古代エジプト、第17王朝の女傑・アハホテプ王妃と「黄金のハエ」。ハエの胸飾りはお好き…ですか…?

今年の夏はまあまあ涼しい、とはいえやはり夏はコバエが発生する季節…。
鬱陶しいむいむいと格闘しながら、ふと思い出したのは古代エジプトの「ハエ」にまつわる概念である。以前もどこかに書いた気がするが、古代エジプトにおける「ハエ」は不屈の精神、諦めない勇気といったものを象徴する存在であった。

これは、イバナの子イアフメスなど軍人さんが墓に堂々と「ハエの如く戦って王からハエの勲章貰ったで」とか誇らしげに書いてあることや、国土分裂の時代にヒクソスを追い払うための軍事的な指導者としての役割を果たしたとされる、セケエンラー・タア王の妃であるアハホテプの副葬品にあった黄金のハエの首飾りから良く知られている。

…そう、黄金のハエの首飾りを、王妃が身につけていたのである。
そんで墓にまで入れてるってことは、たぶんお気に入りだぞこれ…w

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https://egypt-museum.com/necklace-of-ahhotep-with-golden-flies/

しかも、これは息子たちからのプレゼントだったようなので、息子たちもママンに何あげとんねんという感じ。ちょうちょ、トンボ、てんとうむし、タマムシあたりはまだ女性もののアクセで見たことある意匠だが、さすがにハエは現代人の感覚からは理解に苦しい。
貰って嬉しいかっていうと、すっげえ微妙。

なお、ハエのヒエログリフは「厄介なものや敵を追い払う、退ける」という意味の単語の決定詞としても使われるため、ほんとに「叩こうが追い払おうが何度でも舞い戻る粘り強さ」に対するポジティブな感覚からハエが武勲の象徴にされていたのだと思う。人間側からしたらハエなんて邪魔なだけだと思うのだが、古代エジプト人はなぜか、「やるじゃねえか、そのファイトに敬意を表する」という方向で解釈したらしい。

ハエなんていなくなればいいのに、とか、邪魔だし手軽に全滅させられないかな、とか思ってしまうのが、きっとよろしくないのだ。
古代人のような広い心で…対処出来ればと…努力目標として…。