一見地味だがやってる内容が手間かかりまくり、チチカカ湖の水中考古学
なんとなく流し見していた論文リストの中に、「チチカカ湖の水中からティワナク文化の遺物を拾ったよ」というものを見つけた。
ふーんと思いながら通り過ぎようとして気がついた、…ちょっと待て、…チチカカ湖って標高3,000m越えてる場所なんだが? そこで水中に潜って調査した?? え、どうやって?
というわけで、じっくり読んでみた。
まあやってることは地味なんだけど、めちゃくちゃ大変だぞこれ。
Underwater ritual offerings in the Island of the Sun and the formation of the Tiwanaku state
https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1820749116
まずチチカカ湖は、南米のアンデス山脈の上の方にある。ペルーとボリビアの境目。
インカ支配層のルーツはチチカカ湖周辺と言われておれ、インカ帝国以前の「プレ・インカ」と呼ばれる時代に、この場所にティワナク文化が栄えていた。ティワナクとインカが直接つながるものかどうかは分かっていないが、少なくとも文化的に影響は与えており、後のインカに引き継がれるモチーフも既に登場している。

で、この湖、ティワナクの時代に聖なる湖としてお供えとか投げ込んでいたらしいのだが、そのお供えの地層を調査すれば、いつから儀式が継続されていたのか、どういうものをお供えにしていたか、分かるんじゃない? というのが、この論文である。
簡単そうに聞こえるが、湖の底に潜って堆積物を上から順番に整理していくことになるので、めちゃくちゃ手間のかかっている調査である…。
調査したのが2013年、論文が出たのが2019年になっているが、情報の整理にも時間がかかってそう。

・水深は標高3,809.7m(湖面)を基準として測定 ←ヒェッ…
・湖底堆積物の試掘(ボーリング調査)
・岩礁および発掘区のソナー走査と水中3D写真測量によるマッピングで地形を作成
・基準点(金属杭:A~F)の位置を地理情報システム(GIS)上にマッピングして、遺物を見つけた場所を特定
・3箇所ほど水中の発掘区を設定して地上と同じように地層を剥がしていく
やってることは順当なのだが、これ水中でやったのかあ…お疲れ様…という感じ。
琵琶湖の発掘でも似たような手法でやってるのは見たことがあるけど、富士山より高いところでやれって言われたら地元民以外は迷うんじゃないかな。まず空気が薄くて地上ですらまともに動けないのに、水中で長時間の作業やるとか、過酷すぎる。
で、湖底からは当然、湖に住んでいる魚の骨とか、無関係なものもたくさん出てくるので、関係ありそうなものを選り分けることになる。
そうして見つかったのがコレ。

つぼみたいなものは、実際には香炉。ネコ科動物(ピューマ)を模した香炉がたくさん出ているそうだ。これはティワナク文化に特有のもので、地上の遺跡で香炉が出土する年代と、湖から出てくる年代はリンクしている。
また、ラクダ科動物の骨が出ており、おそらく生贄にされたリャマだろうとのこと。
200年くらいのあいだ儀式を続けていた痕跡があるらしい。
これ単体だと大きな発見ではない研究なのだが、アンデス高地でも水中考古学の手法が有効というのは面白かった。湖の底に眠る古代の遺産、と言えば、ちょっとワクワクするところ。
まあ…調査は…大変すぎますけどね…。
ふーんと思いながら通り過ぎようとして気がついた、…ちょっと待て、…チチカカ湖って標高3,000m越えてる場所なんだが? そこで水中に潜って調査した?? え、どうやって?
というわけで、じっくり読んでみた。
まあやってることは地味なんだけど、めちゃくちゃ大変だぞこれ。
Underwater ritual offerings in the Island of the Sun and the formation of the Tiwanaku state
https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1820749116
まずチチカカ湖は、南米のアンデス山脈の上の方にある。ペルーとボリビアの境目。
インカ支配層のルーツはチチカカ湖周辺と言われておれ、インカ帝国以前の「プレ・インカ」と呼ばれる時代に、この場所にティワナク文化が栄えていた。ティワナクとインカが直接つながるものかどうかは分かっていないが、少なくとも文化的に影響は与えており、後のインカに引き継がれるモチーフも既に登場している。
で、この湖、ティワナクの時代に聖なる湖としてお供えとか投げ込んでいたらしいのだが、そのお供えの地層を調査すれば、いつから儀式が継続されていたのか、どういうものをお供えにしていたか、分かるんじゃない? というのが、この論文である。
簡単そうに聞こえるが、湖の底に潜って堆積物を上から順番に整理していくことになるので、めちゃくちゃ手間のかかっている調査である…。
調査したのが2013年、論文が出たのが2019年になっているが、情報の整理にも時間がかかってそう。
・水深は標高3,809.7m(湖面)を基準として測定 ←ヒェッ…
・湖底堆積物の試掘(ボーリング調査)
・岩礁および発掘区のソナー走査と水中3D写真測量によるマッピングで地形を作成
・基準点(金属杭:A~F)の位置を地理情報システム(GIS)上にマッピングして、遺物を見つけた場所を特定
・3箇所ほど水中の発掘区を設定して地上と同じように地層を剥がしていく
やってることは順当なのだが、これ水中でやったのかあ…お疲れ様…という感じ。
琵琶湖の発掘でも似たような手法でやってるのは見たことがあるけど、富士山より高いところでやれって言われたら地元民以外は迷うんじゃないかな。まず空気が薄くて地上ですらまともに動けないのに、水中で長時間の作業やるとか、過酷すぎる。
で、湖底からは当然、湖に住んでいる魚の骨とか、無関係なものもたくさん出てくるので、関係ありそうなものを選り分けることになる。
そうして見つかったのがコレ。
つぼみたいなものは、実際には香炉。ネコ科動物(ピューマ)を模した香炉がたくさん出ているそうだ。これはティワナク文化に特有のもので、地上の遺跡で香炉が出土する年代と、湖から出てくる年代はリンクしている。
また、ラクダ科動物の骨が出ており、おそらく生贄にされたリャマだろうとのこと。
200年くらいのあいだ儀式を続けていた痕跡があるらしい。
これ単体だと大きな発見ではない研究なのだが、アンデス高地でも水中考古学の手法が有効というのは面白かった。湖の底に眠る古代の遺産、と言えば、ちょっとワクワクするところ。
まあ…調査は…大変すぎますけどね…。