたりが半笑いになってしまう。

なんつーかまあ…うん…。
わりと身も蓋もない結果出してきてるなあ…。

Genomic evidence for limited entomophagy in ancient Europeans
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aec6939

結論から言うと、古代のヨーロッパ人は「昆虫は食べてた」。ただし「食べようと思って食べてたわけじゃなく食い物に一定量混じってた」。
オエってなりました? うん。でも古代ってそんなもんだよ。ていうか中世ヨーロッパでも現実はそんなもんだよ。


調べ方は、古代人の歯にこびりついている歯石に含まれる食べかすに含まれるDNAの検出。それもミトコンドリアDNAを使って、だいたいの種族を特定していくやり方だ。ヒトだけでなくゴリラやチンパンジーも調べて比較している。

たとえば、ネアンデルタールからは、Cricotopus(ホシチョウバエ)、Cricotopus trifascia (ミツオビツヤユスリカ)のミトコンドリアDNAが出てきているようだが、どう考えても前者は腐った食べ物に湧いていたウジ由来。後者はボウフラ湧いてる水を飲んだのではないだろうか…。
他にもエジプトのミイラからカツオブシムシが出ているらしいが、これも干物とかに湧いてくるやつ。

ただし、ハエやゴキブリなどは、博物館に骨が収蔵されたあとに標本の上を這いずり回ったやつがいるかもしれないため、実際には検出結果が間違っているかもしれないのだが。


と、まあ、もしこれが正しく検出された結果なのだとしても、不可抗力で虫食べちゃってましたあ~としか言えない。「昆虫食の忌避が古代に遡るかどうかを考察する(キリッ)」じゃないだろろ、どう考えてこれ衛生概念の変化のほうがデカいだろ、とツッコみたくなる。
まあ古代人、昆虫も食えなくはなかったと思うんですよ。ウジ湧いた肉、現代人なら捨てるけど、古代人なら焼けばノーカンっつって迷わず食うだろうし。まだ食えるものを捨てるなんてのはごくごく最近の人類史でしか出てこない選択肢ですよ…。

そんで、アジアやオセアニアではわりとポピュラーな昆虫食がヨーロッパではあまり行われてこなかったのは、ヨーロッパは寒冷な時代が長く、そもそも昆虫の種類や数が少ない時代が続いてきたからではないかと思う。

アジアに比べるとヨーロッパの昆虫の種類・量は格段に少ない。そして大型の昆虫も少ない。食糧不足の際のタンパク源にはなり得なかったからこそ、文化として発展しなかったのではないか。だとすれば、環境要因で昆虫食は「したくでも出来ない」「そもそも選択肢に上がらない」状態だったのではないだろうか。

なんつうか、目的と調べ方が微妙にちぐはぐというか、「これで昆虫食が推進されるかっていうと、推進されないと思うよ…」としか言えない。
まあそもそも君たち飯を食べ残す文化からどうにかしたほうがいい。旅行に行くと、レストランで大量に食べ残して酒ばっか飲んでるのとかよく見るからさ。食糧危機の話は「もったいない」を理解してからでも遅くはないと思うよ。