オリンピックの光の側面とギリシャage(上げ)の本「古代オリンピックの起源の真意と全貌」
さすがに台風来るのに山は行けねぇ…と図書館に行き、登山本とか漁ってた時にふと見つけた本。
つまりスポーツコーナーの本棚にあった本である。「なんでこんなことにあるんだ…?」と思いながら手にとったのだが、どうやらこれ、著者が考古学者や歴史学者ではない。医学博士である。
なのでスポーツ医学に関する章もあったりして視点は斬新。
さらに、この本は東京オリンピックにかこつけて発行されたものらしく、オリンピック関係者が紹介文を書いていたりする。学術書ではなく、スポーツ振興用のイベント本、みたいな感じの位置づけだ。
なので、Amazonには売っていない。
が、著者の先生の医院のホームページで売っている。
同人誌のホームページ販売みたいなノリなのでちょっと笑ってしまった。でもまあ、資料として欲しい人はいるかもしれないのでリンクしておく。
https://kaku-kobe.com/books.html

まず良いところは、オリンピック競技についての説明が詳しいこと、オリンピック前のトレーニングに関する説明も人文系の本にはない詳細さがあること。このへんはスポーツ医学の専門家ならではというところ。
また、ギリシャageの本なので、ギリシャ料理の飯テロも入念に行われている。これは古代のオリンピック後の祝勝会でごちそうが出た、という章の写真である。なんともおいしそう。ギリシャ久しぶりに行きたくなった。まあギリシャ料理は東京まで出れば食えるんですけども。

古代のオリンピック関連遺跡についての記述が詳しいのも好印象だった。
難点は、人文系の人ではないため歴史記述に関しては明らかに間違っているところや、認識が不適切なところがある。
たとえばここなどは、ツッコミが追いつかないくらい色々言いたいことがある。

ギリシャの女性たちの権利は現代人に比べ制限されていたこと、女性たちに任されていた権限範囲と男性のそれの違い、レディーファーストいう言葉の意味の誤認、ギリシャ神話は西アジアの大地母神信仰を取り込んで成立しているので女神信仰が古いのは男性神を最高神とする神話に上書きされたためとみなすべきであること、そもそもギリシャをヨーロッパ文明の発祥とするのはかなり古い時代の見方で現在はそれは妥当ではないとされていることetc。
「話せば長いけどそこからかぁ」「この雰囲気だといまだに四大文明とか言ってそう…?」みたいなアレがアレな感じ。
本の全体に渡って、50年前かなこれ? みたいな認識がちょいちょい出てくる。それなりに歴史や神話に興味あっても門外漢の人はこんな感じなのか…? と首を捻ることしばしば。
人文系の学者さんと組んで本書けばもうちょい違和感のない仕上がりになったかもしれない。
また、この本は基本的にオリンピックの光の側面しか書いていないので、ローマによって中断される前に既にオリンピック精神は死んでいたことなどは出てこない。審判の買収やスポーツ賭博に汚染された時代のことも、威信をかけて自国選手に金を注ぎ込みまくってた王たちがいたことも、なんも触れられていないのである。
あと参加できるのは基本的に身内だけで、マケドニアが出場拒否されそうになった時に「うちはギリシャの一部だもん!バルバロイじゃないもん!」と主張してた下りとかも無かった。
全ての歴史には必ず光と闇がある。
闇に触れられていないため少し物足りなく、この本だけで「オリンピックの全容」と言うのはちょっと言い過ぎかなーという感想だ。
個人の同人誌としてはレベルが高すぎるが、専門書と呼ぶには物足りない、他の本と組み合わせて使う資料としては使いやすそう。そんな位置づけ。
自分はギリシャはあんまり詳しくないので知ってる範囲での感想だったが、そっち方面の人が読めばまた違った意見になるかもしれない。
つまりスポーツコーナーの本棚にあった本である。「なんでこんなことにあるんだ…?」と思いながら手にとったのだが、どうやらこれ、著者が考古学者や歴史学者ではない。医学博士である。
なのでスポーツ医学に関する章もあったりして視点は斬新。
さらに、この本は東京オリンピックにかこつけて発行されたものらしく、オリンピック関係者が紹介文を書いていたりする。学術書ではなく、スポーツ振興用のイベント本、みたいな感じの位置づけだ。
なので、Amazonには売っていない。
が、著者の先生の医院のホームページで売っている。
同人誌のホームページ販売みたいなノリなのでちょっと笑ってしまった。でもまあ、資料として欲しい人はいるかもしれないのでリンクしておく。
https://kaku-kobe.com/books.html
まず良いところは、オリンピック競技についての説明が詳しいこと、オリンピック前のトレーニングに関する説明も人文系の本にはない詳細さがあること。このへんはスポーツ医学の専門家ならではというところ。
また、ギリシャageの本なので、ギリシャ料理の飯テロも入念に行われている。これは古代のオリンピック後の祝勝会でごちそうが出た、という章の写真である。なんともおいしそう。ギリシャ久しぶりに行きたくなった。まあギリシャ料理は東京まで出れば食えるんですけども。
古代のオリンピック関連遺跡についての記述が詳しいのも好印象だった。
難点は、人文系の人ではないため歴史記述に関しては明らかに間違っているところや、認識が不適切なところがある。
たとえばここなどは、ツッコミが追いつかないくらい色々言いたいことがある。
ギリシャの女性たちの権利は現代人に比べ制限されていたこと、女性たちに任されていた権限範囲と男性のそれの違い、レディーファーストいう言葉の意味の誤認、ギリシャ神話は西アジアの大地母神信仰を取り込んで成立しているので女神信仰が古いのは男性神を最高神とする神話に上書きされたためとみなすべきであること、そもそもギリシャをヨーロッパ文明の発祥とするのはかなり古い時代の見方で現在はそれは妥当ではないとされていることetc。
「話せば長いけどそこからかぁ」「この雰囲気だといまだに四大文明とか言ってそう…?」みたいなアレがアレな感じ。
本の全体に渡って、50年前かなこれ? みたいな認識がちょいちょい出てくる。それなりに歴史や神話に興味あっても門外漢の人はこんな感じなのか…? と首を捻ることしばしば。
人文系の学者さんと組んで本書けばもうちょい違和感のない仕上がりになったかもしれない。
また、この本は基本的にオリンピックの光の側面しか書いていないので、ローマによって中断される前に既にオリンピック精神は死んでいたことなどは出てこない。審判の買収やスポーツ賭博に汚染された時代のことも、威信をかけて自国選手に金を注ぎ込みまくってた王たちがいたことも、なんも触れられていないのである。
あと参加できるのは基本的に身内だけで、マケドニアが出場拒否されそうになった時に「うちはギリシャの一部だもん!バルバロイじゃないもん!」と主張してた下りとかも無かった。
全ての歴史には必ず光と闇がある。
闇に触れられていないため少し物足りなく、この本だけで「オリンピックの全容」と言うのはちょっと言い過ぎかなーという感想だ。
個人の同人誌としてはレベルが高すぎるが、専門書と呼ぶには物足りない、他の本と組み合わせて使う資料としては使いやすそう。そんな位置づけ。
自分はギリシャはあんまり詳しくないので知ってる範囲での感想だったが、そっち方面の人が読めばまた違った意見になるかもしれない。