"人文学"の記事一覧

ギザのスフィンクス信仰の変遷について

エジプト・ギザ台地にあるスフィンクスについて、ふと、「古代より中世のほうがまともに信仰されているのでは…?」という気がしたので書いておく。 前提として、「古代エジプト」の時代だとスフィンクスが単体で神として信仰された形跡は、ほぼ無い。 例外としてトトメス4世の時代に夢の中にスフィンクスが出て来て王位を与えてやると言った、という話…

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ヨーロッパの青銅器時代の短剣、戦士のステータスシンボルではなくお肉切り分け用だった可能性が高まる。

今までは見た目で用途を分類されていた副葬品に入ってる刃物、刃に残ってる使用痕や有機物の痕跡から用途を割り出す手法が考案された、という話。 今回の分析では北イタリアで発見された約4000年前の10本の薄手のナイフについてが対象で、いずれも有機物は動物の脂肪などと判明。動物の屠殺や肉の切り分けなどに使われていた、という結論になった。 こ…

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古代エジプト人、もしかしてヤツガシラ食べてた…? 壁画に見る野鳥の利用法

ヤツガシラとは、冠のようなトサカが特徴的な中型の野鳥である。 一度見たら忘れられない派手派手な姿と、見た目によらず(?)上品な鳴き声を持つ鳥で、エジプトのナイル川沿いやオアシスに分布している。温暖な気候の地域を好み、残念ながら日本には生息していないが、暖かい時期にたまに遠征してくることはある。 ↓北アフリカにいる種類 …

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クマネズミのヨーロッパ進出はローマのせい? 古代骨のDNA解析と歴史から紐解くヒトとネズミの数奇な関係

クマネズミとは、都市部の地下に住むいわゆるドブネズミとは違い、家の天井裏や木の上など高いところに住むのを得意とする大型のネズミ。 そのクマネズミが、古代と中世に人間の活動とともにヨーロッパに進出して繁殖していたらしい、という、古代の骨からDNAを採取した研究があった。 発掘で出てきた骨の分析を軸に、これまでの歴史研究とリンクさせると…

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古代パルミラ人はフッ素症で悩んでいた。その原因は「地下水」だった

パルミラは、シリア北部にある遺跡。ISが猛威を振るっていた時代には、爆破される動画が出回って古代文明ファンにショックを与えていた。 そのパルミラだが、シリアが内戦状態になる以前には日本人の学者も多く研究に入っていて、興味深い論文もいくつかある。その一つを紹介しておきたい。 Why did the ancient inhabita…

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テラ火山の大噴火はいつ起きたのか。古代エジプトの歴史との関係とは

サントリーニ島・テラ火山の噴火年代が絞り込まれ、候補が紀元前1611年、1562-1555年、1538年の3つに減った、という話。 この噴火の年代がなぜ重要かというと、破局的な大噴火なので、この噴火が起きたあたりで東地中海世界の文明がかなり大きな打撃を受けているはずだから、なのだ。 Researchers Home In On …

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チリ:アタカマ砂漠の古代文化圏は津波で一度消滅した? 地質学x考古学で見る研究

アタカマ砂漠は、世界で最も乾燥している場所と言われるほど乾燥しきった砂漠で、チリ南部に広がっている。 そこの海岸沿いに暮らしていた漁労民の集落が、今から3,800年ほど前に津波によって壊滅した可能性がある。という論文が出ていた。 津波の痕跡はいつもどおり海岸から離れた場所に残る海の堆積物。また、同時期に集落が放棄されており、約100…

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殯の森のいまむかし。「土葬の村」

オススメに出てきた本をホイホイ読むのも休日ならでは。 初夏の日差し差し込むカフェで優雅に開く本が死者の埋葬習慣にまつわる本、それもまた良し。 この本のメインは、主に奈良県東部の、土葬習慣の残る村々を取材した、土葬の葬送儀礼とはどのようなものなのか、という記録である。 他に、奈良以外の地域の土葬の風習、変わったところでは与論島で…

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古代エジプトの葬送テキストの読み方が分かる!「神々と旅する冥界 来世へ」

本のタイトルと表紙デザインが、パッと見、新興宗教の教義本みたいな感じになっているが、れっきとした古代エジプト本である。 古代エジプトの葬送テキストといえば「死者の書」が有名だが、それ以前にピラミッド内部に書かれた「ピラミッド・テキスト」や、棺に書かれた「コフィン・テキスト」、さらに王家の谷の墓壁に描かれていた冥界下りの各テキストなどが…

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ピラミッドの製造技術の「意味在る手抜き」。日干レンガで作られたピラミッドでも後世には残るという話

古代エジプトのピラミッドは、最初は全て石材で作られていたのだが、だんだん小型化して、しかも石材は玄室周りと表面だけに使われるようになっていく。 …という工法の変遷の話は別で読んでもらうとして、フル石材ではなく日干レンガを芯に使うようになった時代のピラミッドは、概して残りが悪い。後世に石材が転用されてしまったあと、中身の日干レンガが雨風…

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思考実験としての古代エジプト神分類:「役割」のために作られた神とそれ以外

唐突だが、よく知られている(=記録が豊富に残っている公式な)エジプト神話の神々は、人工的に作られたもの、もしくは後世に属性を整理されたものがほとんどで、「不思議なもの」に対して単純に意味づけをしたものや、自然崇拝から発生した原始的な神はほぼ残っていないよ、という話をしたい。 まずは簡単にエジプト神話の神々の分類をする。 …

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人類学の論争:ホビットの祖先は「どこ」から来たのか? 「いつ」までそこにいたのか?

「ホビット」とは、インドネシアで見つかっている小型の人類、ホモ・フロレシエンシスの愛称である。架空の種族にちなんで名付けられた。 近年になって見つかった新種のホモ属で、現生人類との交雑はないとされている。かなり小柄で、ヒトには違い無さそうだが現生人類の系譜と何処でつながるのかが分からない。 その「ホビット」について、二つの疑問が…

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アンティキティラの機械が「起動」したのは紀元前204年か178年か。専門家たちの議論について

「アンティキティラの機械」の概要については、適当にWikipediaでもググれば出てくると思う。 たぶん皆、一度はどっかで見たことがあるはずのもので、紀元前3世紀~1世紀頃に作られた歯車式のカレンダーであり、その複雑さから「世界最古の機械」と呼ばれることもある。かつてはオーパーツとされたことすらあるが、仕組み的には当時の技術で作れるこ…

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知らない世界の扉が開く…「妖怪学の基礎知識」

タイトルに惹かれて読んでしまった本。お硬いタイトルだが中身は読みやすく、「妖怪は何か」や「日本における妖怪の変遷・歴史」、近代の「妖怪ブーム」についてなど、全般を網羅的に扱ってくれている。そもそも妖怪に「学」をつけて研究しているのが面白く、さらに「妖怪研究が民俗学に入れられているのはなぜなのか」といった基本的な話にも触れてくれている。 …

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紀元前2000年のメソポタミアの船、幽霊の如き状態で発掘される

幽霊ってなんだよ…という話だが、こういうことです。 「かつてそこに物体の存在した影」とでも言うべき状態。うん…、これ船の形はしているけど、船そのものじゃないよね…。 Archaeologists unearth ancient Sumerian riverboat in Iraq https://arstechnica…
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