古代エジプトの書記はえっちな文書で外国語の練習をしていたかしれない…アマルナ文書に含まれる「スカラリー=タブレット」から

古代エジプトの宮廷では、一部、外国語も使われていた。新王国時代以降、外国とのやり取りも増えるからである。
アッカド語が記された粘土板もアマルナの宮廷から見つかっており、まとめて「アマルナ文書」という名前で呼ばれている。この文書の中には、メソポタミア神話に分類される「ネルガルとエレシュキガル」のエピソードも混じっている。

エジプトだけどメソポタミア神話! 「ネルガルとエレシュキガル」を読んでみよう
https://55096962.seesaa.net/article/201506article_9.html

この神話は、とてもつおい冥界の女神エレシュキガルが、無礼な若い男神ネルガルに惚れてしまい「お願い! 抱いて!」な展開になるちょっとエッチなやつで、なんでまたこのエピソードを宮廷に保管したんだ…とは思っていたのだが、どうもこれ、書記が語学の練習に使っていた「スカラリー・タブレット」に含まれるらしい。

つまりエジプトの書記、えっちな神話でアッカド語の練習してた。

うーん!w これはアレかエロゲで日本語覚えるとか、そういう系の…。

記憶と慣行の西洋古代史: エジプトからローマまで (同志社大学人文科学研究所研究叢書 59) - 中井 義明, 堀井 優
記憶と慣行の西洋古代史: エジプトからローマまで (同志社大学人文科学研究所研究叢書 59) - 中井 義明, 堀井 優

この話は、↑の本を読んでた時に出てきた。
エジプトの書記は、どうやって外国語を覚えたのか? という部分で、おそらくエジプトにアッカド語のわかる書記が来ていたのだろうという。また逆にエジプト語の分かる書記が外国に出向いていたかもしれず、東地中海世界では、高度技術人材ほど流動性が高かった可能性があるという。
これはなかなか面白い視点。新王国時代のエジプトにおけるガラス製造技術や織物も、ガラス製造職人や織物職人を西アジアから連れてきて発展したものとされているので、書記も勧誘ないし戦争捕虜として、高い価値を持っていたのだろうなと思う。

アッカド語以外にも、フリ語、そしてヒッタイト語などの文書もアマルナから見つかっているが、これらの言語を使う国とやりとりしていたのだから当然と言える。言葉がわからないと国交も結べない。バイリンガルの書記や通訳はかなり価値のある人材だったのではないだろうか。

そしてエジプトの書記たちも、外国語が使えれば王宮でより高い地位を得られるので、頑張って言語学習していたのかもしれない。
とはいえ楔形文字の言語だと、言語体系どころか筆記具すら違うので…多少なりともモチベ上げる必要は…あったんじゃないかな。

もしかしたら、残っていないだけで、逆にエジプトからヒッタイトの宮廷に出向いてた書記がエジプト神話をヒッタイトに輸出してたとかあり得るのかしれない。

なおアマルナ文書に出てくる他国の言語、アッカド語やフリ語などは、エジプト語訛りになっているのでエジプト語ネイティブが書いたなっていうのが分かるらしい。訛りとかあるんだ…というのは面白い気付きだった。
古代エジプト、まだまだ知らないことがいっぱいあって楽しい。