「天は赤い河のほとり」がアニメ化したので、ヒッタイトの基本事項を少しだけ
ヒッタイトが舞台の少女漫画、「天は赤い河のほとり」がアニメ化した。あれは一時期流行った「異世界召喚もの」の亜種で、異世界ではなく古代にタイムスリップというパターンのやつなのだが、現実のヒッタイト帝国とはかなり違うため、ほぼ異世界と言っていい。ヒッタイト風異世界。
今だと、資料がインターネットで豊富に手に入り、研究も進み、一般書も出版されているのだが、原作が連載されていた時代がだいぶ昔なので、今と違って情報が少なく、限られた情報を想像力で膨らませてああなったんだろうな…というところもある。(そもそもヒッタイトってメソポタミアの神の信仰はメジャーじゃないのでは? とか)
だが、そんなのいちいちツッコんであげつらっていくのは楽しくないので、「興味持ったなら、ついでに資料見てみない? こっちにおいで💛」という方向で行こうと思う。
●ヒッタイトのほん
最近出た一般向けの本はこれ。とりあえず概要はこれを読めばOK。
逆に言うとこれ以外でいま簡単に手に入る本はない…。図書館に行けば古い本が残っているかも。

ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像 (PHP新書) - 津本 英利
中の人が持っている写真多めの資料集はこれ。どうしても資料が欲しくて通販でお取り寄せした。
より多くの情報が欲しい気合の入ったマニアは通販で探しましょう。海外のほうが圧倒的に資料多いです。グーグルレンズで翻訳すればなんとなく読めるし。

●ヒッタイトの場所
首都はアナトリア北部、黒海に近いところ。黄色い範囲がおおよその帝国版図。黒海沿岸にも地中海沿岸にも南側にも別の国があり、敵に囲まれた状態で存続していた国なのである。
それと、何度か言っているが、エジプトの隣の国だったことはない。属国を含む勢力範囲がエジプトと隣接したことがある、というだけだ。シリア・レバノンあたりは小国が興っては消え、周囲の色々な大国についたり裏切ったりしながら存続していた。

●リアルで見るヒッタイト人の格好
で、ここからが本題というか今回いちばん伝えたいところなのだが、ヒッタイト人のリアルの格好、実はマンガとは全然違う。
古代エジプトや古代メソポタミアもそうなのだが、偉い人ほど手の込んだ髪型をしている。つまり編み込みをしたり、カツラでボリュームを増したり、髪染めで色をつけたり。ヘアスタイル=身分を表すもの、でもある。
なので何も手を入れていない髪型をしてるような偉い人は、ほぼ居なかったと思われる。
こちらはカルケミシュ出土のヒッタイト帝国滅亡後のレリーフだが、髪の毛がパーマあてたみたいになっているのが分かると思う。
すんごいきれいな天パだった可能性もあるが、髪の毛を巻いてたかもしれない。古代世界にもパーマはあり、器具に髪の毛を巻き付けて泥で固めてから洗い流すという方法を取っていたようだ。

こちらはジンシルリ出土のレリーフ、場所的にほぼメソポタミア圏なので服装などはメソポタミア(というか隣のアッシリア)寄り。花を掲げているポーズはエジプトに似ている。髪の毛のすそを長く垂らしているのはヒッタイトでよく見るタイプの髪型で、おそらく偉い人はこの髪型が多かったのではないかと思う。ヒゲまで編み込んであるのはなかなかのおしゃれさん。

髪の毛の襟足を垂らす髪型は、こちらが分かりやすい。この長く垂らして先っぽクルンとしてるのが出てきたらヒッタイト。
お帽子もかわいらしいですね。こういう四角いフェズ帽みたいなのもよくレリーフで見かけるやつ。

髪型へのこだわりが見られる彫刻としてはこちらなども。くるくるの、丁寧にセットされた髪型がおしゃれ。
髪型やお鬚にこだわって美容師さんにセットしてもらえるのは偉い人の特権ですからね。(ちなみに古代エジプトは美容師に近い職業がありました)
カツラがあったかどうかは資料には書かれていないので、たぶん地毛?

ヒッタイトの美術は、メソポタミアとエジプト両方からの影響を受けているので、どちらにも似ている。
描き方のスタイルは両者に合わせつつ、身に着けているものはローカライズしているパターンが多いので、髪型や服装にはヒッタイト特有のものも多い。
メソポタミアのアプカル(精霊)に似せた図、帽子が特徴的。

エジプトの墓の壁面の彫刻に似た浮彫りの像、これも帽子が独特。
エプロンみたいな前掛けはちょっとかわいい。

とまあ、いろんな髪型や衣装が残っているので、実際はマンガにあるようなシンプルな格好はしてないんすよー。というお話。
もちろん、これリアルでやると作画コストが大変なことになるので…w
神官の衣装と王族の衣装を描き分ける、とか、アッシリア人とハッティ人とエジプト人留学生を描き分ける、とか、こだわりだすと大変なことにもなりますしね。
(ただ、知ってて省略するのと、調べもせずに適当かますのは全然違うぜ。というのも、こそっと言っときます…。)
今だと、資料がインターネットで豊富に手に入り、研究も進み、一般書も出版されているのだが、原作が連載されていた時代がだいぶ昔なので、今と違って情報が少なく、限られた情報を想像力で膨らませてああなったんだろうな…というところもある。(そもそもヒッタイトってメソポタミアの神の信仰はメジャーじゃないのでは? とか)
だが、そんなのいちいちツッコんであげつらっていくのは楽しくないので、「興味持ったなら、ついでに資料見てみない? こっちにおいで💛」という方向で行こうと思う。
●ヒッタイトのほん
最近出た一般向けの本はこれ。とりあえず概要はこれを読めばOK。
逆に言うとこれ以外でいま簡単に手に入る本はない…。図書館に行けば古い本が残っているかも。

ヒッタイト帝国 「鉄の王国」の実像 (PHP新書) - 津本 英利
中の人が持っている写真多めの資料集はこれ。どうしても資料が欲しくて通販でお取り寄せした。
より多くの情報が欲しい気合の入ったマニアは通販で探しましょう。海外のほうが圧倒的に資料多いです。グーグルレンズで翻訳すればなんとなく読めるし。
●ヒッタイトの場所
首都はアナトリア北部、黒海に近いところ。黄色い範囲がおおよその帝国版図。黒海沿岸にも地中海沿岸にも南側にも別の国があり、敵に囲まれた状態で存続していた国なのである。
それと、何度か言っているが、エジプトの隣の国だったことはない。属国を含む勢力範囲がエジプトと隣接したことがある、というだけだ。シリア・レバノンあたりは小国が興っては消え、周囲の色々な大国についたり裏切ったりしながら存続していた。
●リアルで見るヒッタイト人の格好
で、ここからが本題というか今回いちばん伝えたいところなのだが、ヒッタイト人のリアルの格好、実はマンガとは全然違う。
古代エジプトや古代メソポタミアもそうなのだが、偉い人ほど手の込んだ髪型をしている。つまり編み込みをしたり、カツラでボリュームを増したり、髪染めで色をつけたり。ヘアスタイル=身分を表すもの、でもある。
なので何も手を入れていない髪型をしてるような偉い人は、ほぼ居なかったと思われる。
こちらはカルケミシュ出土のヒッタイト帝国滅亡後のレリーフだが、髪の毛がパーマあてたみたいになっているのが分かると思う。
すんごいきれいな天パだった可能性もあるが、髪の毛を巻いてたかもしれない。古代世界にもパーマはあり、器具に髪の毛を巻き付けて泥で固めてから洗い流すという方法を取っていたようだ。
こちらはジンシルリ出土のレリーフ、場所的にほぼメソポタミア圏なので服装などはメソポタミア(というか隣のアッシリア)寄り。花を掲げているポーズはエジプトに似ている。髪の毛のすそを長く垂らしているのはヒッタイトでよく見るタイプの髪型で、おそらく偉い人はこの髪型が多かったのではないかと思う。ヒゲまで編み込んであるのはなかなかのおしゃれさん。
髪の毛の襟足を垂らす髪型は、こちらが分かりやすい。この長く垂らして先っぽクルンとしてるのが出てきたらヒッタイト。
お帽子もかわいらしいですね。こういう四角いフェズ帽みたいなのもよくレリーフで見かけるやつ。
髪型へのこだわりが見られる彫刻としてはこちらなども。くるくるの、丁寧にセットされた髪型がおしゃれ。
髪型やお鬚にこだわって美容師さんにセットしてもらえるのは偉い人の特権ですからね。(ちなみに古代エジプトは美容師に近い職業がありました)
カツラがあったかどうかは資料には書かれていないので、たぶん地毛?
ヒッタイトの美術は、メソポタミアとエジプト両方からの影響を受けているので、どちらにも似ている。
描き方のスタイルは両者に合わせつつ、身に着けているものはローカライズしているパターンが多いので、髪型や服装にはヒッタイト特有のものも多い。
メソポタミアのアプカル(精霊)に似せた図、帽子が特徴的。
エジプトの墓の壁面の彫刻に似た浮彫りの像、これも帽子が独特。
エプロンみたいな前掛けはちょっとかわいい。
とまあ、いろんな髪型や衣装が残っているので、実際はマンガにあるようなシンプルな格好はしてないんすよー。というお話。
もちろん、これリアルでやると作画コストが大変なことになるので…w
神官の衣装と王族の衣装を描き分ける、とか、アッシリア人とハッティ人とエジプト人留学生を描き分ける、とか、こだわりだすと大変なことにもなりますしね。
(ただ、知ってて省略するのと、調べもせずに適当かますのは全然違うぜ。というのも、こそっと言っときます…。)