"人文学"の記事一覧

エジプト考古学会に激震走る。ルーブル美術館関係者が「盗品売買」で次々拘束

今月初め、ルーブル美術館の盗品売買に著名なエジプト考古学者も関わっていたというニュースが流れ、エジプト考古学会に動揺が走っていた。 ルーブル美術館の姉妹美術館としてドバイに開館された「ルーヴル・アブダビ(LOUVRE ABU DHABI)」に収蔵するためのコレクションを集めていた時、2011年以降に起きた「アラブの春」の混乱で流出した…

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テーベのマッピング・プロジェクトページが進化してた。これははかどる

王家の谷など、テーベ周辺の主要な遺跡の位置やデータをものすごくキレイにまとめて公開してくれているサイトが、いつのまにかリニューアルされてものすごい充実していた。これは色々はかどる。 Theban Mapping Project https://thebanmappingproject.com/valley-kings 墓の…

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古代エジプトミイラの作り方。「脳は鼻から掻き出す」は一部だけと分かってきている話

イギリスのケント州で、民家の屋根裏に忘れ去られていた古代エジプトミイラの頭部が発見されて、博物館に寄贈された。 どうも19世紀あたりに誰かがお土産として持って帰ってきたものを貰った、みたいな、ふわっとした来歴しか分かっていないらしいのだが、19世紀当時としてはよくある話なので、それ以上の追求も難しいかと思う。 https://w…

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ファラオはゆっくり眠れない。ラメセス6世の破損ミイラは今

ラメセス6世とは、古代エジプトの第20王朝の一人である。 甥と考えられているラメセス5世の早世のあとに在位しているが、ラメセス5世の彫像や墓から名前を削り取って自分のものに変えるなどしているため、簒奪王と呼ばれることもある。また、この王の時代にエジプトはアジア支配をほぼ失っており、衰退期の王でもある。 そんな不安定な治世ゆえか、…

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太陽神ラーの別名と「隠れたる者」の謎 メジェドってやっぱり太陽神なのでは…。

古代エジプトの王墓に描かれた呪文のに中に、「太陽神の讃歌」とか、「太陽神ラーへの連祷」とか呼ばれているものがある。 初出は第18王朝のトトメス3世で、冥界における太陽神ラーには74の別名と姿がある、として、74の名前と姿が描かれているものだ。冥界を通過しながら太陽神が様々に変容していくという内容になっている。 「死者の書」の中に…

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イングランド西部、「アーサーの石」と名付けられてしまった新石器時代の巨石遺跡が改めて調査される

イングランドには、「ご当地アーサー伝説」とでも言うべき様々な派生伝承がある。 「なんと、あのアーサー王はうちの近所にも来ていたのでーす! この石はアーサーが倒した巨人が姿を変えたもので…」みたいな物語が、あちこちに残されているのだ。日本で言うと弘法大師みたいなノリで。 そんな伝承のうちの一つ、ヘレフォードシャー(Hereford…

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エジプトの死者の書189章・最後の章は「糞尿を食べないための呪文」だった

ふと「最後の章にある『人をして汚物を食ふことなからしむるの章』ってなんだっけ…」って思い出したのでちょっと英訳版を見てみたのだが、マジで「汚物を食わないための呪文」になっていたので、面白いなと思った。 分類上とはいえ、現状での最後の章が「糞尿は嫌い、パンを食べたい」なんである。 ※元ネタはR.O.Faulkner版 ま…

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ミイラは安らかに眠れない。エジプト・ギザ台地で盗掘された軍司令の墓が見つかる

エジプトから古代の墓が見つかることは、珍しくはない。 10年前のエジプト革命以降、治安が悪化して盗掘しまくられたにもかかわらず、最近でも墓がぽこぽこ見つかっているくらいのお国柄である。 なので今回の墓発見もふーんで流そうかと思っていたのだが、ものすごく…ものすごく綺麗に盗掘されていたので、「アッッッ(哀」てなったのでメモしておこうと…

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「小さなヒト」の島の「巨大な鳥」。フローレス島の巨鳥L・ロブスタスは飛べた可能性が示唆される

レプトプティロス・ロブスタスとは、現在のインドネシアのフローレス島で骨が見つかっている、既に絶滅した巨大なコウノトリの仲間だ。 高さが成鳥で1.8mほどとかなり巨大であり、2010年の発見当時はモアやドードーのような「島で特殊化した飛べない鳥だろう」と推測されていた。それが、新しく見つかった骨の分析によって、翼に退化の兆候が見られない…

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「古代エジプト」の範囲と現代の国境線。ナイル第二急湍の位置確認

「古代」エジプトと「現代」エジプトは、南北の範囲で言うとほぼ同じなのだが、東西の幅は異なっている。 西は、シーワ・オアシスがエジプト人に知られるようになったのが結構あとの時代で、東は、時代によってレバノンあたりまで支配下に置いていたり、シナイ半島まで撤退してたり、はたまたキプロス島を支配下に置いていたりとまちまち。 という話を以…

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中国南部の馬鹿洞人(ばかではない)、新種ではなく古代人ぽい見た目の現生人類と判明する。

馬鹿洞人(ばろくどうじん)というのは、中国南部の马鹿洞(Maludong/Red Deer Cave)という洞窟で見つかった古い骨である。見た目が類人猿っぽかったため、かつては原人か、ネアンデルタール人との混血ではないかと言われていた。しかし、年代が1万4千年前とかなり新しく、そんな時代に現生人類以外のヒト種が生き残っているはずはない、…

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「中世エジプト」と「古代エジプト」がクロスする時。「エジプト死者の街と聖墓参詣」

中の人は古代エジプトのマニアだが、中世エジプトや近代エジプトもそれなりに手を出している。 というか歴史というのは繋がっているものなので、ある瞬間にいきなりすっぱり切れるわけではない。歴史本が毎回ある時点で語るのを終えるのは、その先の時代について研究者が不勉強だからか、専門外に手を出したくないからか、ページ数が足りないだけである。なので…

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インダス文明はもはや「謎」ではない、最近の研究まとめ本

価格帯と内容的にお得だな、と思った本を読んでみた。 コロナ禍が来る少し前からインダス文明の最新研究本が何冊か出ていて、トレンドみたいなもんかなと思う。 インダス文明 文明社会のダイナミズムを探る - 上杉 彰紀 まずおさらいなのだが、インダス文明は大河文明ではない。 かつてはインダス川流域に発展したのだと考えられてきたが…

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祇園精舎まで何マイル? ふと距離と時間を調べてみた

平家物語の始まりは「祇園精舎の鐘の音~」という有名なフレーズだ。 しかし、京都に祇園という地名はあっても精舎はそこには無い。もともと仏教用語であり、釈迦が説法を行った場所のことなので、インドにある。たぶん語り継いできた琵琶法師たちはそこまで意識しなかっただろうが、平家物語は概念上のインドから語り始められる物語、なのである。 で、…

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