白亜紀と古第三紀の間の大量絶滅、実は海洋生物には影響無かった…? エジプト東部砂漠の発掘から

エジプトで発掘、というと古代エジプトのイメージが強いと思うのだが、実は恐竜の時代やそれ以前の化石も多く発見されている。
有名なところだと西部砂漠にある、ワディ・エル・ヒタン(通称:クジラの谷)。ここは大昔に海だったため、巨大なクジラの祖先の骨がたくさん埋まっている。

で、今回流し見してて見つけたのは、ナイル川の反対側、東部砂漠での発掘だ。

Rise of modern marine fishes captured in an early Paleocene Lagerstätte
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aec8978

実はエジプトの東部砂漠は、貴重な、恐竜大量絶滅の時代の「海の生物の」化石が出るのだという。
巨大隕石の衝突によって発生したとされる、この白亜紀と古第三紀の間の大量絶滅の大量絶滅の時代には、地球上の種は約75%が消えたとされる。恐竜の仲間だけでなく、哺乳類も消えた。

地球環境が大きく変わったことが示唆される一方で、海のほうはどうなっていたかよく分かっていなかったのだが、エジプトでの化石発掘結果からして、どうやら「適応できたスズキ目の魚はこの時代から大繁栄に入った」という結果になったようだ。
現代の魚はスズキ目のものが圧倒的に数多いようなので、気候変動の確変によってライバルが消えたことが引き金になっていた可能性が出てきた。

ちなみに、論文内に出てくる「ダニアン期」とは、大量絶滅後の古第三紀はじめに当たる時代だそうで、この時代の海洋生物を調べられる場所は3個所しか見つかっていないらしい。
その中でもエジプトは、豊富な出土があって調査にいいんだとか。

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三つの遺跡で比べると、低緯度のかつて熱帯だった場所でスズキ目が顕著に多く、高緯度になってくると少ないとなるようだ。
まあ三箇所しか調べられてないので、どこまで地球規模に適応できるかは分からないが、これだけ差が出ると何か意味はありそうだ。

ただ、「スズキ目」自体かなりアバウトな分類をしている面もあるらしく、そもそもスズキはスズキ目じゃなかったとかいう話も最近出ているようだ。たとえば、以下の記事。

魚類最大のグループ「スズキ目」から『スズキ』が脱退? 分類調査の科学技術進歩が理由
https://tsurinews.jp/387552/

なので、単純に「スズキ目の繁栄は大量絶滅後から」と言っていいのか、スズキ目の中のどのへんの話してる? ということと、世界全体で動揺の傾向になっていたのか、という点はこれからの議論になっていくと思う。

また、そもそもエジプト東部砂漠は紅海に面した場所なのだが、紅海自体が特殊な環境だった可能性も捨てきれない。
4年ほど前に書いたものなのだが、地球が温暖化して紅海の水温がかなり上がっていたと思われる時代にも、かなりの数の魚の化石が出ているにしいのだ。

太古の温暖化と海の記録 エジプトの東部砂漠から
https://55096962.seesaa.net/article/202106article_1.html

魚の数が多すぎて化石の数も多い、もしくは魚の数に対して残る量が異様に多い、とかいう特殊環境だった可能性も…。
そのへん、古生物学は知見ないので専門の人にツッコんでもらいたいところ。


まあ、それはそうとして、古代の魚も美味しそうですよね(おい)
見た目が現代とちょっと違ってたくらいなら、余裕で食えるな。魚は改良もせず野生動物のまま美味いからいいよね。たまに毒あるけどね。

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