古代エジプトの料理の味は「ハーブ系」。文化圏的には地中海なので。

知り合いに、古代エジプトの調味料って何あんの? 塩しかなくない? と言われたので、いやいやあるよ一杯あるよハーブ系だよ!
という話をちょっと書いておきたい。

まずエジプト、基本的な文化圏としては東地中海に属する。つまりアフリカ内陸部より地中海風の料理が基本。
ナイル川の北と南で、日本でいう九州と東北くらい気候が違うので、味付けの差はあったと思われるが、パンを主食としてスープ類とビールを合わせる基本スタイルは共通だったと思われる。
庶民のタンパク源は主に豆、ナイル川でとれる魚や鳥。家畜の肉は偉い人以外はほとんど食べていない。

それらの味付けに使われるのは、川沿いの緑地で取れる野生のハーブ類である。
具体的には、コリアンダー(パクチー)、クミン、フェンネル、アニス、セロリの仲間などが在来種として古代から存在していた。まあおもいっきり地中海料理にあるハーブ類ですよね。魚のスープに粉にしたハーブ類と塩入れると、アクアパッツァみたいなのが出来たはず。

甘み成分はナツメヤシとハチミツ。砂糖大根やサトウキビは入って来ていない。


注意するところは、古代のいつを想定するかによって、「まだ無い」があり得ること。
日本で言うと、江戸時代にはじめて輸入されたものは平安時代には出してはいけない、みたいな話である。

よく引っかかるのがニンニク。これはおそらく新王国時代から。
https://55096962.seesaa.net/article/503313003.html

ハイビスカス・ティーは現代では有名だけれどエジプトに入るのは19世紀以降で超近代。
https://55096962.seesaa.net/article/201604article_24.html

モロヘイヤも、現代エジプト料理では有名ですが古代から食べられていた証拠がありませんでした。
https://55096962.seesaa.net/article/201708article_14.html

砂漠地帯なので基本的にキノコはない。一部資料で誤ってトリュフと書かれているものは砂漠のイモタケ。
https://55096962.seesaa.net/article/201612article_18.html

あと、コショウやシナモンはインドから輸入なので、どんなに早くても新王国時代末以降。

なので現代エジプトで有名なものと古代からあったものは別にして考えたほうがいい。
また、野生のハーブ類や放置しても育つナツメヤシなどは昔からあったと考えていいが、作物として育てる系はほとんどがどこかの時代に入ってきたものと考えておくのが安全かと思う。



[>過去に書いたもの

各季節の「旬」の食べ物
https://55096962.seesaa.net/site/pc/preview/entry

実はタイガーナッツやアーモンドもあるため、これらを使っての調理も可能。

古代エジプト人が使った「植物油」
https://55096962.seesaa.net/article/503097017.html

ギリシャやトルコの沿岸沿いだと、サラダにオリーブオイルかけるとか、焼き魚にザクロ汁かけるとかの食べ方もあるので、料理にオイルを使う・かけるというのは古代エジプトでもやってた可能性あり。