"人文学"の記事一覧

ありし日のマタギ文化と知られざる山岳信仰の世界「マタギ 日本の伝統狩人探訪記」

図書館でいつものように適当に本を漁っていたら表紙が渋い本を見つけてしまい、ゥワァー! スケベなマタギだーー! と勢いで借りてしまった。 東北・秋田のマタギ村で、昭和30年代から50年代あたりに見聞きした内容が中心となっている随筆集だ。厳密な民俗学資料ではないものの、今はもう消えてしまったか薄れてしまったマタギという職業に特有の習慣や文…

続きを読むread more

ローマ人の考えた「エジプト風」、ナンチャッテ具合が面白い

論文・ペーパー検索でポチポチ遊んでた時に見つけたやつ。■ ローマ人が作った「エジプト風」のテラコッタレリーフで、色々間違えてるけど頑張ってヒエログリフ入れてみたよ! って感じのやつらしい。 ちなみにローマの装飾でエジプト風のものは、ナンチャッテとはいえヒエログリフが入っていること自体が珍しいらしい。確かに、以前ポンペイ展で見たフ…

続きを読むread more

ペルー、100年ほど行方不明になっていたモチェの壁画が再発見される

今から1000年ほど前、モチェ文化の時代に描かれたフレスコ風の壁画が一般人の農地から再発見されたそうだ。 この壁画はもともと100年以上も前にドイツ人民族学者Hans Heinrichが白黒写真として撮影していたのだが、その後あらされ、どこにあったのかわからなくなっていたのだという。写真自体もわりと最近まで忘れ去られていた。 そして…

続きを読むread more

ビザンツVSアラブ 7世紀の覇権争いの行方と結果「生まれくる文明と対峙すること」

タイトルかっけぇなこれ…って何となく読み始めたら内容とタイトルが意外にもマッチしていてハイセンスなつけかたしていた。 7世紀の地中海世界で、新興勢力のアラブ勢とビザンツがどう向き合ったのかということ、「東ローマ」がいかにして「ビザンツ帝国」としてアイデンティティを確立していったのかということが書かれている。 生まれくる文明と対峙…

続きを読むread more

知恵の象徴とされるフクロウ、実は知能はそれほど高くない。鳥類の脳と進化のサイエンス

フクロウといえば、ギリシャ神話では女神アテナのお使いとされ、知恵の象徴として扱われることの多い鳥である。 しかし現実世界では、「賢い鳥」といえばカラスやオウムの仲間で、フクロウがランキングに上がることはない。かの鳥が「賢い」とされるのは、主に神話伝承の世界なのだ。 先に内容をまとめてしまうと、以下のような内容になる。 ●フ…

続きを読むread more

ツタンカーメンの在位9年は、他の王に比べて「短くはない」。墓が小さい理由はおそらく在位年の長さではない

ツタンカーメン王墓発掘から100周年ということで色々出版物があったり報道が出たりなのだが、一つ気になっていることがある。 この王の在位年を「わずか9年」とか「短い」と表現しているのを見かけることだ。 9年は全然短くない。 他の王たちの在位年を見てみれば、短い人はたくさんいる。 前後で近い時代だと以下のような感じになってい…

続きを読むread more

アレキサンドリア南・マレオティス湖の「転生」、古代から現代へ

もしもクレオパトラやアレキサンダーが現代にタイムスリップしてきたとしても、寄港すべきアレキサンドリアの港がどこにあるか分からないだろう。 ――そのくらい、現代のエジプト沿岸部は古代と風景が違っている、という話なのだが、なんとなく調べていたアレキサンドリア南側のマレオティス湖についての歴史についてメモしておく。 マレオティ…

続きを読むread more

テオティワカンで見つかったクモザルはマヤ諸都市からの貢物か。犠牲獣から見る生物贈答の歴史

メキシコ高地に栄えた都市、テオティワカンでは、その地域には生息していないはずの動物が見つかっていて、マヤ低地の諸都市からの貢物ではないかと考えられている。 その貢物の一つがクモザルで、どうも人気のある動物だったらしく多数の遺骨が神殿内から見つかっている。犠牲獣でもあったらしい。 これは古代の「パンダ外交」みたいな感じだったのではない…

続きを読むread more

古代エジプトの星座、まさかの「お肉ファースト」だった。現存する最古の星座とは

そういや古代エジプトの星座って、時代ごとにちょっとずつ変わっていってる(バリエーション増えてる)んだよなー、最古の星座って何だったっけな? ってちょっと出来心で調べてみたら、なんか意外なのが出てきたぞ。 まさかの。 牛のもも肉座が最古事例だった。 正確に言うと、「南天の星座2つ」「北天の星座2つ」の4つセットが現存する最古…

続きを読むread more

古代エジプト人が墓に入れた「平たい女性像」とその役割

英語で「Paddle Doll(パドル・ドール)」と呼ばれる古代エジプトの遺物がある。 古王国時代の末期から、中王国時代(主に第12王朝)にかけて作られ、墓に納められた木製の平たい女性像である。 女体というにはかなりシンプルで、一見してオモチャのようにも見えるが、実はこれ、れっきとした大人用品、いわば宗教的なアダルトグッズなのである…

続きを読むread more

古代エジプト人はカルビがお好き。供物から見る「食べ物の好み」

忘年会のシーズンですね。焼肉たべたい。 さて、ふと古代エジプトの葬送ステラとか眺めていたら、うまそうな牛肉が描かれているわけですよ。 こちらアメンエムハトさんのステラ いい牛肉ですねー! 真ん中あたりにあるのはリブ、あばらつきのバラ肉つまりカルビでございます。 ちなみにこのバラ肉、専用ヒエログリフもあります。 …

続きを読むread more

新石器時代の上メソポタミアの人々はどこからやってきた? ゲノム解析から見る人の移動

古代メソポタミアの人々がどこから来たのか、シュメル人は宇宙人だったとか安っぽい説がウケたのもすでに昔、今や大昔の人骨からでもDNA引っこ抜いて分析できてしまう時代でございます。 シュメルが栄えたのはティグリス・ユーフラテス川の下流だが、農耕の技術が誕生したのはもっと上流の「肥沃な三日月地帯」。そこから川を下って人と技術が伝播した結…

続きを読むread more

おっぱいは、ありまぁす! 「爬虫類におっぱいをつける絵はアリかナシか」について

世の中には色んな性癖があるもので、雌のドラゴンに乳房がついている絵が多々ある。いわゆるケモナー界隈ではよくあるやつだ。 しかし、それに対して、「ドラゴンは爬虫類なのにおっぱいついてるのは、おかしくね?」とイチャモンをいける人もいる。そもそも哺乳類だったとして、犬や猫を擬人化したレディが副乳でなく大きな乳房2つだけなのだっておかしいだろ…

続きを読むread more

ヨーロッパ史における「民族大移動」という概念への批判と再構築について

「民族大移動の時代」については、ヨーロッパ史に関連する本でよく出てくるので前提となる説明は省く。 大きな流れとして、フン族がアジア方面から流入、玉突きでゴート族など元からいた蛮族集団も移動しはじめ、ローマ領内に混乱をもたらし、それが帝国の破滅につながっていく…みたいな定説である。 ↓こういう感じの図。見たことある人もいると思う …

続きを読むread more

エジプト・カイロ博物館(タハリール広場にある旧博物館)、120周年記念

開館準備の進む第エジプト博物館とは別に、古くからあるタハリール広場のカイロ博物館のほうもリニューアルして120周年記念イベントを開催。 1902年にこの場所に移ってきて開館した中東地域で最古の、歴史ある博物館…なのだが、歴史がありすぎて建物も設備も古いしアクセシビリティもよくない、建物そのものが考古学遺物みたいな場所なのだ。 E…

続きを読むread more