マケドニア兵あんま泳げないけど、エジプト兵は泳げる。水泳出来ないと暮らせない地域について

プトレマイオス朝創設期についての本を読んでいたら、「ペルディッカス率いるマケドニア軍の兵たちは泳げなかったので、ナイル川に阻まれてかなりの数が溺死した」という話しが出てきて、あーまあ、彼ら川で暮らしてたわけじゃないからなあ…と思った。

マケドニア兵がそもそも重装備過ぎたのもあるだろうが、内陸で海に面しているわけではなく、大河も無いので、泳ぎの得意なものは少なかったんだろうなと思うのだ。

対してエジプトは、ナイル川沿いに集落が集中しているので、兵士やるような庶民は全員、子供の頃から川で泳いでいたはずである。そして、ナイル川は毎年夏頃に増水し、隣村に行くのに川を泳がないと辿り着けないくらいになるので、むしろ「泳げない奴は生きていけない」くらいの世界なのだ。

これは、近年スーダンで起きたナイルの増水による水害の風景を見ていると想像がつく。
エジプトはアスワン・ハイ・ダムが増水をせき止めるので季節による水位の変動は無いのだが、それより上流のスーダンでは、今も、年によっては想定外の増水が発生してこうなる。

Steps Sudan must take to prevent future flood destruction
https://www.preventionweb.net/news/steps-sudan-must-take-prevent-future-flood-destruction

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Sudan's capital confronts Nile's wrath in record floo
https://english.news.cn/20251003/2a67a63845f54a0883f8bba063b7831f/c.html

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ダムや堤防が作られている現代ですらこれ。
古代には毎年のように増水が起きて村が水の中に孤立した島と化していたうえに、その水が一ヶ月以上は引かなかったわけなので、「泳げない奴いるわけないだろ」くらいの暮らしをしていたはずなのだ。
ナイル川沿いの住民が兵士になった場合、他の地域の兵士よりは泳げただろうな、というのは、十分想像がつく話なのである。

なおナイル川、マケドニア兵だけでなく、のちの時代には十字軍も増水トラップにかけて殲滅したりしているので、意外と侮れない。
特に下流のナイルデルタは、川がめちゃめちゃ増水する、一ヶ月で地形が全く違うものになる、というのを知らないで攻め込んでくると、痛い目に遭う地域なのだ。

上手く攻め込めたペルシア軍などは、事前リサーチしっかりやったんだろうなあ…。